10年不倫のひどい結末。彼の妻は「笑いながら見てたわよ」と…
 「彼が本当に愛しているのは、奥さんじゃなくて私なんだ」。不倫している人はそう信じていたりしますが、何かのきっかけで、その幻想がブチ壊されてしまうこともーー。男女関係や不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんにレポートしてもらいました(以下、亀山さんの寄稿)

◆ダブル不倫を10年続けた女性の告白

 ダブル不倫はときとして長く続いてしまう。お互いに家庭を第一にしながら、慎重に恋愛感情を育てていくためだ。家庭は生活、恋愛は自分の素を出せるところ。そんなふうに割り切っている女性たちも少なくない。

 だが、ダブル不倫が相手の妻にバレたとき、なんと彼が離婚・再婚していた事実が発覚した女性がいる。

 カヤさん(43歳)は、独身時代から5歳年上の男性とつきあっていた。知り合ったのは25歳のとき。仕事関係だった。そのときすでに彼は結婚していたが、彼女はどうしても彼と別れたくなかった。

「それでも私だけがつらい思いをする恋愛だとわかっていたので、3年後、彼と別れて、私を好きだと言ってくれた学生時代の同級生と結婚したんです。長い間友だちだったので何でも言えるし一緒にいて気が楽。結婚するならこういう人がいいのかなと思って」

 ところが出産後、彼と再会、関係が再燃してしまった。今度はお互いに家庭があるから、別れる理由も見つからない。

「彼は別れてから私のことが本当に好きだったとわかったと言ってくれた。私もそう思っていました。私は彼と結婚したいわけではなかったけれど、恋愛するなら彼だったんです」

 互いに惹かれ合っていることを確認し、今後は家庭を優先しながら続けていこうと意見が一致。以来、10年にわたる関係が続いていた。

「彼とつきあってさえいければいい。そう思っていました。一方で、彼に会えるという励みがあるから、仕事も家庭もがんばれた。夫ともうまくいっていました」

◆彼の妻からとつぜん告発されて

 1年ほど前、ある日突然、彼の妻から電話がかかってきて呼び出された。妻にバレたことはわかったが、会う前に彼と連絡をとりたかった。ところが彼の携帯はつながらない。メールにもSNSのメッセージにも反応がない。

 一度だけ公衆電話からかかってきたが、彼は「ごめん、本当にごめん」というだけで話は前に進まなかった。

「そんな状態で彼の妻に会うことになって。不安でした。若いんですよ、彼の奥さん。会うなり300万円を要求されました。『いやならダンナさんにばらすだけよ』と。私が何も言えずにいると、『あたし、結婚して3年なの。知ってた?』と。私は呆然としていたと思います。だって、彼は20年前に結婚したはずなのに…」

 彼の妻の話をまとめると、彼は28歳で結婚したものの、40歳で離婚。結婚期間中につきあっていたのが今の妻。彼女は一回り年下で、結婚する気はなかったが、彼がどうしても結婚してほしいと懇願(こんがん)したのだという。さらに彼は38歳のとき会社を辞めて友人たちと起業、それが軌道にのって今は経済的にも安定。

「前妻さんとの間の子どもたちにかなりの養育費を払ってるの。まあ、私も好きなようにお金を使わせてもらっているけど、と彼女は勝ち誇ったように言いました。彼が離婚して再婚していたことも、起業していたことも知らなかった。私は彼の何だったんだろうと落ち込んでしまって……」

◆「笑いながら見てたわよ、私」

 結局、知り合いの弁護士に間に入ってもらい、100万円を支払うことになったが、彼女としてはこれまで10数年にわたる彼との関係がどういうものだったのか、考えても考えても答えが出ずに苦しんでいる。

「彼の妻は、『結局、遊ばれただけなのに、あなた、いつもうちの夫に愛してるだの本気だのってメッセージ送ってきてたでしょ。笑いながら見てたわよ、私』と。彼の携帯、ずっと奥さんに見られていたんですね。『私が、“ボクも好きだよ”って書けと指示したこともあるのよ』と言っていました。それは本当なのか、私を貶(おとし)めるための芝居なのかわかりませんが、自分の気持ちが踏みにじられたことが悔しくてたまらなかった」

 恋愛関係における自分のまごころを、たとえ相手の妻とはいえ他人に知られて蹂躙(じゅうりん)されたときのショックは想像を超えるものだろう。

「不倫なんてしてはいけないと思っていた。それでもお互いに好きだから止められなかった。そう思っていたのは私だけだったんです」

 以来、彼女は心身ともに不調を感じ、病院通いが続いている。彼が離婚や起業についてなぜ彼女に言わなかったのかは謎のままだ。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数