世界中からセレブが集まるドバイの現在は、今……

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 日本社会の現状に、「遅れてる! 海外ではありえない!」なんて目くじらを立てている人もいますが……。いえいえ、他の国の皆さんも有名人や王室ゴシップや下ネタは大好きで、若者はおバカなことをしでかすし、高齢者は変なこだわりで周囲を振り回すし、しょーもない男女のケンカも日常茶飯事なんですってば! そんな、「衝撃」「笑える」「トホホ」がキーワードの世界の下世話なニュースを、Xで圧倒的な人気を誇る「May_Roma」(めいろま)こと谷本真由美さんに紹介していただきます。人間の思考回路や行動なんて、基本は一緒なんです!

 世界が中東情勢の動向を見守るように、イギリスでも原油や天然ガスの価格が高騰するといった報道が、連日報じられています。深刻化しないことを願うばかりですが、イギリス人はドバイのインフルエンサーについてだけは、少し違った角度から心配しています。

ドバイにいるインフルエンサーの謎

 というのも、インスタグラムなどを見ると、ドバイに渡ったインフルエンサーたち─ヒアルロン酸を大量注入したからか、唇が素晴らしくプルプルになった女性たちが、飛んでくるミサイルやドローンを見て、「何アレ〜!? 花火みたいィ〜!」と能天気に配信していることが珍しくありません。シンプルにおバカである可能性もあるのですが、実はこれ、彼女たちにとって苦肉の策である可能性があるんですね。

 ドバイには、「ゴールデン・ビザ」という、5年または10年の長期滞在ビザがあります。同ビザは、投資家や起業家、専門家向けの「条件付き特別在留」なのですが、クリエイターやインフルエンサーメディア関係者が取得しやすい制度になっています。

 UAE政府が「クリエイティブ業界」を戦略的に育成する一環としてこのような優遇をしており、報酬を目的としたプロモーションを行うインフルエンサーには、「広告主許可証」の取得も義務付けています。ざっくり言えば、インフルエンサーとして活動するには、ビザとライセンスの両方が必要というわけです。

 裏を返せば、政府の監視下にあるわけですから、UAEに対して違法・不適切な行為をした場合、さまざまな罰則やペナルティーが適用されます。しかも近年は、SNS上の発言に対して裁量が広く、治安・社会的安定を損なう発言は、「国家安全に関わる行為」として取り締まられる可能性があるといわれています。

 そうです。彼女たちは内心、「ドバイ、ヤバっ! 超危険なんだけど!」と思っていても、ネガティブキャンペーンをするわけにはいかないので、「花火みたいィ〜!」と、ヒアルロン酸入りのアヒル口で発信している可能性があるのです。

 恐ろしいのは、インフルエンサー・SNS関連の場合、国家・社会を混乱させる投稿に対して、日本円にして最大約200万円規模の罰金。国家・名誉・宗教に関するオンライン犯罪の場合は、最大約1000万円の罰金が科されるケースが存在するということです。戦争が激化してしまったとき、インフルエンサーたちは“何をどう伝える”のでしょうか……。

谷本真由美 たにもと・まゆみ 1975年、神奈川県生まれ。著述家。元国連職員。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。X上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いポストで人気を博す。著書に『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズ(ワニブックス【PLUS】新書)など著書多数。

構成/我妻弘崇