映画公開にも泥を塗る行為だ(写真・産経新聞)

「Aが夏の新ドラマをまかされ、華々しくメディアにコメントしているのを見て、『この人にとっては子供や私の命などどうでもよいのか』と、憤りを感じたそうです」

 極道をやめた男が送る主夫としての日々を描いた人気漫画『極主夫道』。そのドラマ版で、原作にない「夫婦に子供がいる」という設定を追加してファンの間で賛否を呼んだのが、読売テレビプロデューサーで30代のA氏だ。

「A氏は、広瀬アリスさんが主演を務めたドラマ『探偵が早すぎる』で、初めてプロデュースを担当しました。今月3日から劇場版が全国公開された『極主夫道』でもプロデューサーとして名を連ね、7月からは永瀬廉さん主演のドラマも手がける、読売の若手エースです」(テレビ局関係者)

 そんなA氏だが、元恋人で大手広告代理店社員のB子さんとあるトラブルを抱えているという。冒頭に続けて、B子さんの友人が事情を明かした。

「彼は、30代のB子と結婚も約束して交際していましたが、昨年10月に彼女の妊娠がわかると、態度を豹変させて話し合いに応じなくなったのです。B子はなんとか彼と連絡を取ろうとしましたが、12月に『弁護士を立てる』と言ってきたきり一切連絡が取れず、一人で苦しんでいました」

 2人が交際を始めたのは、6年前のことだという。

「当時からB子は『Aの冬服を見たことがない。秋ごろになると突然音信が途絶え、春になるとまた連絡してくる』と嘆いていました。彼の態度に業を煮やしたB子は、一時、親族の紹介で別の男性と交際していました。すると9カ月ほどたって、Aから再び連絡があったんです。昨年の7月に2人は再会し、『結婚しようか』とAから言われたのはそのときだったそうです」

 B子さんは、悩み抜いた末にA氏のプロポーズを受け入れた。しかし、その3カ月後に彼女の妊娠が判明し、A氏は態度を一変させたという。

「妊娠を伝えると、電話口から壁を激しく蹴る音が聞こえて、『俺は2週間前から別れようと思っていた』などとめんどくさそうに言って、B子に中絶を要求したそうです。彼女はショックで自殺をほのめかすなど、心身のバランスを崩し、休職しました」

 A氏の身勝手な行動は続く。

「中絶が可能な期限を伝えていたにもかかわらず、その期日までに会って話すことをAは拒みました。やっと連絡が取れても『結婚はしない。DNA鑑定をして本当に俺の子なら認知して養育費を払う』と言ったかと思えば、後日『2人で育てていく方向で』と主張を変えるなど、Aの身勝手な態度に、彼女は完全に振り回されていました」

 見かねたB子さんの母親がA氏の実家に手紙を送ったものの、返事はなかったという。

「昨年末からAと音信不通になったB子は今年2月、読売テレビ局内の知り合いを通じてAの上司に、Aの意向を聞いてほしいとお願いをしたんです。その席で、Aは上司に『子供は認知して、養育費や慰謝料も払います』と言ったそうですが、いまだに行動に移されていません」

 そして今年3月、A氏の弁護士から一通の文書が届く。

「『誰かがSNSにAの誹謗中傷を書きこんでいるが心当たりはないか』という内容で、明らかにB子のことを疑っている文面でした。もちろん、彼女には身に覚えがありません。しかも子供の認知や養育費については、この誹謗中傷問題が解決してからと書かれていたのです」

 A氏のたび重なる非情な対応によるストレスが、B子さんの中で頂点に達したのは、このときだ。文書が届いてすぐ、B子さんは激しい腹痛とともに出血し、救急車で病院に運ばれた。結果は死産だった。B子さんは現在も休職中で、心療内科に通っているという。

「死産について、Aに知らせることもできていないんです。B子は今回の件で自殺未遂をしており、現在も睡眠薬や向精神薬が手放せない状態です。復職も難しく、見ていて本当に辛い気持ちです」

 さらに6月に入ってA氏の弁護士から、「調停申立書」がB子さんに送られてきたという。誹謗中傷へのB子さんの関与を疑い、慰謝料や養育費の話し合いは、こちらの問題を調停で解決した後にと主張する内容だった。

 6月4日、出勤途中のA氏を直撃した。だがA氏は「人違いです」と繰り返して逃亡。携帯電話の留守電にもメッセージを残したが、一切返事はなかった。

 本誌の取材にB子さんは重い口を開いた。事実関係を確認すると、「彼のぞんざいな対応に、昨年からずっと苦しんできました。今後、慰謝料請求などについては弁護士と相談するつもりです」と、涙を浮かべた。

 男女間のトラブルに詳しい「あおば法律事務所」の橋本智子弁護士はこう語る。

「A氏の一連の行為は、性暴力ともいえると思います。また、攻撃的な文書を送るだけでなく調停まで起こすなど、恫喝とも感じられるA氏の弁護士の行動も、きわめて問題だと思います」

 人気プロデューサーは、現実の人間ドラマを捌くのは苦手なようだ。