台風19号の通過から3日。孤立したままの被災地域も多く、被害の全容が掴めない中、AbemaTV『AbemaPrime』(15日放送)では、ほとんど報道されて来なかった茨城県最北部にある大子町を取材した。

 町内を流れる久慈川が増水し、川沿いを走るJR水郡線の鉄橋が崩落。近くに住む蓮水信之さんは「ガタンという音で、ほんの少しだけ鉄橋の桁がずれた。通学で使っている高校生たちはこれから不便を強いられると思う」。

 住宅への被害は少なく、重機が入り車の通行もできるようになったものの、役場や病院など町の中枢が被災。1階が全て冠水した吉成病院の吉成尚院長は「大子町というのは器みたいな形をしていて、いわゆる町の中心が低くなっている。幸い2階の入院棟は動いているので、少しずつ復興していこうと思っています」と話した。

 同町の介護施設『やすらぎ』は、200m離れたところにある久慈川が氾濫したため浸水した。「窓ガラスに水の跡が残っていて、僕の腰よりも少し高い位置まで水が達したことが分かる。変圧器も浸水したため、水と電気を利用することができない。ただ、台風が来る前に1階部分を利用していた37名分のベッドをエレベーターで上げたため、1人の人的被害も出さなかった」。
 
 安達栄治郎施設長は「私が心配性ということもあり、警報、注意報が出たら誰が何を言おうと行動すると普段から思っていたので、今回も早めに決断ができたように思う。休日だったが、"全員を上げてください"と、解釈にぶれがない言葉で指示を出した。主に火災の訓練はやっていたが、水害を想定してはやってはいなかった。それでも役に立ったことは間違いない」と話す。

 「飲料水はボランティア団体様から頂いたので間に合っているが、生活用水がないので、利用者様の清潔や健康状態に悪影響が出るのではないかということを心配している。また、調理器具が今は使えないので、できるだけ簡単な調理でできる副食の充実をしたい。すでに精神的なストレスから不安を訴える方も多い。消毒の問題も気になる。片付けや泥の排出後、感染症の危険性があるので、消毒をしたい。また、インフルエンザの流行に備えて予防投与するタミフルがなくなってしまったので、補給をお願いした」。

 取材にあたったイケキャス.の青峰佑樹は「日中は21℃で日差しもあり暖かかったが、現在(15日21時過ぎ)は11℃まで下がっていて、風が冷たく、非常に寒い」と、報道の少ない被災地のこれからを慮っていた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)