[3.31 KIRIN WORLD CHALLENGE 日本 1-0 イングランド ウェンブリー]

 デュエル勝率6/8、インターセプト4回、ボールリカバリー8回。日本代表MF佐野海舟(マインツ)はイングランドの選手たちをも守備で圧倒し、堂々の90分間フル出場で聖地ウェンブリー攻略の立役者となった。

 失点ゼロの時間を長くするという意識を共有して臨んだイングランド戦。相手は事前の想定とは異なり、前線起用のFWコール・パーマーとFWフィル・フォーデンが揃ってDFとMFのライン間を狙ってくる上、サイドハーフやサイドバックも時折中央寄りにポジションを取ってくるというなか、佐野は常時2人の選手をケアするような形で中締めの守備に奔走し、無失点に抑え込んだ。

 組織的な守備のなかで輝くだけでなく、前半42分には相手のロングカウンターに対していち早くカバーに回ると、相手のプレッシングをかわしながら浮き球を処理。そのままマイボールにするという鮮やかな回収シーンも見せた。

 そうして掴んだ勝利。「前半はゼロで耐えれれば良いかなという戦い方でああいうふうに点を取れたのはすごくデカかったし、後半はもう少し戦い方の部分で修正すべきところはあると思うけど、我慢強くしっかり全員で守って勝ちで終えられたのは良かった」と結果には確かな手応えを感じていた。

 一方、北中米W杯への準備が佳境に入る中、内容も問われるフェーズ。佐野は攻撃面で課題も感じていたという。「前からどんどんハメに来るし、ボランチのところがほぼマンツーマン気味に来るので、そこで自分がもう少し受けられるのか、自分が受けるふりをして他人のスペースを空けるのかというところはもう少し上手くできたかなと思う」。相棒のMF鎌田大地からはビルドアップの指摘も受けたようで、さらにレベルアップを続けていく構えだ。

 また前半41分には相手のビルドアップを阻む完璧なインターセプトからすぐに縦パスをつけると、FW上田綺世のシュートがクロスバーを直撃。パスがややずれたことでゴールを割れなかった。佐野は「もう少しパスの質、タイミングが早ければ楽に得点に行けたと思う。あれはミスという感じの印象」と振り返りつつ、「自分のタイミングとボールの質が悪かった」と改善を誓った。

 イングランドという世界的強豪を倒した後でもディテールの修正に励むのが現在の森保ジャパン。急激な成長で日本代表、ブンデスリーガでの地位を高めてきた25歳にもそのルーティーンは変わらない。「相手がどうであれ勝ちに持っていけたのはでかいと思う。今まで積み上げてきたことをしっかり出しながら、課題が毎試合出ているので、それを次に向けて自チームに帰ってしっかり自分の課題と向き合って成長していければ」。W杯まであと2か月、再び日常の戦いでスキルアップを続け、初の夢舞台に立つ。

(取材・文 竹内達也)