「玉川徹氏はリスペクト足りない」「出演依頼は2日前」『モーニングショー』舌戦の常見教授が語った“真相”と“その後”…TVer配信はスルー
「ほんとに真相をお話するので、何から何まで聞いてください」
そう答えるのは、労働社会学が専門の千葉商科大教授・常見陽平氏(52)。“あの騒動”の渦中の人だ。
4月23日放送の羽鳥慎一アナ(55)がMCを務める情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)は、『変わる働き方』をテーマに昭和と令和の世代間ギャップを特集。すでに新入社員の退職が相次いでおり、退職へと至った経緯などを紹介した。騒動が起きたのは、上司や先輩が過剰に配慮することで、新入社員が“成長の機会を奪われている”と感じるという『ホワイトハラスメント』について取り上げたときだった。ここで常見氏と同番組のコメンテイターを務める玉川徹氏(62)との舌戦が繰り広げられることに――。
常見氏は「成長したい若者がいる」とし、「上司への負担」と「会社がいかにして上司を育て、守れるのか」といった視点で解説した。すると、玉川氏は自身が「上司の言うことを聞かない新入社員だった」とし、そのため周囲と軋轢が生まれたが「生き残る人間しか生き残らない」「辞めるやつは辞めちゃう」などと持論を展開。これに、常見氏は「全く賛同しない」と真っ向否定した。
続けて常見氏は「精神論で世の中を見てはいけない」とし、「普遍的な仕組みがないと職場が不幸なまま」「とくに苦しい思いをするのは若者」だと反論。すると、玉川氏は「僕らの若いころやその前の世代も、みんな苦しい思いをしていた」「今の若者だけが苦しい思いをしているというのは、甘やかしでは?」などといった見解を述べた。このやりとりで、スタジオが凍りつく事態に――。
常見氏は玉川氏との舌戦について、こう振り返る。
「玉川さんの言ったことは“ご意見”なんですよ。それはそれでいいんだけども、自分の経験談とか精神論だけで語っちゃうんだったら、僕のような専門家がいる意味がないじゃないですか。だから僕は専門家として誠実に答えました。大きな影響力のある番組で間違ったことが流れてしまうのは困りますから。持論ではなく、理論で解き明かしたいのです」
“評論家として正しいと思ったことを言っただけのこと”とした常見氏。さらに、玉川氏には伝えたいことがあるとも。
「玉川さんはやっぱり率直に視聴者や、他の出演者、番組スタッフに対するリスペクトが足りないんじゃないかと思います。ディレクターと打合せをして、番組で建設的な話をしようと有識者がプレゼンする中で、単なる持論で全否定されても困りますよ。
あと番組の最後、玉川さんからは“テレビ局なんて残業、徹夜が当たり前なんだよ”みたいな発言もありました。’13年にNHKで佐戸未和さん、’15年には電通で高橋まつりさんの過労死問題があったにもかかわらず、メディア関係者である玉川氏がなぜ軽々しくあんなことを言えるのか。あのとき、この問題についてどう考えているのかを彼に聞くべきでしたね」(前出・常見氏、以下同)
同番組では、別の騒動も起きている。
それは、最低限の業務だけに携わる『静かな退職』のテーマでのこと。常見氏は『静かな退職』に至る原因として「若者は会社がまともなビジネスをやっているのかどうかを考えている」とした。その流れで、番組アシスタントの松岡朱里アナウンサー(24)に「毎日、僕ら国民からすると、京都の殺人事件をこれだけ報じないといけないのかと思うんですよね。どう思います?」と問いかけたのだ。すると、羽鳥アナが「それは後にしましょう」と注意され、玉川氏からも「それはいま彼女に話させるのはすごくリスキーですよ。かわいそう。そんなこと聞くべきじゃないですね」と釘を刺されたのだ。
松岡アナへの問いかけは、一部から常見氏に対する批判の声もあがっていたが……。この件について、常見氏はこう振り返る。
「パワハラだとか、炎上狙いでやったでしょとか、なんであんなヒステリックな質問したのかとも言われました。でも、伝わらないかもわかりませんが、僕のなかでは『静かな退職』と繋がっているんです。京都男児殺人事件を過剰に報じるメディアはまともなのかって。それで、同放送で自分なりに見解を述べたりしてくれていた松岡アナに意見を聞きたいと思いました。無気力感を抱いていないのかって」
放送後、常見氏には「よくぞ聞いてくれた」と支持する声も多く届いたという。
「“局における女性アナの位置づけに風穴を開けてくれた”って言われました。あの時の松岡アナのフォローのされ方を含めて、“ああ、女性アナの立場ってこうなんだな”って可視化されたんだと思います。“飾り物扱い”していると。“女性アナに答えられるわけがない”みたいことって、僕はおかしいと思います」
常見氏は同番組について“やっぱり予定調和感がある”と指摘。
「中高年の視聴者にとっての居心地の良いものになっているんだろうなと思います。僕は同番組に場違いだったかものしれませんが、その場違いな空気を作ったのは誰なのかって。それはみなさんにお判断を任せしますけど」
騒動の“その後”はというと……。
「番組側からは抗議も謝罪も、そして事務的な手続き含めて今、まったく連絡は入っていません。担当ディレクターの方は大変素晴らしい方でした。丁寧な取材でしたし、僕の意向も聞いてくれたし。まぁ、オファーは放送の2日前で結構直前でしたけどね」
“また出演依頼が来たら?”の問いには、
「あ、受けますよ、僕。出禁になっていなければ(笑)。まぁ出禁になったかどうかってわからないものなんですが」
常見氏が登場した放送回は、見逃し無料配信サービス『TVer』にいまだにアップされていない――。
常見陽平
1974年生まれ。北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒.同大学大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、ベンチャー企業、フリーランス活動を経て、現在、千葉商科大学基盤教育機構教授、評論家。
主著『日本の就活』(岩波新書)、『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社新書)、『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版)、『50代上等!──理不尽なことは「週刊少年ジャンプ」から学んだ』(平凡社新書)など
