由緒正しき神社に絶えない「黒いうわさ」 禰宜と「地面師」との“危うい交友”
東京・JR原宿駅から徒歩数分の一等地。高層ビルが立ち並ぶ一角に、高名な神社がたたずむ。ロシアのバルチック艦隊を次々撃破し、日本を勝利へと導いた東郷平八郎元帥を祀(まつ)る「東郷神社」だ。由緒正しいこの社に今、実に由々しき異変が。
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【写真を見る】超高級クラブで「高額接待」を… 黒い噂が絶えない「禰宜」の姿
反社会的勢力が暗躍
東郷神社は1940年、大日本帝国海軍が中心となり創建された。“軍神”を祀ることから、今も海上自衛隊と縁が深い。だが一方で黒いうわさも絶えない。
海自OBが明かす。
「好立地ゆえ神社敷地の開発計画や不動産取引を巡って不動産ブローカーや反社会的勢力が暗躍。裁判沙汰も再三でした。神社の利権を得んとする魑魅魍魎は現在もうごめいているのです」

目下、その舞台となっているのが人気の結婚式場だ。
「神社所有の東郷記念館です。そこは『東日』という企業が借り受けて40年以上も運営を担ってきました。東日は利益の一部を奉納し、神社に大いに貢献してきた。神社の敷地内には海自の著名なOB組織『水交会』の本部があり、東日と水交会の幹部が神社の役員や総代となって、神社、海自、東日が手を携えて社を支えていたのですが……」(同)
そうした相互扶助の関係が破綻の危機にあるという。
「神社側が東日の排除へと乗り出しているのです。東日はコロナ禍で収支が悪化。経費削減のため業務委託先の整理・集約を試みると、神社側が“転貸借だ。契約違反だ”と文句をつけた。話し合いは平行線をたどり、一昨年8月、神社側が東日に賃貸借契約の解除を通知したというわけです」(同)
超高級クラブで接待
東日が“契約違反ではない”と主張すると、
「神社側は昨年9月、記念館利用者の境内使用を禁じ、あろうことか『神前式』を行えなくした。東日が賃料を払えないように、収益を奪う兵糧攻めに出た形です。この騒動は、神社が出資した会社の資金を勝手に貸し付けて解任された権宮司(当時)の氷室千春氏と関係の深かった企業を、東日が切ろうとしたのが発端。田村武禰宜(65)がこれに激怒したという図式です」(前出の海自OB)
この田村氏について関係者が語るには、
「問題を起こした氷室氏の一派で、実務方のトップである禰宜職に20年近く就いています。空席の権宮司に就いてもおかしくないところ、神職トップの宮司が“過去にいろいろあった人物なので任命しない”と難色を示しているようなのです」
一体、どういうことか。
「一番の問題は、詐欺で捕まった人物と親しくしていたことでしょう」
とは、さる事情通。
「今年2月、静岡県で地面師グループとみられる暴力団幹部や僧侶ら6人が、架空の解体工事を装い現金をだまし取った詐欺事件で逮捕された。田村氏は、その一人のXと懇意にしていたのです。Xは、もともと神社の崇敬者の会『東郷会』の常務理事を務めていた人物でもあります」(同)
X氏は、過去に東郷神社が絡む詐欺まがいの不動産取引事件で訴えられている。
「田村氏はこの取引に“お墨付き”を与える神社名義の同意書を独断で提供していました。Xは、じっこんの氷室氏を年間129回も銀座の超高級クラブで接待、総額2億ほども支出していましたが、田村氏もまた“Xは一晩で100万円も使ってくれた”などと自慢げに話していたほどです」(同)
負の遺産
都会の社に潜む闇。田村氏に話を聞くべく架電するも取材を拒まれた。東郷神社に質問状を送ると、〈東日が重大な義務違反(無断転貸借)に及んで当社との信頼関係を破壊したためやむなく契約解除に至った〉と回答。〈当社関係者が反社会的勢力と関わりがあるかのような印象を与える報道は不当だ〉との見解だった。
先の海自OBは嘆く。
「東郷神社は、過去の負の遺産を清算できていません。宮司に事態打開のための相談を持ちかける神社役員もいるのに動きが見られない。宮司は田村氏から“東日と接触しないでもらいたい”と制され、コトを荒立てまいとしているようです」
日本を救った軍神でも救いようのない事態か……。
「週刊新潮」2026年4月2日号 掲載
