一青窈

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 今月5日、前作「&」より2年3ヶ月振り4作目となるアルバム「Key」を発表した一青窈。今月3日には東京文化会館・小ホールにて、東京交響楽団の常任指揮者・大友直人プロデュースによる「POPULAR WEEK」に、プロデューサー・武部聡志氏とともに出演した。

 わずか600の客席を前に、ライブは二部構成で披露。武部聡志のピアノに乗せ、「一九七六年、九月二十日、台湾人の父と日本人の母の間に私は生まれました」と自らの生い立ちを朗読劇のように綴る「年年歳歳」から第一部の幕が開けた。続く「ぱぱへ」では、幼い頃に父親と離れて暮らし、当時の寂しさを埋めてくれた日記のような手紙が、現在の歌詞の原形になっていると告白。放課後の音楽室で先生に教えてもらった曲を一人で歌った小学生時代の思い出「あこるでぃおん」、初めて付き合った彼と手を繋げないまま歩いた切ない恋物語「かざぐるま」へと続いていった。

 思い出をたくさん残してこの世を去った父と母への思いや、一人でも自分の歌を聴きたい人がいるのなら歌い続けようという決意。第一部の最後は、「26才の時、私の思いがすべて流れていく素敵な曲と出会いました」と、デビュー曲「もらい泣き」で締めくくった。

 第二部は打って変わって、ギター、パーカッション、弦楽四重奏の音色が加わり、「Key」収録曲を中心に披露。「Key」と「ドミノ」では、身体全体で軽やかなリズムを刻む彼女に合わせて、自然と客席から手拍子が沸き起こった。ひなまつりのこの日、一青窈が会場の女性客にピンク色の花がついた桃の木を手渡しでプレゼントすると、会場は温かいムードで包まれた。「ハナミズキ」などでは手話を披露し、自らのメッセージを視覚的にも表現。アンコールではマイクを通さずに「アリガ十々」「望春風」を自らの肉声で歌い上げ、感動の内に幕を下ろした。

 なお、このライブの模様は今月15日18時半から20時まで、WOWOW「一青 窈 スペシャルライブ」にて放送される。

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