モデリスタのコンプリートカー「MULTI UTILITY(マルチユーティリティ)」どんなクルマ?[画像は「ノア MU」]

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日常使いと快適な車中泊を両立するモデリスタ渾身のコンプリートカー

 トヨタが2026年5月12日に実施したミドルクラスミニバン「ノア/ヴォクシー」(4代目)の一部改良に合わせ、同社の関連会社であるトヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TCD)は、ノア/ヴォクシーの「モデリスタ」コンプリートカー「MULTI UTILITY(マルチユーティリティ:以下MU)」を発表しました。

 新型ノア/ヴォクシー MUとは、いったいどのようなクルマなのでしょうか。TCDの企画・開発担当者に話をうかがいました。

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 通常は3列・7人乗りおよび8人乗りレイアウトのノア/ヴォクシーですが、今回発表された“MU”は、2列・5人乗り仕様となっています。

 3列目席(サードシート)を撤去して法的および構造的な変更を行うことで、広大なラゲッジスペースとフルフラットなベッド空間を実現しているのが大きな特徴です。

 新型ノア/ヴォクシー MUの狙いについて、モデリスタなどの商品企画を担当した営業企画本部の内田 桂太さんは次のように説明します。

「『3列シートのミニバンはいらないけれど、広くて快適な荷室の広い乗用車が欲しい』という、これまでノア/ヴォクシーが選択肢に入らなかった方々に向けた企画です」

 新たなユーザー層へアプローチすることで、ノア/ヴォクシー全体の市場規模を拡大させる役割も担っているといいます。

 さらに先代(3代目)に設定されていたカスタムコンプリートカー「ヴォクシー MU」や、初代及び2代目のカタログモデルだった5人乗り仕様(ノア YY/ヴォクシー トランスX)からの代替需要も見込まれているようです。

 開発コンセプトは、日常の使い勝手を損なうことなく、趣味や旅行などレジャーにおける幅広いシーンで活躍する「多目的な5人乗りミニバン」です。

 普段の買い物や子供の送迎に気軽に使用しつつ、週末はアウトドアレジャーなどで空間を活用するファミリーユーザーなどの需要が見込まれます。

 モデリスタではこれまでも、商用バン「ハイエース」をベースにしたカスタムコンプリートカー「ハイエース MRT(マルチロールトランスポーター)」を2007年より販売しています。

 優れた積載性を生かしながら車中泊もできるなど、仕事から遊びまで多目的に活用可能なコンプリートカーとして、長年支持を集めています。

 これに対し新型ノア/ヴォクシー MUは、あくまでも日常の延長線上にあるレジャーを軸としています。

 キャンピングカーのように給水機能や備え付けの家具といった本格設備は備えず、普段使いの快適性をそのまま維持しています。

 またハイエースなどの商用車ベースの車両とは異なり、乗用車ベースならではの日常的な扱いやすさという優位性を備えている点が大きな特徴です。

 そんな新型ノア/ヴォクシー MUの大きな特長は、サードシート跡に備えられたラゲッジフレームとラゲッジボードにより、荷室を上下に分割する構造にあります。これにより、荷物や道具を効率よく仕分けて収納できます。

 専用設計されたラゲッジボードの寸法は幅1270mm×奥行き850mmで、ボード下には高さ370mmの空間が広がります。走行時耐荷重は60kgです。

 ボード表皮には水拭き可能なイージーケア表皮を採用しており、アウトドアでも気兼ねなく使用できるのも嬉しいところでしょう。

 さらに、快適な室内環境を実現するための装備も充実しています。

 車内には、6灯の専用LEDルームランプを装備しており、夜間の視認性を高めています。

 荷室部分にはDC12Vで最大電力量120Wの専用アクセサリーソケット(シガーソケット)があり、エンジン停車時にはポータブルバッテリー(ポタ電)からの入力にも対応します。これらは、先代MUにはなかった新たな装備となります。

 このほか、耐荷重3kgの専用ユーティリティフック、専用クォータートリムトレイが備わり、外観および内装のアクセントとして、MU車名デカールも標準装備されます。

最大の注目ポイントは「大人2人がひろびろ寝られる」ベッドにあり!

 そして新型ノア/ヴォクシー MUで車中泊をするなら、フロントベッドボードとベッドフレームのセット(16万5000円)は強くオススメしたい必須のオプションアイテムです。

 2列目シートを前倒しして展開することで、幅1270mm×全長2040mmのフルフラットなベッドスペースが出現します。

ノア/ヴォクシーのMULTI UTILITY。 大人2人が十分に就寝可能な「ひろびろ空間」が誕生

 ベッドボードの総耐荷重は150kgを誇り、大人2人が十分に横になれる空間を確保しています。荷物はラゲッジボード下に収納できるため、ベッドの上は広々と使用可能です。

 内田さんは「先代のヴォクシーにも5人乗りのMUが設定されていましたが、こちらは木目調のフラットな床面とラゲッジボード(マルチユースボード)による多様な積載性を狙ったものでした」と当時を振り返ります。

 先代MUでは、車中泊をしたい場合、後ろに倒したセカンドシートとラゲッジボードを組み合わせて寝ることになり、ユーザーからは「(寝床がフラットにならず)気持ち良く寝ることができない」との不満が上がったといいます。

 近年の車中泊需要の高まりともあわせ、今回の新型ノア/ヴォクシー MUは特にそうしたベッド機能に注力したのだと話します。

 このほか販売店装着オプションとして、質感をさらに高めるMU専用のシートカバーが11万円で用意されています。

 ボードとコーディネートされたブラウン(背面はブラック)の扱いやすいイージーケア表皮となっており、シートバックに備わるベルトにフックなどをつけることで、アウトドアギアのカラビナなどをぶら下げたりすることもできます。

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 新型ノア/ヴォクシー MUのベース車両は、ハイブリッド車(HEV)の「S-G」グレード(2WD)。車両価格(消費税込)は、ノア MUが407万円(北海道地区は413万7100円)、ヴォクシーMUが412万600円(北海道地区は418万7700円)となります。

 なお生産開始は2026年8月を予定しています。

 内田さんは「新型ノア/ヴォクシー MUは、全国のトヨタ販売店で通常のノア/ヴォクシーと同じように購入できるのも大きなメリットです」とし、発表直後から早くも好調な受注を集めていると話します。

 静粛性と乗り心地に優れたミニバンとしての高い利便性と、ライトキャンパーのニーズを満たす多目的性を融合させた新型ノア/ヴォクシー MUは、新しいライフスタイルを提案する一台としてその存在感を高めていくことでしょう。