済州島から沖縄へ! MITSUI OCEAN FUJIで”三國シェフの味”フルコースを堪能!!

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クルージングは、働く“現役世代”にとっても、旅の選択肢といえるのか? それを検証すべく、商船三井クルーズの「MITSUI OCEAN FUJI(三井オーシャンフジ)」に乗り込んでの体験取材第4弾! 前回は寄港地、韓国・済州(チェジュ)島の城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)を訪れ、夜は船内で落語を鑑賞したとお伝えしました。今回は筆者にとってはいよいよ乗船最後の24時間となる、韓国から沖縄への終日航海のもようをお届けします。

操舵室でキム・ロジャー・カールソン船長に謁見!

乗船4日目。昨夜、韓国の済州島から出航したわれらが三井オーシャンフジは、沖縄へ向けて航海中。朝、スッキリと目覚めて客室(キャビン)からベランダ越しに見ただけで、“太陽がいっぱい”のいい天気で海もおだやかなのがわかる。聞こえるのは船のエンジン音と波をかき分ける音だけ。まさに至福のときだ。

今日、船はどこにも立ち寄らず、明日朝、沖縄・那覇に入港するまでは、ひたすら東シナ海を南に向け航行する。つまり一日中、船の中。今日の船内ドレスコードは「カジュアル」だし、船酔いにさえ気をつければ、これほど気楽なことはない。というわけで、今朝は今回の旅で初めて、和の朝食を試すことにした。

デッキ4(4階)中央部にある「ザ・レストラン 富士」に向かう。通されたのは、窓際の4人掛けテーブルだ。朝の光が入る特等席をひとりでつかう贅沢。最初に水とお茶が、続いてお盆に載った和朝食のセットが運ばれてきた。

「ごはんは、お代わりができますので、お申しつけください」

外国人スタッフが完璧な日本語で語りかけてくれる。お盆には、「すき焼き風煮」をメインに、焼き魚、だし巻き卵、ひじき煮、味噌汁、ノリに漬け物。こちらも完璧な布陣だ。炊きたてのごはんが旨い! ちょうどいま、こういうのがほしかったんだ!

そして朝食後、取材ということで特別に三井オーシャンフジのブリッジ(操舵室)を見学させてもらった。ブリッジを仕切るのはこの人、もう35年以上も海事業界で働いているという船長のキム・ロジャー・カールソンさん(上写真)だ。自宅は米国のフロリダで、妻と3人の子ども、そして愛犬がいるとか。休日はもっぱらゴルフとアウトドア活動で、“陸上”生活を思いっきりエンジョイしているのだそうだ。

このキムさんのもと、多くのスタッフが安全な航海のため、たくさんのモニターや計器を見つめ操っていたが、それらはすべて機密事項に当たるため、撮影はもちろん、近づいたり、じろじろ見るのも不可。

「その代わりに、というわけではないですが、お昼にはプールサイドで“セーフティ講座”を開きますので、ぜひ参加してください」

と、キム船長。その風貌からちょっと怖い人かと思っていたら、どうしてどうして。英語でバンバン、ジョーク(たぶん)も飛ばす、気さくで明るいアメリカの人だった。まあ、半分も聞き取れなかったけど。

プールサイドで「焼きサバのパニーニ」を

そしてキム船長の言葉どおり、午後イチにはデッキ8「プールサイドレストラン&バー 湖畔」(以下、湖畔)のオープンスペースで「オフィサー・マルコのクレイジーなセーフティ講座」が開かれた。

この船の安全責任者で、南極やアマゾンなどでも活躍してきたマルコさん(上写真中央)が、ゲストに救命胴衣をつけてプールに飛び込む体験を提供するほか、船のスタッフに、火災にも耐えられる防護服やヘルメット、煙が充満するなかでも呼吸ができるガスマスクを超特急で装着させながら、いざというときのための対処法をレクチャーしてくれる。この日の東シナ海は小雨の予報をくつがえす好天。完全装備したスタッフはさぞ暑かろう。

で、ユーモアたっぷりのマルコさんや司会の清川良太クルーズディレクターの話に爆笑しつつ、湖畔の料理と生ビールをいただく。平和で幸せなランチタイムだ。しかも、この連載で何度も言ってきたように、上写真のパニーニもビールも、すべて無料(クルーズ代金に含まれる)。

その後、デッキ7の「MITSUI OCEAN スクエア」に移り、カフェスペースで「チキンサンドイッチ」「エビとフェンネルのサラダ」の軽食や「抹茶ロールケーキ」などスイーツもコーヒーとともにしっかり腹に収めたが、これらにもいっさい追加料金が発生しない。

三井オーシャンフジでの飲食では、一部の有料レストランやメニュー、よほどの高級ワインなどでない限り、すべて追加料金支払いの必要がない。この快適さ、万能感は、ちょっと、ほかでは味わえないものだ。ここは天国か?

“せっかくだから”プールにザブ〜ン!

すっかり気をよくしてしまって、「庶民にとって、豪華クルーズ船といえばプール! よし、せっかくだからプールに入ろう!!」と、自室に戻って水着(念のため持ってきてた)に着替え、まずはプールに足だけ浸けてみる。南国を航海中で天気がいいとはいえ、風が吹くと肌寒い。が、温水プールなので思い切ってザブ〜ンと入ってしまうと、これがまた快適なのだ。少しだけ泳いでみる。船の上ではどうしても運動不足になるから、実に気持ちがいい。

プールサイドに用意されているブルーとホワイトのストライプタオルで体をふき、デッキチェアに横たわる。うーん、これこれ。これぞリゾート!

プール脇にいたスタッフに聞くと、「欧米からのゲストはプールをよく利用されますが、日本のお客様はプールサイドのレストランやバー以外の、ジャグジーやプール、デッキチェアなどはあまりつかわれませんね」とのこと。もう、みんなシャイなんだから!

とはいえ、私にとっては今日が実質的に乗船最終日。プールの後は、名残(なごり)を惜しむように船内を見て回る。船尾には上写真のように隠れ家みたいなスペース&チェアもあったりする。ここに座って蒼い海を眺めつつ波と風の音を聞いていると、ホントに時間がたつのを忘れてしまうのだ。

念願の三國シェフ監修「北斎 FINE DINING レストラン」へ!

そして今回のクルーズのメインイベント(私的に)はこれ! あのフランス料理界の巨匠、「オテル・ドゥ・ミクニ」の三國清三シェフが監修し、葛飾北斎(かつしか・ほくさい)の名を冠した「北斎 FINE DINING レストラン」(以下、北斎)でのディナーだ。和食から洋食、ブッフェや軽食、スイーツにいたるまで、ほぼすべての食事やアルコールを含む飲み物が無料(追加料金なし)の三井オーシャンフジにあって、ここだけは有料(ひとり1万5000円)、予約必須というから、期待が高まるではないか!

午後6時。私なりにドレスアップして北斎を訪ねると、すでに、ほぼ満席。「お待ちしておりました」と、きらびやかかつ重厚なテーブルに案内された。チェアは革張り。座り心地からして上質さを感じさせる。

うやうやしくメニューが手渡される。ディナーコースのうち、アミューズに続く前菜は5種のなかから、メインは魚料理、肉料理、ベジタリアンの3種類から、いくつ選んでもいい。そして私がいただいき、感動した料理は……以下、写真でご覧あれ!

いやはや、船上でこれだけのフレンチをいただけるなんて! 三國シェフ監修の料理は、味や見た目はもちろん、ボリュームだって超一流。だから、お腹&幸せいっぱいになる。せっかく三井オーシャンフジに乗る機会を得たなら、絶対体験すべき。乗船前から予約することを強くオススメする。

北斎のディナーでウェルビーイングした後は、デッキ6「オーシャン ステージ」でのプロダクションショー「ライムライト」(上写真)で、さらに大満足! 乗船体験取材最後の夜は、大充実でふけていくのだった。

那覇に到着! ブッフェには沖縄ご当地料理がズラリ

翌朝、夜明け前にスッキリ目覚めてしまった。客室のベッドの快適さにも慣れてきて、眠りが深くなっているようだ。さっそくベランダに出て、まだ薄暗い海を眺める。やがて東の水平線あたりが赤く染まって……朝日が昇ってきた。

それにしても船の旅はなんて効率がいいのだろうと、あらためて思う。ずっと船内にいながら、昨夜の北斎のような素晴らしいディナーもショーも楽しめるし、その後、間髪入れず客室に戻ってゆっくり風呂に入って、ふかふかのベッドで眠れる。で、こっちが寝ている間に船はしっかり次の目的地に移動していて、目覚めたら、こんな朝日だって拝める。もしこれがクルージングでなければ、いちいち飛行機や電車で移動して、ホテルに着いたら荷ほどきをして、翌朝にはまた荷物をまとめて移動、なんてことになる。時間もお金もよけいにかかるし、何より疲れてしまう。

これまで、クルージングは私とは縁遠い、富裕層やリタイアした世代のものと思っていたが、実は忙しく働く“現役世代”にこそ、向いているレジャーなんじゃないか。今回の旅で、そう考えをあらためさせられた。船旅、やっぱ効率いいわ!

ついに沖縄・那覇港が近づいてきた。最後はやはり、「テラスレストラン 八葉」の“テラスで朝食を”といこう。三井オーシャンフジ生活ももう5日目だから慣れたもの、オムレツは“全部入り”をオーダーし、今朝のブッフェには沖縄のご当地料理、「ゴーヤちゃんぷるー」「やわらか豚肉と冬瓜の煮つけ」「青さ海苔入り巻き焼卵」なんかが用意されていたから(このあたりの対応、芸が細かい!)彩りよく大皿に盛りつけて、おいしいクロワッサンにサラダもゲット。テラスの海がよく見える席に陣取った。これほどのオーシャンフロントな席は、陸上にはまずない。ただでさえおいしい朝食の味も倍増するってものだ。

そんなわけで、いろいろ仕事もたまっているので、私の乗船体験取材はこの朝で終わり。三井オーシャンフジとそのゲストは、本日、那覇に寄港して夕方までオプショナルツアーなどで観光を楽しみ、夜にはまた出航。明日は奄美大島の名瀬、明後日は細島(宮崎県)、4日後に神戸に戻るが、私は泣く泣く那覇港で下船。飛行機で東京に帰る。さようなら、三井オーシャンフジ! クルージングの素晴らしさを教えてくれて、ありがとう!

後ろ髪を引かれつつ、那覇クルーズターミナルを出て、タクシーで那覇空港に向かう。沖縄のタクシー料金は安いので、港から空港までは2300円ほどだ。

空港に到着。フライトまでは、まだけっこう時間があるので、空港カウンターに大きな荷物は預けてしまって、ゆいレール(沖縄都市モノレール)と路線バスでプチ観光に出た。

まず向かったのは首里城公園だ。正殿をはじめとする9施設の焼失から約6年半。復元・復興中の首里城の“いま”を見学する。赤瓦の正殿は今年(2026年)10月には復元が終わるとのことだが、もうかなり完成に近づいているようだ。屋根も壁も柱も、以前よりさらに美しくなっているように見える。あの火災の悲劇から、短期間でここまでにこぎつけるとは! 沖縄の人びとのパワーを強く感じた。

首里城から路線バスで空港方面に戻る。途中でふと、「まだ時間はあるなあ。沖縄そば、食べたいなあ」と思い立ち、途中でバスを降りて「自家製生麺沖縄そば ゆうなみ坂下店」に立ち寄った。入り口には行列。かなりの人気店のようだ。

待つこと15分ほどで入店。オーダーした(券売機で食券を買うシステムだが)のは、甘辛いソーキ、メチャやわらかな軟骨ソーキと三枚肉を3種類の肉が載った「ミックスそば」の平麺で&沖縄流かやくごはん「ジューシー」&トッピングのネギ。そばのスープはあっさりだがカツオ出汁がきいていて、とても旨い。アッという間にたいらげてしまった。次回は細麺か、よもぎ麺を試してみよう。

というわけで、全行程の前半だけに同乗した今回の乗船体験取材。それでも、十分に非日常を体感できたし、何より、まったく疲れなかった。クルージングは、もはや“夢“じゃない。われわれのような、日ごろ忙しく働く“現役世代”にこそピッタリの、いや、必要なレジャーだと断言したいのだ!

Photo & Text:舩川輝樹(FRaU編集長)

【第1回】念願の「MITSUI OCEAN FUJI」クルーズで、韓国&沖縄に行ってみた!