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日本含む20市場へ参入計画

2022年の注目の1つは、「オペル」ブランドの日本再上陸だ。

【画像】日本のマーケット投入へ オペル最新4モデルをみる【詳細】 全101枚

ドイツで生まれ、現在はステランティス傘下となっているオペル


オペル・モッカ    オペル

日本にも第二次世界大戦前の昭和初期から何度か上陸しており、直近では1993年よりヤナセとGMの手で販売されていた。

しかし、2000年代に入って販売は低迷し、2006年で日本市場から撤退している。

そして2020年2月、捲土重来を期する日本市場への再参入が表明されたのだ。

「日本の自動車市場は、世界でも最大規模の市場の1つです」

「そしてオペルは、ドイツ車として世界的に評価をいただいています。だからこそ、日本市場への再参入は、オペルが『PACE!』事業計画で掲げた、国際市場進出によるさらなるビジネス拡大の重要な一歩となるでしょう」と、オペルCEOのミヒャエル・ローシェラー氏はリリースにコメントを記している。

オペルの掲げる事業計画「PACE!」によると、オペルは2020年代半ばまでに、販売台数の10%を欧州以外の市場で得るという目標がある。

この数字の達成のためにオペルは日本をはじめ、アジアやアフリカ、南米など、20もの新しい市場への参入を計画しているというのだ。

ただし、コロナ禍の到来もあり、計画は先延ばしになり、結果的に日本への再上陸は2022年上半期へと繰り越しになっている。

「いろいろあった」オペルの歴史

オペルの創業は1862年と古く、なんと2022年で160年もの歴史を積み重ねてきたことになる。

当初はミシン、続いては自転車とビジネスを拡大してきたオペルは、1899年より自動車の生産をスタート。

自転車の生産で培った技術が生き、また、レースで活躍したこともあり、オペルの自動車は高い評価を得る。

1907年にはドイツ皇帝の専用車に採用されるほどであったのだ。

しかし、第一次世界大戦と、その後の世界恐慌の荒波に対抗するために、オペルはアメリカのGMの傘下に。

オペルはグループの一員としてGMの欧州戦略のメインプレイヤーとなってゆくのだ。

しかし、またもオペルを第二次世界大戦という戦火が襲う。GM資本は欧州から一時撤退するものの終戦後に復帰。

再びペルはGMの一員として欧州で活躍することになったのだ。戦後のオペルのキャラクターは「手ごろな価格のドイツ製実用車」というもの。

日本へ1993年から導入されたときも、アストラやヴィータなどの小さくて手ごろな価格のクルマが人気を集めた。

特にヴィータは200万円を切っていたことからヒット車となり、1996年はオペルとしては歴代最高となる年間販売台数3万8339台を記録。

これは当時としてはフォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツには届かないものの BMWよりも上。

つまり、1990年代のオペルは、日本市場で非常にメジャーな存在であったのだ。

GMからPSA傘下→ステランティスに

その後、オペルは2006年に日本市場から撤退するものの、欧州での存在感は堅調に維持。

2017年からはGMからグループPSA傘下へ移籍した。

英国ではオペルではなく「ヴォクソール」のブランド名を使用。2018年の時点で、世界60か国で展開し、年間販売台数100万台を突破している。

日本でいえばスバルに近い数字だ。

その後、グループPSAはFCAと合流し、2021年よりステランティスとなった。

気が付けば、オペルは、アメリカ、フランス、イタリアなどの多国籍を特徴とするステランティスのドイツ部門を担う存在となっていたのだ。

また、オペルは電動化を強く推進しているのも特徴だ。計画では2024年までに、欧州で展開するすべての車種に電動化モデルを用意するという。

日本でのポジショニングはどこ?

そんなオペルが2006年の撤退から約16年のブランクを経て日本市場へ復帰する。

最初に導入されるのは3モデル。Bセグメントのハッチバック「CORSA(コルサ)」(EV版のコルサeを含む)、BセグメントSUVの「MOKKA(モッカ)」、そしてCセグメントSUVの「GRANDLAND(グランドランド)」だ。


オペル・グランドランド    オペル

また、MPVの「COMBO(コンボ)」などのラインナップ追加も予定されているという。

車格的には小さいモデルが中心ということで、価格も手ごろなものになりそうな気配だ。

1990年代のオペルの快進撃も、そうした手ごろな価格のコンパクトカーが大いに貢献していた。

しかし、最初はヒットしたものの、次第に販売が低調になったというのが、1990年代から2000年代のオペルであった。

その背景には「信頼性の低さ」や「プレミアム感の不足」などがあった。

今回の日本再上陸では、そうした前回の反省点が考慮されていれば……。うまくいけば、手ごろな価格で、魅力的なドイツ車が販売されることになるだろう。

オペルの再挑戦に期待したい。