北朝鮮が、失脚説が浮上する張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長を記録映画から削除したことが分かった。複数の韓国メディアが8日、報じた。

 報道によると、朝鮮中央放送は10月7日に放送した金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の軍部隊視察記録映画「偉大なる同志」を、12月7日に再放送した。同映画には張氏の姿が計13カ所に登場したが、再放送分では編集が加えられ、張氏の顔がすべて消されていた。

 正恩氏が李炳鉄(リ・ビョンチョル)朝鮮人民軍空軍大将と話すシーンでは、画面手前の人物が拡大され、後方で手を叩く張氏の顔が隠れるよう編集されていた。別のシーンでは、異なる角度から撮影した映像に差し替えられていた。

 北朝鮮はこれまでも幹部を粛正すると、関連の記録物からその人物の存在を消してきた。金日成(キム・イルソン)首席の2番目の妻で金正日(キム・ジョンイル)総書記の継母にあたる金聖愛(キム・ソンエ)氏は、金正日総書記が後継者に確定すると、記録物からすべて消された。2010年には、朴南基(パク・ナムギ)元労働党計画財政局長がデノミネーション(通貨呼称単位の変更)に失敗したとして処刑され、その後、記録物から消去された。

 北朝鮮が“粛正編集”した映画を公開したことについて、韓国メディアは「失脚説は事実である可能性が高い」とし、今後張氏が復活する可能性は「低い」との見方を示した。(編集担当:新川悠)