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栃木県の強盗殺人事件について、現場にも行かれた元神奈川県警捜査1課長の鳴海達之さんに、次の3つのポイントについてうかがいます。

1.容疑者の“スピード逮捕”
2.これまでの“トクリュウ”との違い
3.今後の捜査は?

■カギは最初に逮捕された“実行役” 現場から見えた事件の特徴は?

1つ目「容疑者の“スピード逮捕”」についてです。

警察は事件発生当日の先週14日、実行役とみられる16歳の少年1人を逮捕しました。翌日の15日には別の16歳の少年を逮捕し、その翌日(16日)には、また別の16歳の少年2人を逮捕しています。17日には、指示役とみられる20代の夫婦を逮捕しました。

今回、日ごとに、次々と逮捕されているのですが、このように「スピード捜査」のようにもみえる点について、鳴海さんどうみていますか?

神奈川県警捜査1課長・鳴海達之氏
「この4日の間にこれだけの被疑者を逮捕するというのは、なかなか速度的にはやい。スピードは本当に出ていると思う。これは栃木県警の捜査本部でやっていますが、そこだけでできる話ではなくて、逃げる途中の警視庁であるとか、神奈川県警であるとか、そういったところの広域捜査が功を奏しているのだろうと思う。それにプラスして、今回は“トクリュウ”の事件ですから、“トクリュウ”に特化した取り締まりのチームがありますので、それらも私は投入されていて、こういったスピード逮捕につながっているのかなというふうには思います」

斎藤佑樹キャスター
「鳴海さんは今回、現場にも行かれたと思うのですが、そこで見えたものは何かありますか?」

鳴海達之氏
「今までの“トクリュウ”と言われているものは、2年前の関東で連発した事件を思い起こすと思うんですが、ほとんど夜の犯行なんです。それがこう白昼堂々になったというのは、なぜなのか。そこはいろいろな疑問があるんですが、やはり夜間に比べて、白昼というのは逮捕されるリスクが非常に高い。隠れる場所がありませんし、人目にもつきやすい。だからそれをあえてやるところに、何かの背景がなければ、こんなことはできないだろうとは思う」

■“実行役”ら 顔見知りで捜査すすむ

続いて、2つ目「これまでの“トクリュウ”との違い」についてです。今回のこの事件、警察は「匿名・流動型犯罪グループ“トクリュウ”」の可能性も視野に捜査しています。

逮捕された高校生4人のうち、3人が知人や元同じ学校の同学年という関係性がみられています。この点について、これまでの“トクリュウ”に関連する事件との違いというのはありますか?

鳴海達之氏
「今までの“トクリュウ”はSNSで募集をかけ、知らないものがみんな募集に応じて、SNSに投稿してくる。だから、集まった人間って誰が誰だか全く分かっていない。そこに匿名性が高いと言われているゆえんがあるんですけれども、今回の形は仲間が仲間を呼ぶから、そこに匿名性はちょっとあるんですけど、SNSで知らない人が集まるのとは、ちょっと匿名性の度合いが違うのかなというふうに思う」

そういったつながりもあった点から、スピード逮捕にも至っていたというところですよね。

鳴海達之氏
「そうですね。匿名性がなければこういうふうに、言っちゃ悪いんですけど、芋づる式に出てくるわけですよね。自供すれば次の共犯者にたどりつく。そして、また自供して次の共犯者にたどりつく、というふうになっていきますから」

■“指示役”の上にさらなる組織? 今後の捜査のポイントは?

最後に3つ目「今後の捜査は?」です。現在も捜査は進められていますが、今後の捜査のポイントはどのような点になってくるのでしょうか?

鳴海達之氏
「そうですね。指示役といわれている夫婦がいますが、ちょっと私的には、この人たちは指示役というよりも、ちょっと実行役に近いような感じだろうと思う。ですから、この上に当然、何人か上層部がいるので、そこまで突き上げ捜査をやっていかなければならないわけなので。こういった組織を壊滅するには、どんどん、どんどん突き上げをやっていくしか、今はもうやり手がないので、やはりスマートフォンの解析であるとか、供述を得るための取り調べであるとかというのを重点的にやっていかないと、なかなか捜査は難しくなってくるのかなとは思います」

現在逮捕されているそのさらに上に、どういった組織があるとみられていますか?

鳴海達之氏
「そうですね、もともとこういう組織というのは、準暴力団がヒエラルキーの頂点に立っているとは言われていますが、やはり、バックには暴力団組織がいますので。そういった組織に関連するのか、組対でやってはいますけれども、警察のあらゆるものであるとか、やはり、オールジャパンでやっていかないと、なかなか実態の解明というのは難しくなるんだろうと思います」

今回の事件、住人の女性が亡くなっている強盗殺人事件です。こういった事件に、なぜ少年たちが関わってしまったのか、この辺りも気になりますがどうでしょうか?

鳴海達之氏
「そうですね。少年たちは特性からいって、だまされやすいですし脅しやすい、そういった面があるんですね。やはり社会的な経験値も少なければ知識も少ないわけですから。だから、相手から脅されれば、もうロボットとか操り人形みたいになってしまって、自分の身を守るためには人の命だって奪う、というふうになってしまう可能性は十分に考えられますよね。今回の例がそうだったと思うんですが」