電子制御燃料噴射装置とは?

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近年製造されるクルマのほとんどは、電子制御燃料噴射装置を使用しています。これは、正確な燃料供給量やタイミングを、エンジンルーム内のECU(エレクトロニックコントロールユニット)で調整するものです。

各種センサーが様々な物理量(吸入空気量等)を測定し、その情報をECUに送ります。ECUは与えられた情報を算術演算しアクチュエーターに作動信号を送るのです。

アクチュエーターが作動することで燃料噴射量が決定し、エンジンシリンダー内に燃料が噴射され、エンジンが動くという流れを繰り返しています。

この電子制御燃料噴射装置の呼び方はメーカーごとに異なります。

メーカーごとに異なる略語がややこしい!

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例えば、トヨタ、ダイハツ、フォード、GMでは「EFI(Electronic Fuel Injection)」、日産、マツダ、スバルでは「EGI(Electronic Gasoline Injection)」と呼びます。

またホンダは「PGM-FI(ProGraMmed Fuel Injection)」、スズキは「EPI(Electronic Petrol Injection」、三菱は「ECI-MULTI(Electronically Controlled Gasoline Injection」とここまでで5種類もの名称があるのです。

さらに、いすゞが1970年に開発した自動車用アナログECUによるシステムは「ECGI(Electronically Controlled Gasoline Injecrion)」、スバルが軽自動車向けのエンジンコントロールシステムに対する呼称は「EMPi(Electric Multi-Point injecrion)」 これら全ては電子制御燃料噴射装置を指します。とてもややこしいですね。

なぜメーカーごとに名前が違う?

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例にあげたもので、最も多かったのは「Electronic / Electronically ●● Injection」のパターンでした。

Electronicは「電子の」、Electronicallyは「電子的な」という意味。Injectionは「噴射」という意味ですから、基本的にメーカーごとに異なるのは「燃料」の部分です。

ただしここも、「ProGraMmed(プログラムされた)」「Controlled(制御された)」「Multi-Point(多点の)」といった修飾語が含まれていますが、基本的には「燃料」(Fuel / Gasoline / Petrol)を表す単語が入っています。

同じ電子制御燃料噴射装置であっても、メーカーによって採用する機構や部品にこだわりがあります。名称の微妙な違いは、それが反映されているとも言えるでしょう。

自動車業界には略語がいっぱい!

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例えば、EFIやEGIなど、多くの機構ではホットワイヤー式エアフロメーターが使われていますが、三菱のECI-MULTIでは、独自のカルマン渦流式エアフロメーターを使用しています。

トヨタでは、マルチポイント式の電子制御燃料噴射装置は「EFI」と呼びますが、シングルポイント式の電子制御燃料噴射装置は「Ci」と明確に区別しています。

日産では「EGI」よりも、燃料噴射装置を含めたエンジン集中制御システムを表す「ECCS」と表記する場合が多いです。

同様に、自動車の部品や構造、システム名称などは名称が長いため、自動車業界にいると略称で呼ぶことが多くなります。例えば、バルブタイミングは「バルタイ」、ウォーターポンプは「ウォーポン」、エキゾーストマニホールドは「エキマニ」など。

これらの多くは整備士の間で使われることが多いですが、自動車関連の仕事をしていると、営業マンでも受付や事務でも、次第に覚えてしまうものです。こうした略語を理解したり使用したりできると、少し玄人感を醸し出せるかもしれません。