大阪の超人気タワマン、登記を全部上げてみたら「やっぱり外国人だらけだった」と判明
高騰が止まらない都心部のタワマン。その要因を分析するにあたって、これまで、実際にどれほどの外国人や不動産業者が購入しているのかを示す「正確なデータ」はなかった。タワマンの一戸ごとに不動産登記情報を取得して所有者を確認しなければならず、膨大な手間と費用がかかるためだ。
ところが――そんな前代未聞の調査を行っている会社を発見した。大阪市中央区に本社を構える「TOWERZ」だ。タワマンを専門に不動産仲介を行っている企業で、大阪市内では5年連続成約数ナンバー1の実績を誇る。
そんな同社が登記を一件ずつ目視で確認してデータを積み上げていった結果、タワマン高騰の要因である「転売ヤー」の存在、さらには転売先である「外国人」の実態が見えてきた。
【前編記事】『禁断の大調査「法人所有率が高いタワマン」トップ10《大阪版》を公開…登記を全部あげたら「転売ヤーの実態」がわかった』よりつづく。
「所有者の3割超が外国人」もザラに
タワマンの転売先となるのが、海外富裕層であることは少なくないという。国土交通省の調査によると、東京都内の新築マンションの海外居住者取得率は約3%だったが、これはあくまで「海外居住」の外国人の数字だ。
一方、TOWERZは海外居住者だけでなく、外国人名の日本居住者や海外法人の所有者も精査。日本に帰化している所有者がいる可能性もあるため、明確に外国人と言えるかは留意が必要だが、示されたデータは衝撃的だった。
同社の取締役COOを務める芝崎健一氏はこう語る。
「約4万5000戸のうち、6.1%が海外所有者でした。ただ、人気のタワマンになるとその比率は跳ね上がります。中央区の物件で41・6%、港区の物件で37・9%、浪速区の物件で37・4%など、所有者のうち3割超が外国人というケースもありました。
我々の調査によると、圧倒的に多かったのは台湾系の所有者です。続いて、香港、中国本土という順番。西欧の方もいましたが、ごく少数ですね。やはり、中華系の方々からすると、日本は地理的に近いという理由があるのでしょう。いずれにせよ、海外富裕層にとって日本のタワマンはまだ割安で、魅力があることは間違いありません」
情報が少なく、審査も通りづらいため、海外富裕層が新築タワマンの抽選に参加するケースは少ない。そのため、中華系向けの不動産仲介業者も激増している。
「そろそろ価格下落する物件も出始める」
「不動産仲介には宅建士の資格が必要ですが、資格申請者の氏名は一般公開されています。それを見ると、中華系の方が如実に増えている。昨年に関して言えば、申請者の約2割が該当すると思われます。
日本の不動産業者が新築物件を購入。そこに中華系の仲介業者が接触して、中華系富裕層に販売する――。こういったケースは、タワマン市場では当たり前になっています」
昨今の円安の影響もあり、今後、この流れはますます加速していくとも言われる。はたして、タワマン高騰はいつまで続くのか。
芝崎氏は、「個人的にはそろそろ価格下落する物件も出始めると思っています。ただ、それを言うと業界で叩かれるんですが」と笑い、こう続けた。
「タワマンを建てる大手デベロッパーは、転売防止のために新築価格を高めに設定するようになってきています。完成前の転売を規制するデベロッパーも出てきました。
そして、金融機関による締め付けが厳しくなってきていることも大きい。不動産業者が新築物件購入のために融資を受けるのが、難しくなってきている流れがあるのです」
この半年の変化とは
転売規制が強化されれば当然、海外富裕層の購入は難しくなる。ただ一方で、日本の不動産は買いづらいと判断する外国人が増えれば、一気に値崩れする恐れもある。振り返れば、かつてのバブル崩壊も、日銀の金融引き締めが契機となった。
芝崎氏はこう語る。
「この半年のタワマン市場を見ると、すでに価格変更(値下げ)数が増加し、販売期間も長期化してきています」
膨大な登記情報から明らかになった、価格高騰の実態。日本のタワマン神話を牽引しているのが「転売ヤー」と「外国人」となると、先行きは明るくなさそうだが……。
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「週刊現代」2026年4月27日号より
