クラウドゲートの鄭宗龍アートディレクター(左)とメディアアーティストの真鍋大度さん(クラウドゲート提供)

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(台北中央社)台湾のダンスカンパニー、クラウドゲート(雲門舞集)でアートディレクターを務める鄭宗龍さんは新作「波」でメディアアーティストの真鍋大度さんとコラボレーションする。一部の振り付けにAI(人工知能)を取り入れ、ダンサーの潜在的なエネルギーを引き出した。鄭さんは「いかにして見えないものを見える化するか、これもわれわれの新たな挑戦だ」と話した。

記者会見が17日、台北市内で開かれ、鄭さんや真鍋さんが出席した。

鄭さんは作品が生まれた背景について、新型コロナウイルス下において一つ一つの小さなくしゃみがはるか遠くの人に影響を与えるようになり、これらのごく小さな変化がバタフライ効果のように人々をきつく結びつけたと言及。踊りを通じてこれらのエネルギーの流動や振動を表現したかったと説明した。SNS(交流サイト)で真鍋さんが踊っているのを目にし、これらの新たなエネルギーを感じたことから声をかけたという。

真鍋さんは、既存の伝統のもとに新たなものを積み重ねたいと考え、これがコラボでの最大の挑戦になったと話した。

鄭さんによれば、昨年アイデアを思いついた際、AIは今ほど注目されていなかったという。振り付けの仕事の一部をAIに任せ、「新たな化学反応が生まれ、自分の作品をひっくり返せる表現ができれば」と考えた。だがその過程では問題にも直面した。真鍋さんがAIを使って生み出した踊りをダンサーに託した際、ダンサーからは「無理だ」と言われた。関節や筋肉の使い方が人間では不可能だったため、修正を重ねる必要があった。真鍋さんは、振り付けへのAIの活用はまだ「黎明期」だと話す。始まったばかりだからこそ、将来的にさまざまな試みや挑戦をすることができると期待を寄せた。

「波」は10月12日に台北市の国家戯劇院で初演を迎える。中部・台中市の台中国家歌劇院や南部・高雄市の衛武営国家芸術文化センターでも上演される。

(趙静瑜/編集:名切千絵)