『放送局占拠』傀儡子の正体は? 怪しすぎる“奄美”戸次重幸の動向と「PM PLAN」を考察
櫻井翔主演の『占拠』シリーズ第3弾となるドラマ『放送局占拠』(日本テレビ系)も残すはあと2話。妖たち全員の復讐が一通り達成され、残るは全てを裏で操る傀儡子を暴くことが焦点となっている。そこで、傀儡子はどんな人物なのか考察してみたい。
参考:『放送局占拠』伊吹は本当に“敵”なのか? 大和の真の目的など未解明の謎をおさらい
妖たちが見つけだそうしている傀儡子は、マスコミや政治、警察を裏で操り、自分にとって都合のいい情報を世間に流し続けてきた存在。妖たちの遺族が犠牲となった多くの元凶が『NEWS FACT』の捏造報道であり、内閣官房長官・式根泰山の息子で俳優の式根潤平(山口大地)のオーバードーズ事件を隠蔽したことが元凶。政府を守ること=国を守ることが正義と考える屋代圭吾警備部長(高橋克典)が、官房長官の司令により隠蔽に動いたことで妖たちの親族が犠牲となった負の連鎖だ。つまり、基本的には妖の恨むべき人物は屋代であり、屋代を使って真相を隠蔽した官房長官並びに日本政府が傀儡子と言えなくもない。
そんな屋代の隠蔽に協力しているのが『NEWS FACT』。俳優を使って捏造報道を連発し世論を動かしたディレクター・日出哲磨(亀田佳明)の闇は明かされたので、当然その上に立つ番組プロデューサーの奄美大智(戸次重幸)が傀儡子として一番疑われる。政府や警察の隠蔽に協力をしていることで、権力者側の弱みを握っているのは明確。おそらく妖が探しているある場所にはこれまで握りつぶしてきたゴシップのニュースデータが保存され、その証拠をネタに権力者を思うがままに操ることができていると考えられ、その情報を握る人物が傀儡子だと誰もが思うところ。
もしそれを妖たちが探し出し、様々な事件の捏造された真実が公表されたら暴動が起き、日本の秩序が守れなくなる悲惨な状況が予想される。青鬼/大和耕一(菊池風磨)は般若/伊吹裕志(加藤清史郎)の暴走に対しそれを危惧しているのかもしれない。
ただ、それで権力者側が弱みを操られているとするなら、まず探し出したいのは権力者側であること。伊吹は屋代の依頼で犠牲者を始末してきたのっぺらぼうの大野原(北村優衣)と間崎(谷川昭一朗)たちを口封じのように殺したことを考えると、伊吹は今も警察側の人間で屋代と組んでいるのでは? とも考えられた。
しかしここに来て分からなくなってきたのが、第8話で妖が探している部屋を開けるのに生体認証が必要となり、伊吹はこのタイミングで屋代の生体認証が必要だと言わんばかりに式根との人質交換で招聘しようとしている。
もし人質の中に鍵を開けられる人物がいるのなら、一人一人試せばいいし、ヒットした人物が傀儡子の可能性が高いのにそうしない。屋代の生体認証で鍵が開くのなら、これまでの捏造した元データを管理しているのが屋代ということになり、当然伊吹と屋代が敵対関係となる。ただ、警備部長がテレビ局の部屋を管理しているのはおかしな話。そこで、奄美と屋代が組んでいたらどうだろう? スクープを狙いたい奄美、都合のいい情報を世間に流し続けたい屋代の利害関係の一致。それが「PM PLAN」だったらどうだろう。ただこれはあくまで屋代が生体認証の鍵だったらの話。前回のラストで、妖が式根と屋代の闇を暴き、人質交換する流れで、「あいつら、どこまで」と奄美が呟いたことで、やはり奄美の傀儡子説が濃厚か?
第9話では、まだ罪が問われていない人質の奄美、大学病院の看護師長で都知事候補の沖野聖羅(片岡礼子)、『NEWS FACT』番組アシスタントでインフルエンサーの真鍋野々花(宮部のぞみ)の3人による傀儡子を炙り出す「死の記者会見」が始まる。おそらく真鍋は、それぞれの事件をSNSで煽った「くだん@預言者」だと予想できる。当初は面白半分での思わぬバズりだったのかも知れないが、そこから情報が集まるようになり(傀儡子が情報を流し?)、インフルエンサーなだけに承認欲求が強く、裏垢でスキャンダラスなニュースをご意見番のごとく拡散していったのか。もしくは、大和の記事を目を輝かせて見ていたが、真実を明かしていく現代の反逆者としてリスペクトをしていると考えると、自分の行いも世直しのつもりなのか? ただ気になるのは、現在18歳で鎌鼬事件は5年前なので当時13歳だったということ。そこは現代の闇としてありえる話だが、2代目の可能性も。それを思うと傀儡子の可能性も否定できず、大和の脱走に一枚噛んでいるのかも。
沖野は以前に傀儡子の名を聞いて知っているような素振りを見せていて、式根の闇が暴かれたときに持っていた「倉橋綾子」というネームタグを見つめていたことからも、倉橋は式根による犠牲者で、傀儡子によって真実が闇に葬られたと予想。占拠される前の都知事選の番組直前もネームタグを見て覚悟を決めるようにスタジオに向かっていることからも、元々番組でカミングアウトする予定だったのか? 占拠事件が起きるのを知っていたのなら妖側に声をかけられている人間なのかも。いずれにせよ、視聴者に傀儡子は何者かを伝える役割か。
もう一つ気になるのが前回正体が明かされた座敷童。人質の1人である新人ADの忽那翡翠(齊藤なぎさ)だと判明し、姉の飛鳥瑠璃が式根に過剰の薬物を摂取させられ死亡。姉の復讐のために大和が追放された後に「妖」となり、本来は輪入道/八丈豪(原西孝幸)が実行する予定だった人質の中への潜入を遂行し、監視役を担っていた。妖たちが探していた部屋の情報を聞き出し、生体認証がないと鍵が開かないことを妖たちに伝えていたようだが、人質の中でいつその情報を知ったのか? 人質の中で知っていそうなのは奄美しかいないが、言うわけないし、もし屋代の生体認証が必要とまで聞いているのならもはやグルでしかない。全て傀儡子としてのシナリオ通りなのか? 奄美は占拠前に知事たちと番組打ち合わせした際に、出席が遅れている般若について聞かれるとニヤッと笑っていた。番組的に面白い人材なのは確かだが、当初から一波乱起きるのを企んでいそうな顔であり、もし奄美が傀儡子なら全てが予定通りと言えなくもない。
それらを踏まえて極論を考えると、伊吹が見つめていた「PM PLAN」がパペットマスター計画の意味だとすると、傀儡子は1人の特定した人物ではなく、あくまでも計画。政府や警察、マスコミが捏造したいことを構築できる互助会システム、あえて言うなら秘密結社みたいなものだったらどうだろう。奄美も真鍋も屋代もみんな傀儡子という考え。または傀儡子という架空の人物を存在させ、結局は政府の裏工作のコードネームだったりとか。
もし屋代が純粋に命をかけて傀儡子の秘密を守ろうとするなら、自分の命も絶つ覚悟はあるだろう。また、現場に復帰した和泉さくら管理官(ソニン)は立場上確実に傀儡子の存在は知っていないとおかしく、むしろ5年前の「P2計画」のときに関わっているとも予想されるので、次週SATを突入される流れは口封じのために動く可能性も。
しかしこのままだと都知事選の候補者が沖野ただ1人となる。もちろん泡沫候補や後から候補者が出てくるだろうが、実は大芝が生きている可能性も? ここに傀儡子の思惑があったらどうだろう。
傀儡子は奄美なのかそれとも別の人物なのか? 考察系ドラマは最終回前が一番の盛り上がりを見せ謎が明かされることが多いので、第9話を心して見守りたい。
(文=本 手)
