思ったことは口にしろ。サッカーは、私見を述べあうスポーツだ
「外圧は好きなことを言ってアクセスを稼いでいる」と、半ば腐すような台詞をこちらに浴びせる反町委員長に、そのまま聞かせたい台詞でもある。人から意見されることに耐性がある人と、ない人の差を見る気がする。代表監督のみならず、技術委員長、協会の会長に求められるのはオシム的な気質だ。
こちらには、好き勝手な原稿を書いてアクセスを稼いでいる認識は全くないが、サッカー記事全体のアクセスが伸びることは、サッカー界にとって歓迎すべきことではないか。エンターテインメントとして活気づいている証拠である。テレビの視聴率はおのずと上昇。産業として盛り上がるのである。
「代表の試合は1試合の重みが違うのは認識しているし、結果も重視していかないといけない。その中で内容や選手が迷いを持ってやっているかにも注視しないといけない。監督のマネジメント力も見ていくことになる」とは、前述した反町委員長の台詞だが、彼自身、森保監督をチェックしていることは事実なのだ。
「外圧は好きなことを言ってアクセスを稼いでいる」とこちらに向かって投じつつも、現実問題として、自らも、森保監督に厳しい目を向けているわけだ。ところが、その一方で、「内圧はなくさなければならないが、いまのところは全くない」と述べている。つまり、技術委員長として森保監督に対して現時点で、何も私見を述べていないことになる。「何か言われれば意見を言う」とは先述のコメントだが、もしほんとうに、反町委員長みずから、意見を森保監督に伝えていないとすれば、それはそれで問題ではないか。
輪が乱れることを恐れて、思ったことを口にしない。これが技術委員長としてあるべきスタンスだろうか。内なる者として輪が乱れるから口を噤む。これでは、委員長が意見をするときは、解任するときになってしまう。申し訳ないが、筆者はそうならないように、私見を述べているわけだ。それを委員長が外圧と、ネガティブな姿勢として捉えているのであれば、残念極まりない。
サッカーという私見を述べあうスポーツにあって、みずから口を閉ざそうとするこの姿勢。競技の本質から、外れていると筆者は思わざるを得ないのだ。
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スポーツライター杉山茂樹氏の本音コラム。