金子玲介『私たちはたしかに光ってたんだ』刊行 バンドと人生が交差する物語
金子玲介の最新長編小説『私たちはたしかに光ってたんだ』(文藝春秋)が4月9日(木)に発売された。
【画像】『私たちはたしかに光ってたんだ』への書店員の熱いコメント
『死んだ山田と教室』でデビューし、同作が2025年本屋大賞にノミネートされるなど注目を集める新鋭・金子玲介。自身6作目の単行本作品『私たちはたしかに光ってたんだ』は、〝青春の途轍もない光〟と、その濃い影に沈む〝大人になった現在〟を描く長編小説だ。
事前にプルーフを読んだ書店員から「最高以上の言葉が見つからない」「夢をもったことのある人への力強い応援歌だ」など熱い応援の声が多数届き、発売前に重版が決定した。4月に刊行記念イベントとして、金子玲介と井上先斗のオンライントーク、サイン会、児玉雨子とのトークイベント&サイン会の開催も決定している。
大好きなバンドを辞めた。大好きだから、辞めた。高校生の瑞葉(みずは)がクラスメイトの朝顔(あさがお)に誘われて結成したバンド〈さなぎいぬ〉。4人の夢は、いつか紅白に出ること。荒唐無稽に思えたその夢は、朝顔が初めて作ったオリジナル曲「光」を聴いた瞬間、色を変える。……10年後、26歳の瑞葉は勤め先の会社でPCを睨みつけていた。休憩時に目にしたネットニュースで、さなぎいぬの紅白初出場を知る。心から愛し、だからこそ辞めたバンドが、ついに紅白に出る。
著者の金子玲介は「鳴り止まない青春と人生の光を書きました。」とコメント。
漫画『ふつうの軽音部』原作・クワハリからは「バンドと人生、栄光と後悔、光と呪いが交差する物語に脳を揺さぶられて、一気に読み終えてしまいました。瑞葉のラストライブのシーンは、好きなバンドのライブのアンコールを観ているときのようにずっと終わらないでほしいという気持ちになりました。青春を降りた人、降りなかった人、本当はどちらの人生もきらきら輝いているんだなとそんなことを思いました。」と推薦コメントが発表された。
◼️書店員コメント紀伊國屋書店武蔵小杉店・鶴見真緒「すごい、すごい、すごい‼年の初めに、今年の本屋大賞もうこれだろ‼という作品に出会ってしまった。興奮が止まらない‼最初は、『はーんなるほどこういう青春系か、会話劇タイプね山田的なね』と余裕ぶって読んでたのですが、中盤から痛いほど心臓がぎゅっとなり、心臓をドキドキドクドク言わせながら疾走しました。最後は熱い涙が止まりませんでした。ベースが抜け、さなぎいぬはバンドとして成功するという未来は冒頭で提示されていて、挫折という苦悩と未練が描かれていくことは初めから分かっているのに、織り込み済みなのにキッチリと心揺さぶられるのは金子さんの文学的文章の完成度の高さ故だと思います。君は、音楽が好きか?君は、何かに挫折したことがあるか?君は、選ばなかった選択の未来を想像したことがあるか?――これは誰もが自分ごととして落とし込める、痛いほどの感情移入間違いなしの大傑作‼」
大盛堂書店・山本亮「たとえば自分には届かない光へ、すがりつきたくって、思い上がって、勝手に転んで、傷ついて、諦めて、ため息つきながら、でもそんな色んな捨てられない、忘れられない思い出の荷物を両手にたくさん持つことができる人は、本当に「才能」があると呼べるんじゃないか。ずっと何をしても達成感に満たされずに悩んでも、それでもあんたは大丈夫と励まそう。自分の不甲斐なさに文句を言って、真剣に喧嘩して、くだらないことで笑い合いながら、自分たちをとことん愛し抜いていこう。瑞葉みたいにわたしはそんな人生を送ってきたし、これからも過ごしていく、って自信を持って胸を張ってもいいじゃないか。」
(文=リアルサウンド ブック編集部)
