米長期金利急騰で波乱の3月相場到来か? 外為オンライン佐藤正和氏
このまま金利上昇が続けば、米国政府の財政状況は悪化し続けることになり、米国債の格下げにもつながりかねません。金利上昇に対しては、米国政府やFRBも本気で対抗策を打ち出してくるものと考えられます。とは言え、長期金利上昇に端を発した株安は、ハイテク産業などを中心に今後も影響を受けるかもしれません。恐怖指数ともいわれる「VIX指数」も節目の30を超えて来ており、3月は為替、債券、株式の3市場ともに乱高下しやすい相場になる可能性があります。
――3月の各通貨の予想レンジは?
世界的には、3月は脱コロナの道筋が見えてくる重要な月になる可能性があります。ワクチン接種率の上昇に伴って、感染者数が減少してくる可能性があります。そういう意味では、米雇用統計の発表やFOMC(米連邦公開市場委員会)、そして日本でも日本銀行の金融政策決定会合が行われますが、そうした為替市場にとって重視される通常のイベント以上に、コロナワクチン接種の進捗状況のニュースが重視され、相場は大きく振り回されるかもしれません。
とりわけ、2月末に第3のワクチンと言われる米製薬大手の「ジョンソン・エンド・ジョンソン」のワクチンが正式に緊急使用が承認されたことで、一気にワクチン接種の状況が進展する可能性もあります。同社のワクチンは、1回の接種で完了といわれ、さらに冷凍ではなく冷蔵保管が可能といわれています。こうしたワクチン接種の状況を考慮に入れて、相場全体の動きを見る必要があると思います。
●ドル円・・1ドル=105円−107円
●ユーロ円・・1ユーロ=125円−130円
●ユーロドル・・1ユーロ=1.19ドル−1.23ドル
●英国ポンド円・・1ポンド=145円−150円
●豪ドル円・・1豪ドル=82円−85円
――3月相場で注意する点を教えてください。
ドルが売られ、同時に円も全面安の展開になるか・・・、それとも市場が落ち着いてこれまでのような相場展開になるのか・・・。どちらに動くにせよ、3月は変動幅が大きい荒れる展開になると考えられます。また、為替市場以外でもこれまで青天井に買われてきたハイテク関連の米国株などは、今後も大きな影響を受ける可能性があります。
金利の上昇や株式市場の下落のスピードによっては、想定を超える相場の動きがあるかもしれません。きちんとポジション管理をしながら、今後の感染状況の動きに対応していく必要があるでしょう。
さらに、原油価格の上昇やビットコインといった暗号資産などの動向も金融市場全体に影響をもたらすかもしれません。とりわけ、原油価格が急激に上昇するような状況になると、エネルギーを輸入に依存する日本経済にとっては大きな負担となり、貿易統計なども影響を受けるため、円相場の動向にも左右します。きちんとニュースを確認しながら、小まめな利益確定を心がけましょう。(文責:モーニングスター編集部)。
