「ハッキリ言って、なめられているんですよ」ゲーム会社社長が明かす、“不合格”になった就活生の“ヤバい提出物”
ゲーム開発会社志望者の「合格率」を調べると、平均してわずか1.9%という非情な数字が浮かび上がってくる。大手になれば合格率1%未満という会社もざらだ。
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しかし、『NARUTO ナルティメット』シリーズなどで知られるゲーム制作会社・サイバーコネクトツーの松山洋社長は、「やるべきことさえやっていれば誰でも入れる。ハッキリ言って、業界がなめられているだけ」と語る。その言葉に込められた真意とは――。同氏の著書『ゲーム業界の攻略法』(KADOKAWA Game Linkage)の一部を抜粋して紹介する。
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今回、本書を執筆するにあたってパブリッシャーやディベロッパーを含めたゲーム開発会社の皆様に連絡をしてアンケートに協力していただきました。
それによってわかったことがあります。ゲーム開発会社の合格率はなんと1.9%です。
多くの方が全国のゲーム系専門学校や大学に通って、勉強して就職年度を迎えて就職活動をやった結果が、こんな感じの実情なのです。
これが(残念ながら)非情な現実です。

写真はイメージ ©AFLO
参考までにお伝えしておくと、サイバーコネクトツーの合格率は年度にもよりますが、だいたい3%から5%程度です。年間で1000件の応募があったとして合格者が30人から50人という計算になります。
今回のアンケート結果はそれよりも厳しい結果となりました。
ちなみにサイバーコネクトツーよりも大きい大手企業(ゲームメーカー)なんかだと、採用人数40名程度の募集に対して応募総数は6000件を超えている会社もあります。
そうなると合格率はなんと1%未満である、という現実が見えてきます。
こうして見ると「やっぱりゲーム業界は狭き門なんだなぁ」と思わざるを得ません。
本当にゲーム業界は狭き門なのか?
応募総数に対する合格率だけで見てしまうと、1.9%なので事実として狭き門である、と言わざるを得ないのですが。本当にそうなのでしょうか。
私の肌感覚で言えば、「やるべき準備さえ整えていれば、ゲーム業界は決して突破困難な場所ではない」というのが本音です。
そんなに多くのことは求めていないんです。ゲームソフトを開発するために必要な技術と知識が基礎レベルで備わってさえいれば、十分に合格出来ます。なのに実態は合格率1.9%になってしまっています。
いったいどんなカラクリがあると思いますか?
まぁカラクリなんて言葉が相応しくないほどに悲しい実態がそこにはあるんですよ。
不合格者のポートフォリオの一例
ちょっと語彙が強くなってしまうかもしれませんが(けどそれくらい強く伝えないと伝わらないので言いますね)、ハッキリ言ってゲーム業界を志望する人のほとんどがゲーム業界のお仕事のことをよく知らずにわからずに、なんとなくという認識の中で応募してしまっている、ということです。
不合格になってしまう人のほとんどがテキトーに考えています。
なんなら「ワンチャン、イケっかな、無理なら別にいいけど」くらいの感覚、と言うとまた「言い過ぎ」と叱られてしまうかもしれませんが。
不合格者の中にはポートフォリオ(作品集)の中にオラフ(映画『アナと雪の女王』に登場する鼻が人参で出来た雪だるまのキャラクター)のイラスト1枚だけを描いて送ってくる人もいらっしゃいます。
「どうですか? ボクには才能ありますか? やっていけそうですか? 良かったら評価してください」
真剣な眼差しでそうおっしゃるんですよ。
厳しいようですが、ここはあなたの才能を鑑定する場所ではなく、プロとして何ができるかを提示する場所です。
なんとなくわかってきましたか?
ハッキリ言って、なめられているんですよ、ゲーム業界は。
言葉がさらに強くなってしまいますが、事実というかこれが実態なのでやっぱり伝えるしかありません。当たり前の話をしますよ?
「ゲーム開発会社のお仕事はゲームソフトを開発して完成させて販売することなんです」
なので採用出来る人材は、一緒にゲーム開発が出来る人ということになります。
それなのに、ゲームソフトを開発したことがない、プログラムもCGの勉強も最低限の基礎力すら身につけていないし、そもそも何をすればいいのかも調べていないし(だから)わからない、という人ばかりなのです。
「いや、だったらゲーム系専門学校の先生たちは何をしてるの? なんで指導しないの? おかしいでしょ?」
きっと、そう思われますよね。
学校の先生たちは指導していますよ。ちゃんとわかる言葉で伝えるべきことは伝えています。「ここまでやらないと無理だよ」と。
それでも学生さんの方が「そこまでやらなくても大丈夫だろう」と根拠のない自信で足踏みしてしまっている。この危機感のなさが合格率を下げている要因のひとつです。
〈本業はゲーム開発なのに…? “某有名ゲーム開発会社”の代表取締役がわざわざ年間約100回の学校講演を行っている“意外なワケ”〉へ続く
(松山 洋/Webオリジナル(外部転載))
