「こんにちは」だけじゃない! さまざまなシーンで使われる“你好(ニーハオ)”【まいにち中国語】
テキスト『まいにち中国語』に連載されている李軼倫さんの『中国語と日本語「ちがい」は楽しい!』は、毎月1つの言葉を取り上げて、中国語と日本語での使い方の違いから中国の文化や習慣を知る人気のエッセイです。
今回ご紹介するのは、あいさつ言葉の“你好”と「こんにちは」について。中国語と日本語とでは、使用場面は意外と異なるようです。
中国語と日本語「ちがい」は楽しい!
“你好”と「こんにちは」 中国語学習者が最初に習う中国語の一つ、“你好”。“你好” は「こんにちは」に相当するあいさつ言葉ですが、その使用場面が日本語の「こんにちは」とは意外と異なることが多いようです。まず、中国で使われる場面を見てみましょう。
注文や会計の際はというと、日本では、客側が「すみません」と声をかけ、店員さんが「はい」と応じるのが一般的で、どちらも「こんにちは」はあまり使いません。それに対し、中国では客側が“你好,点菜。” などのように、“你好” で店員さんを呼ぶことが一般的です。また、呼ばれた店員さんも“你好,您点什么菜?” と応じることが多く、“你好/您好” が頻繁に使われます。
また、知らない人に道を尋ねる場合でも、中国では、“您好,问一下。” のように切り出すことが多いです。このように、“你好/您好” は相手の注意を引いたり、会話のきっかけを作ったりするためにも使われます。
手紙やメールの場合も見てみましょう。日本語では「拝啓」や「いつもお世話になっております」といった定型表現を使うことが一般的ですが、中国語では“你好” と簡潔に済ませることが多いです。そのため、中国人が日本語でメールを書く際、冒頭に「こんにちは!」と書くケースが少なくありません。電話の場合も、日本語では「もしもし、○○ですが…」のように始めるのが一般的ですが、中国語では“喂,您好!……” と始めるのが一般的です。
一方で、日本では「こんにちは」と言う場面で、中国では“你好” を使わない場合もあります。例えば、山登りのときなど見知らぬ他人とすれ違う際、日本では「こんにちは」と声をかけ合うことがよくありますが、中国人はほとんど無言か会釈程度です。もしそこで“你好” と声をかけたら、相手は何か質問があるのかと思い、立ち止まる可能性が高いです。この違いは、“你好” が単なるあいさつだけでなく、何らかの目的があるときに使われることが多いという特徴を反映していると言えるでしょう。著者:李軼倫
り・いつりん(Lǐ Yìlún)。東洋大学講師、中国語ナレーター。
◆『まいにち中国語』2025年4月号より
◆文 李軼倫

