スキーアルペン男子大回転・ジャマイカ代表のベンジャミン・アレクサンダー【写真:AP】

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英紙ガーディアンの記者たちが大会を回顧

 20日に閉幕した北京五輪は数々の名場面、珍場面が生まれたが、英紙「ガーディアン」の記者たちは今大会を回顧。その中で「最も面白かった瞬間」に、あるジャマイカ代表選手の“名言”を挙げている。

「冬季五輪:北京五輪の良かったところ、悪かったところ、ヒーローたち、悪役たち」と題した特集で今大会を振り返ったが、「最も面白かった瞬間」にブライアン・アーメン・グラハム記者が挙げたのは、スキーアルペン男子大回転に出場したジャマイカ代表のベンジャミン・アレクサンダーだ。

 同記者は「大回転の2本目を表彰台の選手から1分以上遅れてフィニッシュした後、カメラに向かって『クタクタだよ。マッサージとビールが必要だね』と言った。僕も同じだよ。全くもって同感」とアスリートらしからぬ発言を紹介した。

 このアレクサンダー、実は13日の競技後から海外で話題になっていた。もともとはDJとして活躍。32歳から競技を始め、38歳になってジャマイカ初の冬季五輪スキー選手となったのだ。

 競技では1回目で35人が棄権する大荒れの展開。しかし、アレクサンダーは46人中最下位の46位だったが、見事に完走した。欧州衛星放送「ユーロスポーツ」は競技後の様子を伝えていた。

 カメラに向かい、「自分たちが冬競技に向いていないと思っている人たちのために滑ったよ。子どもたちを幼い頃からウィンタースポーツに親しませよう。スキー界を変えよう!」と粋なメッセージを発した上で、前述の「マッサージとビール」発言につながったという。

「マッサージとビール」発言の裏に熱い想い

 さらに「ユーロスポーツ」に対し、ベンジャミンは「人生で最も難しい挑戦だった。自分にとってはフィニッシュすることが全てだったんだ。今日は、何人かの世界最高の選手たちも完走できなかった。つまり少なくとも、自分は彼らより上にいるってことだね」とも語っていたという。

「20年以上競技をしている選手たちに追いつくなんて不可能。だからそれは狙っていなかった。ただしっかりフィニッシュして、楽しむことを大事にしたかった。そして、ゴール後ここで笑顔でいることもね。

 これはクール・ランニングの物語の続きでもある。だから、今日こういうコスチュームで臨んだんだ。ジャマイカ史上15人目の冬季オリンピアンになれてとても幸せだよ」

 ボブスレーのジャマイカ代表で世界的ヒットとなった映画「クール・ランニング」になぞらえ、自分の挑戦を誇っていたアレクサンダー。一見すると面白い「マッサージとビール」発言の裏には、熱い想いが隠されていた。

(THE ANSWER編集部)