記事のポイント
ブレイク・ライブリー氏のヘアケアブランド「ブレイク・ブラウン」は、華々しいデビュー後に売上が急減し訴訟問題も発生した。
ブランドは新たに香りを核としたヘア&ボディミストを発売し、ターゲットやSNSを活用して若年層への訴求を強化している。
CEOは製品力とリピート購入の増加に自信を示し、ブランド認知の拡大と試用機会の創出に注力していると語った。


ブレイク・ライブリー氏がターゲット(Target)限定で立ち上げたヘアケアブランド「ブレイク・ブラウン(Blake Brown)」は、華々しいデビューを飾った。同ブランドは2024年8月に、ニュートラルカラーの六角形パッケージで、従来のコンディショナーではなくヘアマスクを主軸とした製品ラインで登場した。初期の製品群には、シャンプー2種、ヘアマスク2種、洗い流さないトリートメント、ドライシャンプー、ムース、プレシャンプーマスクが含まれていた。価格帯は18.99〜24.99ドル(約2950〜3880円)。

このブランドは、ミリー・ボビー・ブラウン氏と共同でフローレンス・バイ・ミルズ(Florence by Mills)を手がけ、トミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)、ゼニア(Zegna)、ショパール(Chopard)などのブランドとのライセンス契約も展開している「ギブ・バック・ビューティー(Give Back Beauty)」との共同事業である。

ローンチ時、ライブリー氏はメディアに対し、ブランド構想に7年を費やしてきたと語っていた。ブレイク・ブラウンはターゲット史上最大のヘアケアブランドのローンチとなった。WWDの報道によれば、ブランドはローンチ初週で1600万ドル(約2億4800万円)のEMVを獲得。パック(Puck)が9月下旬に報じたところによると、ターゲットにおける売上は発売から3週間半で約500万ドル(約7億7500万円)に達した。

しかしそのわずか4カ月後、『ふたりで終わらせる(It Ends With Us)』でライブリー氏と共演したジャスティン・バルドーニ氏が、映画公開直前に彼女に対して中傷キャンペーンを画策していたとする爆弾報道がニューヨーク・タイムズ(The New York Times)によって明るみに出た。ライブリー氏は12月31日、正式にバルドーニ氏を提訴。この対立は瞬く間に「言った・言わない」へと発展し、一般のファンも巻き込んで対立構図が形成された。

家庭内暴力を題材にしたこの映画は、ブレイク・ブラウンと同時期に公開された。ライブリー氏は、重いテーマの映画と同時に自身のヘアケア製品をPRしたことで批判を浴びた。パックの報道によれば、売上は8月11日のピーク時から9月15日までに87%減少したという。裁判は2026年3月9日に開始される予定で、この件についてコメントできる範囲は限られている。

それでもブランドへの影響について、CEOのローラ・テデスコ氏はこう語る。「新製品の発売には、非常にエキサイティングな瞬間と同時に、必ず何らかの課題にも直面するということがある。ブランドがまだ初期段階にある以上、今回の件もそのひとつと捉えている。大切なのは、消費者のニーズを満たすすばらしい製品を提供し続けることであり、それがこの9カ月間を通して我々の軸となってきた。挑戦はあったが、どんな新しいビジネスでも課題はつきものだ」。

売上の減少については、「ローンチというものは、多くの場合、非常に大きな立ち上がりを見せてから、通常の基準へとリセットされるものである。我々の場合は非常に非典型的な軌道を描いたが、現在の水準に満足している。まだブランド設立から9カ月しか経っていないことを考えると、成長には手応えがある。最大のポイントは『いい製品は必ず顧客に選ばれる』という信念であり、我々はブレイク・ブラウンでそれを実現できていると確信している」と述べた。

ブレイク・ブラウン、若年層市場への挑戦



ブレイク・ブラウンは次なる3製品を発売した。トレンドを反映したヘアミストおよびボディミストのセットであり、香りはデビュー時のヘアケア製品と同じ3種「サンダルウッドバニラ」「ワイルドネクターサンタル」「ベルガモットウッズ」だ。テデスコ氏によれば、これまでのブランドの核はヘアヘルス(髪の健康)にあり、「強さとしなやかさ」というコンセプトに基づいてブランドが構築されていると述べている。

「髪が健康であるためには、水分と強さの両方が必要である。水分が多すぎても少なすぎても髪は適度な弾力を失い、切れてしまう。たんぱく質が多すぎても少なすぎても、髪に必要な強度が保たれず、切れてしまうのである」とテデスコは説明する。香りもブランドストーリーの重要な要素であり、発売初期のレビューでも製品の香りのよさについて多くのコメントが寄せられていた。

「ブレイク・ブラウンにおける香りは核心である。香りは感情的であり、個人的であり、そして自分と共にあり続けるものだ。当初は香水単体を作る予定はなかったが、多くの人から『髪だけでなく身体にも使いたい』という声が寄せられたため、それに応える形で開発を進めた。今回のヘア&ボディ リフレッシュミストは、単にいい香りをまとうためのものではなく、小さな気分転換の手段として提案するものである」とライブリー氏はGlossyにメールで述べた。

「いちばん多く届いている声は『香りが大好きだ』というものである」とテデスコも同調した。

現在、ヘア&ボディミスト市場は再注目を集めており、競争が激化していることを認識している。今回の発売時期は競合の多い状況である。しかし、それでもこれらの製品に対する需要は確かに存在しており、実際にターゲット社からは発売時期を早めてほしいという要望があったという。

テデスコ氏は次のように述べている。「我々は、成長中かつやや飽和しつつあるカテゴリーのなかで、ほかと一線を画すことを目指している。18.99ドル(約2950円)という手に取りやすい価格でありながら、真に高級な香水体験を提供できる。複雑で洗練された香りを、美しいパッケージに包んで届けている」。

ブランドはマーケティング活動を通じて、香りの複雑さを伝えるとともに、ユーザーに対して香りを重ねて楽しむ「レイヤリング」を促すことをめざしている。ライブリー氏を起用したキャンペーンは、SNS、D2CブランドのECサイト、店頭、ターゲットのオンラインストア、さらにはCTV(コネクテッドTV)でも展開される予定である。また、TikTokやインスタグラムでは、マクロ、ミッドティア、マイクロといったさまざまなレベルのクリエイターを起用し、新製品のプロモーションを行う。ヘア&ボディミストというトレンドが若年層に人気であることから、テデスコ氏は、今回の製品が若い顧客層にブランドを認知させる新たな機会になると見込んでいる。

テデスコ氏は、ライブリー氏がブランド立ち上げ時に大きな認知度をもたらしたことに言及しつつも、ブランドとしての一般的な知名度はまだ十分ではないと述べている。ライブリー氏はインスタグラムで4370万人のフォロワーを抱えているが、顧客が彼女との関係性を知っているかどうかに関わらず、ブランドの認知拡大には依然として取り組む必要があるという。今回の新製品の発売は、その認知をさらに高めるための新たな機会となると捉えている。

テデスコ氏は、周囲で起きている論争にもかかわらず、現在のブランドの立ち位置には満足していると述べている。

「今年初めと比較して、リピート購入率は80%増加している。我々は、消費者に対して優れた処方と優れた製品を確実に提供できているという自信がある。今後は、より多くの人にブランドを知ってもらい、認知を高め、実際に製品を試してもらうことが重要である。なぜなら、一度使ってもらえれば、必ずその魅力を実感してもらえると確信しているからである」。

[原文:Exclusive: Amid Blake Lively’s tumultuous lawsuit, Blake Brown launches new products

Sara Spruch-Feiner(翻訳・編集:坂本凪沙)