アップルがディズニーを買収する理由 最強企業の誕生シナリオで考える「勝者の条件」 ――フランシス・マキナニー特別寄稿
中村邦夫元社長時代のパナソニックで「聖域なき構造改革」の絵図を描き、現在はアドバイザーとして日東電工のグローバル化を着実に成功させているフランシス・マキナニー氏(ノースリバー・ベンチャーズ マネージング・ディレクター)。約40年にわたり数々の日本の大企業で指南役を務めてきた氏は、「スーパー現場」の構築こそが、日本の製造業を蘇えらせる道だと説く。その鍵は、顧客情報をいかに早くキャッシュに変えられるかにある。今、氏が最も注目しているのは、他のどの企業よりもそれが得意な世界的IT企業・アップルのビジネスモデルだ。「近い将来、アップルはディズニーを買収する」という仰天の持論をベースに、マキナニー氏が「勝てる経営」の神髄について寄稿してくれた。(翻訳/株式会社エァクレーレン・沢崎冬日、協力/ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー)
アップルはディズニーを買収する
そこには有無を言わせぬロジックがある
今、私はこう思っています。アップルはディズニーを買収する、と。なぜか。そこには、有無を言わせぬビジネス上のロジックがあるからです。そして、有無を言わせぬロジックがあるときには、それは実現するものなのです。
2001年から2003年にかけての新製品ラッシュを皮切りに、アップルは今で言う「iCloud」を柱とした、シンプルでエレガントなビジネスの構造をつくり上げました。アップル独自のクラウドサービスにより、ユーザーはわずかな出費で(あるいは無料で)、相互に関連しながら拡大を続けるアップル製品群のなかで、際限のないコンピューターパワーを利用できるようになったのです。
アップルは2003年以降、その基本的な構造を髪の毛一筋ほども変えていません。この10年にわたり、同社は簡潔な1つのシステムに基づいて、ブランド力を磨いてきた。かつての「iTunes」は今のiCloudであり、かつての「iPod」は今の「iPhone」「iPad」、そして「iTV」です。「OSX」は今日では「iOS」と呼ばれています。
アップルはまず、パソコンや音楽プレーヤーといった数百億ドル規模の市場にクラウドベースの製品を投入した。それから、1ケタ大きい数千億ドル規模の市場、つまりスマートフォンやタブレットに移行した。そして、間もなく同社はスマートTVも発売するでしょう。これらの製品は全てアップルのiCloudに接続され、たとえオペレーティングシステムは異なるにしても、見た目は同じように機能することになります。
