Photo: Raymond Wong / Gizmodo US|使ったのは15インチモデル。写真編集もラクにできた

10万円切りのNeoと強々のProに流れちゃって影薄いけど。

廉価版Neoの登場で最安Apple(アップル)ノートPCの座をNeoに明け渡し、中価格帯の標準モデルに格上げとなったMacBook Air。予算厳しい人はNeoかAirかで迷っていそうですよね。

Neoは見た目もかわいいし、スクリーンもあんまAirと違わないし。

ただ、ネット閲覧と単純な編集程度ならNeoでいいけど、それ以上のことやるならM5搭載MacBook Air。「〜で充分」の「〜」に入るのはNeoではなくてAirってな声もあるのです。

くわしく見ていきましょう。

M5 MacBook Air

これは何?:AppleのノートPC。価格優先ならMacBook Neo、性能優先ならMacBook Proで、Airはその中間。

価格:13インチ:18万4800円〜 、15インチ:21万9800円〜 。

好きなところ:画面もサウンドも最高、高負荷なタスクに耐えるM5の処理性能、堅牢なビルド、丸1日持つバッテリー、最小ストレージが倍増。

好きじゃないところ:同じM5でもM5搭載MacBook Proほど高性能じゃない、ポートが少ない、ノッチが邪魔、イマイチなカラバリ。

去年のM4搭載MacBook Airは 13インチが16万4800円から、15インチが19万8800円だったのに対し、今年のM5搭載版は13インチが18万4800円から、15インチが2万21万9800円から。約2万円の値上げとなっています。

そのぶんSSDは昨年(256GB)から最低512GBに倍増したので(メモリは16GB)、M4版で256GBから512GBにアップグレードする追加料金を吸収したと思えば、据え置きに近い肌感覚です。

MacBook Neoも、SSDの大きいほう(512GB)を選ぶと11万4800円しますしね(メモリはAirの半分の8GBで固定)。521GBを選んでも、Neoでゲームは厳しいのが現実(エミュ使えば『Overwatch』や『League of Legends』みたいなゲームもできることはできるけど)。その点、M5搭載MacBook Airであれば、3Dモデリングから動画編集までなんでもサクサク高速でこなせますもんね。

まあ、ここまで読むと聞こえはいいけど、なんだかんだ積めば価格もそれなりになります。

13インチM5搭載MacBook Airは最安18万4800円が10コアCPU+8コアGPUですので、グラフィクス性能を10コアGPUに上げると1万5000円アップで19万9800円に様変わり。

15インチは最安21万9800円で10コアCPU+10コアGPUのが買えるから追加料金の心配はないけど、どっちを選ぶにしてもSSD1TB以上を追加すると、それにまた1〜3万円アップ。そこまで計算すると結構な出費になります。

まあ、そんなんで驚いてたらProなんてどうなっちゃうの、とは思いますけどね。14インチM5搭載MacBook ProはSSD1TB+RAM16GBで気になるお値段、27万9800円。いいスクリーン選べばさらに2万4000円アップ。16インチの大きなサイズにして、いいスクリーン選ぶと、チップも上位のしか選べなくなって47万3800円からです。そのぶんポートが増えて、バッテリー持ちが長くなって、スピーカーもよくなるわけですが。

部内のテストでは、リアルタイムのグラフィクス処理は断然Proが上だったので、その1点でPro選ぶ人もいそう。でもそういう細かいこだわりがなければMacBook Airで充分かもしれません。これだけポータブルでありながら結構タフなので。

軽量スリムなノートは数あれど、MacBook Airほど堅牢なものはそうない
Photo: Raymond Wong / Gizmodo US

レビュー機は「ミッドナイト」カラーの15インチモデル。まるで戦闘機です。無駄を排したアルミのボディが軍用っぽさ全開です。

13.6インチモデルと比べると、感圧タッチ対応トラックパッドがデカいことぐらいで違いはあまり感じません。 Proみたいなスピーカーグリルもないし。

その代わりと言ってはなんですが、15インチモデルはフォースキャンセリングウーファーを含む6基のスピーカーユニットを装備しています。13インチはスピーカー4基だけなので2基多くついてる計算。

ユニボティのクラムシェルは、2022年のAirから変わらない美デザイン。Magic Keyboardも変わってません。トラックパッドは感圧式で強めのクリック(Force Click)も使える辺りが、9年ぶりに感圧式じゃなくなったNeoとの違いです。

とにかくファンレスな1.5cmの細身ボディにM5チップを搭載できたこと自体、驚嘆に値するかと。

M5搭載MacBook Air。気になる重量は15インチが1.51kg、13インチがNeoと同じ1.23kgとなっています。

Photo: Raymond Wong / Gizmodo US
Photo: Raymond Wong / Gizmodo US

なお、古いMacBook Airから買い替えを考えている人はポートが増えてないのでご留意を。

MagSafe 3充電ポートは付いてるし、それで最大70Wの急速充電が可能(MacBook Proの最大ワット数より低め)ですが、残りはThunderbolt 4 (USB-C)のポートが左に2つと、右に3.5mmヘッドフォンジャックが付いてるだけなんですね。

データ転送速度、電力スループットが向上したThunderbolt 5用のポートはM5 Pro/M5 Max搭載MacBook Pro限定でAirには装備されていません。Windowsのノートなんて、Asus Zenbook S 14みたいに1.1 cmの極薄でありながらHDMI ポート乗っけてるのもあるのに。本当にミニマル。

カラーの種類に関しては、遊び心のある色はMacBook Neoにみんな持っていかれちゃった感じです。M5搭載MacBook Airは「スカイブルー」も選べるけど個人的には「ミッドナイト」が好きかも。MacBook Proの「スペースブラック」ほど指紋が目立たないので勝手に気に入ってます。

充分な処理性能。MacBook Proには劣るけど

ネット閲覧やストリーミング以上のことやるならNeoよりAirが向いてるかな
Photo: Raymond Wong / Gizmodo US

ここ数年はMacBook Airも処理性能がメキメキ上がってて、同じチップ搭載の14インチMacBook Proに肉薄する勢い。M5シリーズも姿カタチは変わってないので、さすがにApple最新鋭のチップをこの古いボディで管理するのはそろそろ限界かな、と最初は心配でした。

というのも、14インチM5搭載MacBook Proをテストしたときには1基のファンで冷却が追いつかなくなると、発熱抑制のサーマルスロットリングが発動することが若干あったんですね。同じM5搭載のMacBook Airはファンレスなので、もっと発熱出するかな?と思ったんですが、それは杞憂に終わり、アプリの動作環境もベンチマークテストでも処理はおおむね安定していましたよ。

性能的には、14インチのM5搭載MacBook Proのほうが軽量薄型のM5搭載MacBook Air よりもちろん上なんですが、ベンチマークの数値的に多少劣っても現実のアプリの動作にはあまり影響がない印象です。無論、アプリによって違いの出方に差はありますが。

…でもNeoは10万円切り。それで十分な人もいるし、重い作業には30万円以上するProが必要な人も
Photo: Raymond Wong / Gizmodo US

いちおうベンチ結果の数字を書き出しておきますね。

Geekbench 6を使ったCPU性能のテストで、M5搭載MacBook Airはシングルコアで4,172、マルチコアで17,157点。AppleのMシリーズのチップは、依然としてCPU性能はトップクラスであることを印象付けました。

MacBook Airが装備する無印M5は、ミッドレンジのIntel Core X7 358H CPU(Dell XPS 14搭載チップ)よりマルチコアで200点上なんですね。 まあ、同じM5でも、14インチMacBook Pro搭載のM5と比べちゃうと500点低いけど。同じ10コアCPU+10コアGPUの構成で比べても、新型MacBook Air搭載のM5はCinebench 2026のマルチコアのベンチで500点低いという結果でした。

Blenderを使ってBMWのレンダリング所要時間を比べてみたところ、M5搭載MacBook Airは所要2分37秒で、Dell XPS 14と並ぶスピードながら、14インチMacBook Proより約15秒遅かいという結果に。GPUを駆使するレンダリングはわずか13秒で終わったので、MacBook Proとほぼ差はありません。Appleのチップは依然としてレンダリングで高性能を誇り、他のSoCに大きく差を付けているので、納得な結果です。

やっぱりGPUは10コア欲しい…

M5搭載MacBook Airでもゲームはできる。でも同じM5搭載のMacBook Proほど速くない
Photo: Raymond Wong / Gizmodo US

とはいえ、GPU性能に関しては機種ごとの差がもっと目立つシーンもありました。

たとえば3D MarkのSteel Nomad Liteを使ったテストで、M5搭載MacBook AirはM5搭載MacBook Proに300点近く差をつけられてたし、最上位のPanther LakeのIntel 12Xe3 GPUコア搭載の最新Windows版ノート群と比べても、リアルタイムのレンダリングテストで大差をつけられてます。同様のことは3D MarkのSolar Bayテストなどのレイトレーシング性能テストでも見られます。

レイトレーシングは、リアルタイムの光の加減をゲームのなかでリアルに再現する技術で、GPUにすごく負荷がかかります。M5チップのGPUは、レイトレーシング性能強化を念頭に開発されたはずなのですが、アプリによっては前のM4 搭載MacBook Airを大きく上回る高性能…とも限らなかったです。また、M5搭載MacBook Airで『Cyberpunk 2077 』をやってみたら、M5搭載MacBook Proで達成できるフレームレートを実現するのに四苦八苦でした。

ゲーム内でレイトレーシング「低」、1200p、MetalFX のアップスケーリング有効に設定したら、やっと30fpsちょっと出て、AIによるエンハンスメントで1,280×800から1,920×1,200に解像度が上がりました。超強力な処理性能を誇るM5 Maxを搭載した14インチMacBook Proと違って、M5搭載MacBook Airはゲーム内でレイトレーシングを使っても処理性能に極端な問題は出ませんでした。

タイトルによってはAirで充分です。たとえばコンセントに差し込んで『Total War: Warhammer III 』やれば1200pの「高」設定で30FPS前後いくし。もちろんMacはゲーム向きじゃない。それはそう。でも近い将来、AppleのARMベースのMシリーズがもっと高性能になってx86 のエミュレーションが可能になれば、それも変わるかもしれません。どのみちベースのM5を搭載したMacBook Airでも、解像度を低めにすれば普通に処理できます。

まあ、ゲームだけにCPUの発熱はあります。M5搭載MacBook Airをレーザー温度計で検温してみたら、キーボード中央で32.8℃、画面の一番近くで最高41.7℃でした。熱すぎるほどじゃなくて、寒い夜、ひざがポカポカする程度。

目に優しいディスプレイ、耳に心地よいサウンド

画面も鮮明だけど、15インチMacBook Airの真骨頂は6基のスピーカーシステム
Photo: Raymond Wong / Gizmodo US

スクリーンに関しては今回、廉価版MacBook Neoのがんばりが目立ちました。あんなに安いのに明るいLiquid Retinaなんですね。レビューでもべた褒めでした。

M5搭載MacBook Airも同様のLCDが採用になってて、前と変わらない明るさと高画質をキープしています(15.3インチの画面のほうが13.6インチよりキレイに感じます)。過去4年の間にMacBook Airの画面に触れたことある人はもう見慣れてるので、今さらオオオッとなることもないけれど。

M5搭載MacBook AirのベゼルのほうがMacBook Neoより狭いけど、画面からノッチ(カメラの黒い切れ込み)が消えてないのが残念ポイント。ちなみに解像度は、15インチが最高2,880×1,864、 13インチが2,560×1,664 。Neoは2,408×1,506なので、それよりは上です。

M5搭載MacBook Airのディスプレイ最大の強み、それは2つのThunderbolt 4ポートにあります。これで外部ディスプレイに最大2台までつなげるんですね(6K&60Hzまたは4K&144Hzで)。sRGBの色域カバー率も、NeoよりAirのほうが高めとなっています。

輝度はNeoもAirも最大500ニトで、写真・動画編集のニーズを幅広くカバー。AirのほうはTrue Tone(周辺の明るさに応じて画面の色温度と明るさを調整する機能)も使えます(Neoにはない機能)。

新MacBook Airでオッとなったのは、サウンドですね。こんなにスリムなのにもっと分厚いノートより音がいいの。13インチにはスピーカーが4基、15インチは6基も付いているんですね。どちらも Dolby Atmosによる空間オーディオの再生も可能。夜ベッドに寝っ転がって、ネトフリでワンピース観るときなんかは15インチのAirかな。

「バッテリー丸1日持つ」はホント

センターフレームで人物は常に真ん中に。FaceTimeやZOOM中も消える心配がない
Photo: Raymond Wong / Gizmodo US

バッテリー持ちに関しては、NeoよりAirが上です。「簡単なネットの作業をこなして、たまにFinal Cut ProやPixelmator Proを使う」程度の使い方で、M5搭載MacBook Airは勤務中ずっと使うことができました(NeoはGizのブログ入力作業で使って9時間持たなかった)。

細かいことだけど、長い目で見れば大きな違いです。何年も使う人は特に。

Airは13インチも15インチも公称「18時間」までの連続使用が可能とのことですが、これは明るさを「低」に設定してストリーミングした場合の話であって、本当に知りたいのは、どれだけ高負荷な作業に耐えられるかだし、明るさも自分の好きな明るさで比べたいですよね。

14インチのProと比べると、Airはバッテリー持ち短いかもですが、AirにあってProにないものもあります。それがN1ワイヤレス通信用チップ。これでWi-Fi 7やBluetooth 6の高速接続が可能になってます。

やっぱり価格は大きいよね…

競合もがんばっちゃいるんだけど
Photo: Raymond Wong / Gizmodo US

AppleのMacBook群で、M5搭載MacBook Airは松竹梅の「竹」。価格と性能をほどよく兼ね備えたモデルです。

MacBookシリーズは洗練されたノートPC。インテルの追い上げもあるなか、性能では一部Windowsより一歩リードしていて、最近は価格でもあんまり差がなくなってきました。GPUコアがAirより多いかM5より性能が上なIntelのCore Ultra Series 3搭載のWindowsは、20万〜29万円くらいしますからね。もちろんOLED機だったりポートがもっと多かったりするわけですが、それでもAppleのミッドレンジのとそんなに変わらないですし。

Macひと筋な人は、AirかProかで頭痛いですよね。違いはサイズ、画面、ポート数。少しでも性能が上なのが欲しければProだろうし。あとは財布と相談でしょうか。

廉価版MacBook Neoが注目をさらった今シーズン。Neoにふらっと行っちゃいそうだけど、今の自分、5年後の自分の使い方に対応するかどうかまで考えて決めたいですね。

薄さは正義。4年の歳月に洗われたAppleのデザインに隙はありません。ポートの数よりポータビリティ優先。そんな人は、M5搭載MacBook Airのほうが買いでしょう。

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