地方移住の相談件数は驚異の43万件超えで過去最多を更新…都会からの脱出を目論む「地方移住検討者」が選んだ〈人気移住先ランキング〉TOP3【都道府県版】
総務省「令和6年度における移住相談に関する調査結果(移住相談窓口等における相談受付件数等)(令和7年11月14日)」によると、2024年度の移住相談件数は約43.3万件で過去最多を更新しました。では、地方移住を検討する人たちはどのエリアを狙っているのでしょうか。株式会社カヤックが提供するプラットフォーム「スマウト」で発表されたランキング結果をもとに、「人気移住先ランキング2025【都道府県版】」TOP3を紹介します。
約9万人が興味を持つ「注目の移住先」は…
満員電車や限られたパーソナルスペースなど、都心の暮らしは便利な一方、少し窮屈さを感じる場面も少なくありません。止まらぬ家賃高騰も相まって、「地方移住」やUターン、Iターンを検討する人も増えています。
総務省「令和6年度における移住相談に関する調査結果(移住相談窓口等における相談受付件数等)(令和7年11月14日)」によると、各都道府県および市町村の移住相談窓口等において受け付けた相談件数は全体で433,810件(窓口:336,034件、イベント:97,776件)とななりました。これは前年度から25,375件増加し、過去最多の相談件数とのことです。
では、移住候補先として特に注目を集める都道府県はいったいどこなのでしょうか?
地域に関わりたい人と、受け入れたい地域が“直接つながる”ことを目的としたプラットフォーム「スマウト」を運営する面白法人カヤック(株式会社カヤック)が発表した「人気移住先ランキング2025【都道府県版】」から、TOP3を抜粋して紹介します。
【調査概要】
・集計期間:2025年4月1日〜2026年3月31日
・「興味ある」総数:10万1,855件
・参加地域数:日本国内635地域
※ 国内外の登録地域数1,186のうち、期間内にプロジェクトを公開した地域。
・ユーザー数:9万1,292人
※ LINEの友達登録者を含む。
・累計プロジェクト数:5,218件
※ 期間内に地域が発信した情報に対し、スマウトユーザーが「ファボ(興味ある)」した数を集計し、ランキング化したもの。
※ 上記はすべて2026年3月末日時点の情報。
第3位:石川県
(石川県金沢市/PIXTA)
第3位にランクインしたのは石川県でした。都市部と比べて通勤時間が短い傾向にあり、日々の暮らしにゆとりを持ちやすい地域です。医師数や病床数も人口規模に対して十分に確保されており、医療アクセスの安定性が評価されています。
県の「いしかわ移住支援事業」に加え、金沢市の「シェアハウス再生空き家活用事業」、空き家を探す人の希望条件を公開する小松市の「さかさまバンク」、最大5日間、宿泊費・光熱費がすべて無料の羽咋市「移住体験住宅」など、自治体ごとに独自の取り組みが進んでいます。
また、金沢市はその人口規模に対して文化施設数が多く、食の満足度調査でも常に上位に入るなど、自然・文化・生活基盤のバランスがよく、安心して暮らせる環境が整っています。
第2位は、手厚い支援制度を提供する“懐の深い県”
第2位:高知県
(高知県土佐市/PIXTA)
第2位にランクインしたのは高知県でした。森林率は80%を超え、年間降水量も全国トップクラスと、温暖な気候と自然環境の豊かさが際立っています。
生活面では、平均通勤・通学時間が短く、渋滞や満員電車のストレスが少ないことが特徴です。若年単身世帯の支出が全国2位と低く、生活コストの面でも優れています。
また高知県では、無料会員制度「高知家で暮らし隊会員制度」でU・Iターンに役立つ情報を提供しています。そのほか、移住支援金制度や交通費等助成制度など、県の移住支援策が充実。さらには、馬路村の「出会いサポート事業補助金」や中土佐町の「奨学金返還支援制度」など、自治体独自の支援策もあるようです。
自然・気候・生活コスト・働きやすさが揃い、満足度の高い移住先といえるでしょう。
第1位:長野県
(長野県佐久市/PIXTA)
第1位に輝いたのは、長野県でした。日本第4位の広さを誇る同県は、北・中央・南アルプスに囲まれた雄大な自然が最大の魅力で、東京から新幹線で約1時間とアクセスのよさも高く評価されています。移住者数は2024年度に3,747人と過去最多を更新し、7年連続で増加しました。
また、県が実施する「UIJターン就業・創業移住支援事業」のほか、高校生まで医療費が全額補助される王滝村「福祉医療費給付事業」や、空き店舗などを利用した店舗開設のための工事費を補助する須坂市「わざわざ店等開設支援事業」など、自治体独自のユニークな支援制度も充実しています。
自然・アクセス・子育て環境がそろい、幅広い世代にとって暮らしやすい地域といえるでしょう。
「人気移住先ランキング2025【都道府県版】」TOP3
「人気移住先ランキング2025【都道府県版】」TOP3は、長野県を筆頭に、高知県、石川県という結果となりました。長野県は前年に続いて1位を獲得しており、その人気の高さが改めて示された形です。
前述のとおり、地方移住に関する相談が過去最多を更新する一方、帝国データバンクの調査では2025年の人手不足倒産が3年連続最多を記録しているほか、企業の半数超が正社員不足を感じるなど、特に若年層流出が続く地方では人材確保が急がれます。
こうしたなか、「移住転職」という仕事と暮らしを同時に変える動きが注目され、「スマウト」でも観光・農業・交通・製造など多様な業種で移住転職型の求人が増えているようです。
地方移住を望む個人のニーズと、地域企業の人材ニーズがうまくかみ合い、双方にとっていい循環が生まれることが期待されます。

