「女装男子」「男の娘」の乳首を隠す規制、さらに厳しく?(画像はイメージ)

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日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)88」が2015年8月14日から16日まで開催され、55万人が来場する大盛況で幕を閉じた。最終日は過去最高タイとなる21万人でにぎわったが、ツイッターではある「事件」が注目された。

それは、男性なのに女性に見える「女装男子」「男の娘」と呼ばれる作品のキャラの乳首を隠すことになった、というものだ。女性キャラの乳首はポスターやチラシなど人目の付くところには出してはならない、という「規制」はあったが、男性キャラには適用していなかったのになぜだ、と驚きが広がった。

「どんどん表現が狭められていく」

2015年8月16日、ツイッターで出展者と思われる人物のこんなつぶやきがコミケファンたちを驚かせた。

「女装少年のポスターの乳首は今まで隠さなくてもOKで、今朝もブロック長に確認してもらったんですが、お昼に警察から指導が入ったらしくて今後女装少年のポスターも乳首隠した方が良いらしいです」

隠すように言われたのはポスターのような掲示物、上半身だけのグッズなのだという。また、本の表紙や、全身が描かれているものは規制対象ではなかった、と説明した。

これに対しネットでは、

「3日目に何気に島中回っていたら女装少年のポスターに修正が入っていたので、『あれ?以前は少年はOKだったよな』と思っていたら、今回からの規制なのね・・・」
「女装・男の娘すら対象になるとは、どんどん表現が狭められていく」
「女装少年の乳首の価値が上がったという事か...日本最高だな」

などといった騒ぎになった。

これは事実なのか。コミケを運営するコミケットに取材を申し込んだが、

「担当者は不在で、コミケが終了したばかりのため取材を受けるのは難しい」

ということだった。

クオリティーが上がって男か女か分からなくなった

コミケに出品される作品といえば卑猥で激しい性表現がし放題というイメージがあったが、運営側は年々規制を強めてきた。ポスターや幟など、人目に付きやすい展示物には女性キャラの裸や性表現は使えない。監視員が作品を全部チェックし、不適当と判断すれば作品の修正を指導、販売を認めないこともある。

特に2013年はワイセツ表現への厳しい規制強化策を打ち出していて、商業誌に準じていないものは認めないとした。13年12月の「冬コミ」では、従来なら5枚ほどしか出していなかった「販売停止カード」が140枚以上も出され、現場が混乱する状況にもなった。規制強化はコミケを弱体化させるとの批判が出る中で、なぜか、男性キャラの裸については強い規制は及んでいなかった。

「女装男子」や「男の娘」の乳首を隠す規制について、ノンフィクションライターの杉浦由美子さんは想定内の流れであり、これからは更に厳しさが増すのではないか、と見ている。というのも作品のクオリティーが高くなって、女装男子といっても女性と見分けが付かなくなっているものもあるからだ。

例えばAV業界でも同じで、大島薫という「男の娘」が凄い人気で「AV女優」として活躍している。見た目が女の子そのものであり演技も他のAV女優に負けていない。

「表現として男と女の差が分からない状態ならば、男性の乳首を出すのはOKで女性はダメとなると、それはそれで理不尽に感じられます」 

そう杉浦さんは話している。