【日米財務相会談】“トランプ政権キーパーソン”米財務長官来日…中東情勢緊迫続く中で片山財務相と交わした内容とは?
アメリカとイランの戦闘終結への協議。
トランプ大統領は11日、イラン側がアメリカが求める「核兵器を保有しない」ことを約束しなかったと明らかにし、回答は「ばかげたもの」で「受け入れられない」と改めて批判しました。
その上で、イランとの停戦は「信じられないほど脆弱」で、「重度の延命措置」を受けているような状態だとけん制しました。
イランとの交渉が行き詰まる中、ニュースサイト・アクシオスは11日、トランプ大統領が、きょう12日にもイランへの軍事行動の再開の可能性を含め、今後の対応を協議する予定だと伝えています。
イラン情勢が緊迫する中注目されているのが、あさって14日から中国で行われるトランプ大統領と習近平国家主席との米中首脳会談です。
これに先立ち、中国に同行するアメリカのベッセント財務長官が11日に来日しました。
2025年10月以来となる来日で、昨夜は、片山財務相主催の夕食会に出席。そして12日朝、財務省で片山財務相と会談しました。
(片山財務相)
「去年10月に来た時は、株価が5万円を超えたきょうも上がっている」
(ベッセント財務長官)
「NYダウも5万ドルだ一緒だね」
ベッセント財務長官は、トランプ大統領が去年相互関税を打ち出し市場が混乱した際に実施時期を遅らせるよう進言するなど「トランプ氏に意見が言える」数少ない人物。いわばトランプ政権のキーパーソン。
相互関税では日本との交渉担当を務め、当時、日本の交渉担当相として訪米した赤沢経産相は自身のSNSに「大親日家のベッちゃん」と表現していました。
片山財務相との会談は35分間に渡り、中東情勢を受けた金融市場についてなど意見交換をしました。
(片山財務相)
「今回来日で非常に長い時間をとってじっくり議論をできたことは、彼らがこれから訪中するということを考えると、極めて有意義だったし、極めて特別な事だったと思っております」
会談で注目されたのは外国為替市場についての両国のスタンスです。
4月末、外国為替市場で一時、円が1ドル160円台と円安が進んだ際、片山財務相は…。
(片山財務相)
「私からは、かねてより断固たる措置に言及してきたところですが、いよいよ、かねてから申し上げてきた断固たる措置を取るタイミングが近づいていると思っております」
その後、日銀が、円買ってドルを売る「為替介入」を実施。4月30日と5月6日、一時155円台をつけるなど円が急騰しました。
12日の会見では、日本の為替介入についてアメリカ側の理解が得られたのか記者から質問が浴びせられました。
(片山財務相)
「中東情勢を受けた為替等の金融市場の動向について議論を行いまして、足もとの為替動向については、日米間で非常によく連携できていることと、昨年9月に発出した、もちろん介入についてもはっきりと書いてある、日米財務相共同声明に沿ってやっているということを確認して、引き続きしっかりと連携していくことも、特にこういう状況ですから、強く確認をいたしました」
こう述べ、アメリカの理解は得られたことを明言しました。
また、米中首脳会談を前に中国がレアアースなど重要鉱物の輸出規制を行っていることに対し、意見が交わされました。
(片山財務相)
「重要鉱物については、具体化をどうしようかという議論をさせていただきました。現時点で合意文ができたわけではないですけども、目指している方向はほぼ一緒だと思うし、特に日本にとって彼ら(中国)が取ってきた対応というのは、客観的に非常にひどいというかアンフェアなので、それはアメリカとしても引き続き中国に対して主張していくとおっしゃっていただきました」
このほか会談ではAIサイバー攻撃の脅威についても話し合われ、両国で連携していくことを全面的に確認したということです。
この後、ベッセント氏は赤沢経産相や日銀の植田総裁とも会談を行いました。
そして12日午後4時からは高市首相と会談。世界が注目する米中首脳会談を前にトランプ政権のキーマンが日本で何を語ったのでしょうか。
(スタジオ解説)
(澤井 志帆 アナウンサー)
さて、イラン情勢が落ち着かないまま、あさって14日から米中首脳会談が行われます。そこでは、イラン情勢やエネルギー、そして台湾問題についても協議される見通しです。去年、アメリカ政府は台湾へ武器を売却することを承認し、中国側はこれに反発していまして、トランプ大統領はこの件も議論する考えを示しています。また、テスラのイーロン・マスク氏など、アメリカ企業17社のトップらが同行する予定で、中国でのビジネス拡大を狙うものとも見られています。藤井さん、米中首脳会談、どの点に注目されていますか?
(コメンテーター news zero メインキャスター 藤井 貴彦氏)
そうですね、ロシアとウクライナの戦争の中で、プーチン大統領とトランプ大統領が話し合いをすると、どちらかというとロシア側にトランプ大統領が寄ってしまうと。そうなると、直接アメリカと中国が会談をした時に、中国側の言い分を聞き始める可能性があるということで、そこは高市首相も、今回ベッセンと財務長官が来ていらっしゃいますけれども、なんとか間接的にブレーキをかけられないか…ということも考えながらの、今回の来日なんじゃないかなと感じていますけどね。
(澤井 志帆 アナウンサー)
日本の立場としても、いろいろと心配するところもありますよね。津川さんはどんなところに注目していますか?
(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
普通に考えればですね、米中首脳会談の前にキーマンが日本に寄るということは、中国に対してアメリカは、「日本はアメリカ側にいる」ということをしっかりと示すということが、通常はそうだと思うんですけど、どうもそれだけかなというところがありますよね。特にトランプ大統領というのが、いわゆる価値観外交、例えば民主主義を守るとかですね、あるいは国際秩序を守るというような外交をするのではなくて、取引外交をしますよね。今、藤井さんがおっしゃった、アメリカにとって、もっと言うとトランプ大統領にとってプラスになることを、「中国は何をしてくれるのか」と。「その代わりにアメリカは何をするのか」こういう取引をしてくる可能性があるので、その一つのカードとして日本が使われる可能性がありますから、これは本当に日本としても、トランプさんが何を言うのかと、本当に注目しなきゃいけないなというふうに思いますね。
(澤井 志帆 アナウンサー)
そうですよね。その米中首脳会談直前の重要なタイミングで来日した、ベッセント財務長官。VTRにありました「トランプ大統領にもの申せる」という、まさしくトランプ政権のキーパーソンでもあるんですけれども、きょう12日は高市首相や片山財務相などと会談しました。あさって14日から中国の北京で行われる米中首脳会談にも同行するということなんです。そして午前には片山財務相が焼く30分間会談しました。そこではレアアースなどの重要鉱物の供給ルートの強じん化を議論し、中国が日本に対して行っている金融措置については、中国の対応はアンフェアで、引き続きアメリカとしても中国に対し主張していくという話があったといいます。その他、中東情勢を受けての金融市場を巡る4月の為替介入については、アメリカ側から理解を得られたとして、今後も日米で連携することなどを強く確認したということなんです。津川さん、この会談の内容をどう受け止めていますか?
(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
内容といっても、これは日本側が言っている話なので、決して全てではないと思います。為替介入について確認をしたというのは間違いないと思うんですが、藤井さん、先般、日本がやったと言われている為替介入、あれどのように見ました?思ったより弱かったという評価が多いんですが。
(コメンテーター news zero メインキャスター 藤井 貴彦氏)
どちらかというと、だんだん元の水準に戻っていくような感じがあるんですよね。それを抑えつける。モグラ叩きのような状況で、こちらから攻撃的に行ったというよりは、ディフェンシブに行ったような感じがしますけどね。
(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
実はですね、あの為替介入、もっと日本は強力にやるんじゃないかというふうにマーケットは見てたらしいんですね。その割にはそれほどでもなかったのになっている。それはまさに日本政府、日本と日銀が独自にやったというよりも、まさに日米合意の中でやりましたという話ですから、アメリカの同意を得られる中でやった…というのは間違いないと思いますが、恐らく今回、ベッセントさんが来る中で、日本の主張、思惑はそこなんですが、アメリカ側の主張は、「それはそれでいいけども、本筋としての日銀の金利を上げるのを早くやってください」というのを多分言われている可能性があるなというふうに思いますね。
