「女性として見られたい」専業主婦が“胸元パックリ衣装”で…中年世代に大ブーム“既婚者合コン”の知られざる実情
〈なぜ「オジさんとオバさんの恋愛」に、多くの人が熱狂したのか? 若者が出ない“恋リア”『あいの里』が大ヒットしたワケ〉から続く
いま、中年世代で「既婚者限定の合コン」がブームだという。彼・彼女らの大半の目的は恋愛、すなわち不倫である。
【衝撃】胸元パックリ、化粧バッチリ…既婚者合コンに通う女性が明かした本音とは?
異性との出会いといえばマッチングアプリがもはや定番となりつつあるが、なぜ中年世代は今さら合コンにのめり込むのか。「元ミスコンクイーン」の専業主婦で、既婚者限定の合コンにドはまりしているという人物のインタビューなどを、原田曜平氏による新著『中年中心社会 団塊ジュニアとポスト団塊ジュニア』から一部抜粋してお届けする。

画像はイメージ ©maruco/イメージマート
◆◆◆
大半が不倫目当て? 「既婚者限定の合コン」が大流行り
まだ恋がしたい。出会いたい。今のミドル層の中で、そんな気持ちが表出し始めている人は何も未婚者に限らなくなっているようです。
今、「既婚者合コン」なるものが静かな、しかし大きなブームになりつつあるようです(たくさんの団塊ジュニア世代の対象者へのインタビューの中でも、時に体験談として、時にまた聞きとしてこのイベントの話が出てきました)。
「既婚者合コン」はその名のとおり、既婚者限定の合コンなのですが、主催者は企業。「キコンパ」「NEXT DOOR CIRCLE」「既婚者サークルMimosa」が有名どころだそうで、それぞれ「既婚者同士のパーティー」「既婚者が安心して楽しんで交流できる場所」「既婚者限定の合コン」を謳い、アクセスしやすいターミナル駅周辺などの部屋を貸し切って開催されることが多いようです。
参加するのは簡単なようです。サイトにアクセスすると、日々さまざまな場所(時間貸しのホテルの会場、中規模の商業ビルの1フロア、など)で行われている合コンがずらっと出てきます。平日・休日、日中・夜、年齢縛り(30〜40代中心だが50代以上も参加可能)や職業縛り(医者や弁護士などハイステータス限定)があるものや、数十人の大人数から数人まで、人数規模もさまざま。その中から、参加したいものを予約します。
名前や年齢など簡単な入力は必要ですが、必要最低限以上の個人情報を入力する必要はありません。会員登録やクレジットカード登録なども不要。当日は受付で身分証明書を提示して目視確認されたら、会費を支払うだけ。男性のほうが女性よりずっと高い料金が設定されています。
要するに、「出会いの場」を提供するサービスです。その意味では「街コン」に近いと言えば近いですが、やはり「既婚者限定」であるのがポイント。多くの参加者の目的は、おそらく恋愛。不倫です。もちろん、飲み友達や食事友達を作りに来ている人も中にはいるでしょうが、これらは多くの人にとってメインではないかもしれません。
ここで私が言いたいのは、どんどん不倫しよう……ということではもちろんありません(そんなことは倫理的にあってはならず、おそらくご家族が苦しむことにつながるケースも発生しているであろうことから大きく問題視しています)。それほどまでにミドル層が──結婚していたとしても──異性との新しい出会いを積極的に求めているという事実です。
恋愛に旺盛。恋愛至上主義の人もいた最後の世代として、まだ全然、枯れていない人も多いようです。このイベント自体は大いに否定されるべきですが、既婚者合コンの調査を通して中年のエネルギーの源やその程度を知り、他のもっと有意義な活動に転換していく可能性を考えてみたいと思います。
「心に隙間が……」既婚者合コン常連女性が明かす赤裸々なホンネ
ここで、インタビュー調査をさせていただいた、既婚者合コンに参加しまくっているという団塊ジュニア世代の女性、Lさんを紹介しましょう。お会いしたときの服は胸元がぱっくり。化粧もばっちり。夜な夜ないろいろな既婚者合コンに行かれているようです。ご自身は専業主婦で夫は大手企業勤め。郊外のマンション住まい。子供は大学生だそうです。
東京都内で生まれ育ったLさん。スマホには30年以上前の高校時代(!)に、ミスコンでクイーンになったときの写真を保存していて、いつでも人に見せられる状態にしていました。若いころは都心で派手に遊ぶほうで、かなりおモテになったご様子。男性にちやほやされていた栄光の時代が、今でも忘れられないそうです。
実は芸能の道に進みたかったLさん。しかし親御さんが非常に保守的だったこともあり、高校を出たら仕事に就かずに早くに結婚、専業主婦を20年以上続けてきました。その間、ダンス教室に通うなどの趣味活動を行っていましたが、子供が成長するにつれて徐々に手離れし、さりとて夫は土地持ちではあるものの、お堅い職業で面白みのある方ではなく、ここ数年は「心に隙間ができていた」そうです。
そんなとき、人に誘われて参加してハマったのが既婚者合コンだったそうです。複数の会社のサービスを縦横無尽に駆使し、会で知り合った女性を誘ってまた別の合コンに行く、を繰り返す日々。現在は、会で知り合った男性複数と長期的に「お付き合い」をしており、しかし新しい出会いの模索も継続中です。好みはテレビ業界人とのこと。
つくづく思ったのが、彼女が欲しているのが「女性として見られる実感」だということ。これが男性なら当然「男性として見られている実感が欲しい」になります。このようにミドル層には、50歳を過ぎようが、家庭があろうが、気持ちのうえでは隠居したくない、枯れたくない、という人も少なくないようです。その潜在的な欲求を、非常に簡単な手続きで叶えられるのが既婚者合コンというサービスというわけです。
ミドル世代が「マッチングアプリ」ではなく、「合コン」を望むワケ
若年世代の出会いの手段として定番なのはマッチングアプリですが、ミドル層向けのこうしたアプリも存在します。既婚者に限定したアプリも存在します。しかし、「見知らぬ人と1対1で会うのが怖い」と感じる人がこの世代には若年世代よりもかなり多いようです。
その点、既婚者合コンは、ミドル層の多くが若いころに経験している、馴染み深いリアルな「合コン」スタイルですから、参加へのハードルが低く感じるようです。また、参加にあたってはアプリのインストールを必要としませんし、詳細な個人情報を登録し、公にする怖さもなく、その点でも、中年向きのサービスと言えるでしょう。
私個人としては、かつての合コン文化よもう一度、などとは断じて思いませんし、絶対に許されないことだと思っています。私が20代のときに勤めていた広告代理店では、同期全員がものすごい激務だったにもかかわらず、毎晩合コンをしている人も多くいましたが、さすがにもうあそこまで時間を割けない人も多くなっているでしょうし、あそこまでの体力がなくなっている人も多いでしょうし、何より昔と比べ、コンプライアンスが厳しい時代になっています。
ただ、あのころの楽しさを今の団塊ジュニア世代やポスト団塊ジュニア世代が懐かしがり、既婚者合コンで追体験に浸る──その心の若さやエネルギーの存在自体に関してはある程度理解はできます。
社会でまだバリバリ働ける活力と、新しい出会いを求めて積極的に動く活力は、根っこでつながっている面もあるかもしれません。彼らが「まだ現役」でいるためには、少なくとも心の若さは必要なのかもしれません(本当はこのエネルギーを何とか他の生産的な方向に持っていっていただきたいところですが)。
彼らの親世代、団塊世代の常識からすれば、50代はもう「恋」をする年齢ではなく、多くの人にとってはする機会も場もなく、そろそろ枯れ始める(枯れ始めざるをえない)時期だったことでしょう。しかし平均寿命も健康寿命も延びた今、「枯れる」のが少し先延ばしになっている証左が「既婚者合コン」なのかもしれません。
〈《既婚者合コンに潜入!》「家庭に満足してたら、こんなとこ来ない」夫に嘘をついて参加する人も…中年世代がのめり込む“不倫の温床”に広がる光景〉へ続く
(原田 曜平/Webオリジナル(外部転載))
