過去最高売り上げを更新中(C)日刊ゲンダイ

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ドン・キホーテ」を運営するPPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)の2026年6月期第3四半期決算は、売上高1兆8265億円(前年同期比8.2%増)、営業利益1375億円(同6.9%増)の増収増益を記録した。昨年度は売り上げ・利益ともに過去最高を更新したが、それを上回る勢いだ。

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 3月末時点で国内663店舗、海外123店舗を展開。国内では物価高による節約志向が高まる中、食品・日用品の売り上げが伸び、スキンケア商品も好調に推移。安さが集客につながった。さらに、インバウンド(訪日外国人)の効果で免税売上高も伸長している。

 北米では新規出店や寿司レストランの子会社化により、売上高が2000億円を突破。アジアも商品投入スピードやオペレーション(店舗運営効率)の向上で業績が伸びたという。国内店は訪日客の観光地となっていることで、海外での知名度も向上している。

「インバウンドにとって、雑多な店内にアニメグッズや菓子、化粧品など何でも売っている空間が面白く、宝探しの場になっている。かつて日本人が東南アジアの市場を散策したときの感覚に近い」(旅行業界関係者)

 ドン・キホーテの商品陳列は「圧縮陳列」と呼ばれ、迷路のような売り場構成をもたらす。1号店の出店は1989年だが、そのルーツは創業者の安田隆夫氏が78年に開業した「泥棒市場」にある。

「祖業はバッタ屋のような業態だったそうだ。売れ残った商品や、他店が扱いづらい訳あり品を仕入れることで格安販売を実現した。狭い店内に商品を詰め込み、入れ替えも激しいため、いつ行っても面白い店として客が集まるようになった」(流通業界関係者)

 98年にはわずか10店舗に過ぎなかったが、05年に100店舗、08年に200店舗を達成。18年には400店舗を超えた。その後も総合スーパー「アピタ」などを展開するユニーを子会社化し、規模を拡大。この過程で単なる「面白い店」から「必需品を扱う店」へと転換していった。

「生鮮食品や精肉が充実した店舗もあり、安い食品スーパーとして利用する客も多い。ドラッグストア感覚で化粧品を購入する女性客も目立つ。かつてのダイエーやヨーカドーのような現代版の総合スーパーといえる」(前出の流通業界関係者)

 決算資料によると、10年6月期の食品売上高は、ディスカウントストア事業のうち27%を占めていたが、25年6月期には44%まで拡大している。

 PPIHは4月、“食品強化型ドンキ”として食品比率6割の新業態店「ロビン・フッド」を愛知県あま市で出店した。ここではタイパを重視し、圧縮陳列をあえて封印。店内は一般的な食品スーパーの構成に仕上げた。

 だが、独自の陳列こそがドンキの魅力だったはずだ。新業態店はこれまでのように快進撃を続けられるか。 

(ライター・山口伸)