【2011年、ラモス瑠偉は最愛の夫人、初音さんを失った。今回は趣向を変えて女性読者向けに、初音夫人から何をしてもらうのが一番うれしかったかを告白する】

担当からこのコラムの読者で女性の数が増えていると聞いたよ。女性のみなさん、ありがとう。愛してるよ(笑)。

みなさんに役立つことを何か書いておこうと思う。僕が何をされたとき、うれしかったかという話はもしかしたら、これから使えるかもしれないね。

僕は勝負の世界に生きていて生活の中心はやはり試合だった。勝敗で機嫌が変わることもあったと思う。でも、うちのカミさんは、そんなことに気を遣わない人だった。いつも自然にしていてくれたから、それはよかったな。ただ、負けた後は「あまり外に遊びに行かない方がいいんじゃないの?」と言われてたけどね。

でも試合に無関心ということじゃなかった。結婚前から結婚した後もずっと試合を見に来てくれていたよ。僕は彼女のためにプレーしてた。負けていても彼女が観客席にいるんだもん、ふてくされたり手を抜いたところは見せられないよ。

帰ったら「惜しかったね、あのシュートが入っていたらね」なんて話の後に「でも最後まで走ってたね」と言ってくれてた。オレはそれを聞くために頑張ってたよ。そう言ってほしくて一生懸命トレーニングしてた。勝ったときは家に帰ると「よかったね」と喜んでくれる。それを聞いて「これで明日は朝まで遊びに行ける」と思ってた(笑)。監督になった後は、選手やコーチを家に呼んで料理を振る舞ったりしてくれてたな。そしていらいらする自分を諭してくれたりしてた。

これが僕がカミさんからしてもらって、うれしかったこと。みなさんも彼といい関係を築いてくださいね。