《辺野古転覆事故》基地建設反対団体「オール沖縄会議」が公式サイトで「喪明け」宣言…原因究明の結果を出さないなかで「抗議活動再開」を急ぐ理由
沖縄県名護市辺野古沖で修学旅行中の女子高生ら2人が亡くなった転覆事故をめぐっては、いまだ原因究明がなされないなか、米軍基地移設反対の市民団体や労働組合、政党などが参加する「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の公式サイトでの発表が物議を醸している。
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〈4月から喪が明けるまで、喪章などを付けて哀悼の意を示し、活動を自粛して行う(拡声器は使わない)。5月7日(木)からは、従来通りに戻します〉(3月31日付)
大型連休明けとなる5月7日の「喪明け」を宣言したのだ。
事故で犠牲となった武石知華さんの遺族は事実解明につながる情報を収集するため投稿サイトnoteで発信を続け、学校の対応やメディアの報道、抗議船運航団体であるヘリ基地反対協議会(反対協)側の対応などに疑問を呈している。
それに反響が広がると、反対協は改めて〈私たちが直接の謝罪や弔意をお届けできなかったことで、ご遺族にさらなる深い傷を負わせてしまった〉などと謝罪文を掲載。反対協と連携して基地建設反対運動をしてきたオール沖縄会議も一転、「喪明け」の方針をやや軌道修正し、公式サイトに4月30日付でこう発表した。
〈現在、関係機関による事実解明が進められておりますが、私たちは、その調査を注視し、ヘリ基地反対協議会と共に、徹底した原因究明と抜本的な安全対策の構築を強く進めてまいります〉としたうえで、〈2026年5月7日以降、民意に反して新基地建設が続けられているため、引き続き哀悼の意を示しながら、陸上において従前の抗議活動に戻していきます〉。抗議の場では喪章を着用し、月命日には黙祷を捧げるという。
元東京新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏はこう語る。
「生徒たちの死傷をめぐる反対協の対応、反省や謝罪の在り方が疑問視されているなか、事故以降の活動に関してオール沖縄会議は喪に服すという姿勢を取っている。これは『自らも被害者だ』というアピールに映る。当事者である反対協と連携してきた立場で本来、まずすべきことは原因究明です。原因究明の結果を出さないなかで抗議活動を再開するという声明は、事故の責任をうやむやにするような姿勢を感じさせます」
選挙戦で予想される、相手陣営からの事故対応への批判
オール沖縄会議が活動再開を急ぐのはなぜか。
「9月に行なわれる知事選は、基地反対派の玉城デニー・沖縄県知事と基地建設容認派の自民党が推す古謝玄太・元那覇市副市長との厳しい戦いになると見られている。オール沖縄会議には玉城知事の支持団体が多いだけに、知事選のためにも早く反対運動を再開する必要があったと見られます」(地元政界関係者)
選挙戦では相手陣営が事故対応を批判することが予想される。
「オール沖縄会議がにわかに犠牲者に追悼の意を示すために喪章をつけた活動を続けると表明したのは、選挙での批判をかわすためと言われても仕方がないでしょう」(同前)
オール沖縄会議に抗議活動の再開について訊くと、こう答えた。
「5月7日からすでに再開しています。船による抗議活動は当面行ないません。今後も船を使った活動について議論を行なっていますが、船を再開するか否かも現時点では決まっていません。
(「喪が明けた」との判断は)四十九日を基準にしました。事故の痛ましさを忘れてはならないと思いますし、遺族の方や子供たちのことも考えないといけません。一方で活動をどうするのか、その辺の葛藤はありました。そこで再開の基準を議論したところ、宗教の違いもありますが、四十九日を基準としました。事故から四十九日は5月3日なのですが、それを踏まえて連休明けからということにしました。なお、ヘリ基地反対協議会はこの間ずっと活動は行なっておりません。四十九日以降も自粛を続けています。
時期尚早という声があるのは承知しており、いろんな意見が確かにあります。が、今回は私たちが合議して四十九日という基準で再開をすることにしました。正解かどうかわかりませんが、話し合って決めたものです。
構成団体の多くは玉木知事に賛同しており、同じ思いを持っている方が多いのは事実です。が、オール沖縄会議としては、知事選など政治関連を意識した活動は行ないません」(事務局長)
※週刊ポスト2026年5月22日号
