公立小学校の給食一律無償化へ 国から一律5200円支援も、超えた場合の対応は自治体任せ
4月から政府が全国の公立小学校の給食を一律で無償化した。給食費について、所得制限なく、全児童を対象に国が地方自治体へ児童1人あたり月額5200円の支援。支援の金額は平均給食費に、近年の物価動向を加味して設定された。
保護者が負担してきた給食費を国の支援によって軽減し、子育て世代の経済的負担を和らげることが目的だ。併せて、自治体間で生じてきた給食費の負担差をなくし、どこでも一定の教育環境を確保していく。また、無償化により納付管理や催促、保護者対応といった給食費徴収に関する業務が削減でき、教員や自治体職員が本来注力する業務に時間を割ける。
一方で、制度が恒久的に維持されるかどうか、将来的に支援水準や対象見直しの可能性、支援額に収めようとして品質低下する懸念がある。支援額に収まらないケースについても統一見解がなく、自治体によって対応が変わっている。国の方針では「基準額を超える部分については、引き続き保護者から徴収することも可能」としている。
なお、文部科学省は、学校給食1食で摂取すべきカロリーを6~7歳が560キロカロリー、8~9歳が660キロカロリー、10~11歳が770キロカロリーなどと基準を設けている。
無償化への取り組みには、自民党、日本維新の会、公明党の3党が2025年12月19日に協議し、合意した。2026年度予算案では、1649億円投入するとしている。ただし、予算が確保されているのは同年だけで、翌年以降の計画は出ていない。
自治体の動き、支援額を超えた分の対応はさまざま
無償化が始まってから、各地の様子はどうだろうか。
広島県廿日市市は国の支援金を超えた場合、差額を市が負担し、無償化している。2026年以降も実施予定で、恒久無償化する方針だ。
福岡県の都市圏全20市町村では、支援額を給食費が上回る事態になっている。不足分は、一般財源やふるさと応援基金、国の臨時交付金を充てて対応。自治体からは「言い出した国が全額負担すべき」との声が相次いだ。
埼玉県の小学校では、ご飯、ししゃも1匹、根菜の汁物、牛乳という写真がSNSに投稿された。投稿者は「お金を払っても良いからもっと沢山食べさせてあげたい」とつづった。
鳥取県米子市は食材費の値上げを受け、支援額を上回った分を保護者に負担させており、完全無償化にはならなかった。ただし、昨年度までは4760円だったものが、支援のおかげで月782円まで減額できている。
子どもたちの年齢が上がるにつれ、学費なども上がっていく。給食の無償化は保護者にとってありがたい制度だろう。完全に無償化できず、不足分を求められる場所もあるが、満額払うよりかなり安くなる。国の将来を担う子どもたちのため、より良い制度になるよう議論してほしい。
文/並河悟志 内外タイムス編集部
