中国メディアは、「日本と中国とでは教育に対する見方が根本的に違っている。その差はすでに幼児教育から始まっている」と指摘した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本人が教育熱心なのは今に始まったことではないが、この点中国人も負けず劣らず教育熱心だ。しかし、「日本と中国とでは教育に対する見方が根本的に違っている。その差はすでに幼児教育から始まっている」と中国メディア媽宝経は指摘した。

 記事はまず、ある日本のスポーツ教育に特化した幼稚園を紹介。朝から運動場で裸足での訓練が始まり、道具や靴の整頓、運動場に整然と並べられた運動器具などを使って子どもたちの運動機能や体の健康を総合的に成長させる取り組みを紹介した。記者はこの様子に感嘆し、「こうした徹底した教育はまさに驚異的」と驚きの声を上げている。

 取り上げられた幼稚園はスポーツをかなり重視しているとはいえ、一般の幼稚園に過ぎない。記事は、こうしたいわゆる「普通の幼稚園」でもこれほど優れた教育方針を採用していることを褒めた。さらに「勝利はスタートラインから」という中国のことわざを引用しつつ、「日本の幼稚園教育こそ、まさにこの言葉を体現しているようなものだ」と称賛した。

 ネット上でも「こうした教育は中国で見たことがない」「中国もこうした教育から学ぶべき!」と手放しで評価している。

 日本ではさほど珍しくない、運動と学習をバランス良く取り入れた幼児教育に、これほど反応があるのはなぜか。中国の教育は往々にして「成績重視」に偏りがちで、幼児教育と言えば主に早い時期からの学習に関する取り組みを指すことが多い。大量の宿題を出され、深夜になっても終わらず親子で宿題に取り組む家庭や、過度の競争社会への疲れから子どものメンタル不調が社会問題にもなりつつある。中国メディアも、体や心、知力や感性を重視し、子どものトータル面での成長を重視する教育を中国も学ぶ必要がある、と主張している。

 中国メディアにしては珍しく「今の教育では、なにかが間違っている」とはっきり主張しているのを見ると、多くの中国人が現状を相当危惧していることが見て取れる。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)