美智子さまが英訳された詩「あけがたにくる人よ」 詩人 永瀬清子さんの生誕120年を記念した朗読会【岡山】
今年生誕120年となる岡山県出身の詩人、永瀬清子さんの朗読会が、きのう(28日)、岡山市北区で開かれました。
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永瀬清子さんは、1906年、現在の赤磐市に生まれ、金沢や東京などで過ごした後、ふるさとに戻り、農業や家事、育児に従事しながら、89歳で亡くなるまで詩を書き続けました。
永瀬さんの代表作「あけがたにくる人よ」や「降りつむ」は、上皇后美智子さまが英訳されたことでも知られています。
「降りつむ」を朗読
朗読会は、岡山市北区表町の「詩人 永瀬清子とハンセン病文学の読書室」で開かれました。
生誕120年を記念して、赤磐市で行われた朗読会や詩作講座を取材した筆者(RSK山陽放送 小林章子)が、その模様を紹介しながら、「降りつむ」や「あけがたにくる人よ」など代表作を朗読しました。
若松英輔さん「上皇后さまの翻訳は言葉たり得ないところまで引き受けている」
永瀬さんの命日である2月17日ごろ、毎年、赤磐市で朗読会などが開かれています。
今年は生誕120年を記念して、永瀬清子現代詩賞の選考委員も務める批評家の若松英輔さんが招かれました。
若松さんへのインタビューを動画で振り返りました。
(若松英輔さん)
「美智子さまの翻訳は素晴らしいですね。美智子さまご自身が、とっても詩的な精神を宿してらっしゃる方だから、とっても深いところから訳されてるのが印象的ですよね」
「詩の翻訳は、言葉を記号的に置き換えるだけではやっぱり難しくて、言葉たりえないところまで引き受けて翻訳なさっていることが、上皇后様の素晴らしいとこだと思うんです。
一つの創作だって言ってもいいぐらいだと思います、僕。もちろん翻訳なんだけども、翻訳ってのはやっぱり一つの創作なんですよね。
そういうことを促すぐらいの力が永瀬さんのあの詩には元々あるってことでしょう。それが素晴らしいと思う」
小池昌代さんの解説で作品がいきいきとよみがえる
今年、赤磐市が主催した朗読会「永瀬清子の詩の世界」には、作家の小池昌代さんが登壇。
永瀬さんの詩が、小池さんの朗読と解説でいきいきとよみがえりました。
(小池昌代さん)
「永瀬さんの詩は、考える思想的な部分と、ご自身の感情を詩のリズムや響きで表す才能、その二つが結びついて、他にはない独特の世界を創り出しています。
文字で読んでも面白い。声に出して読むと、言葉の響きに気づいてさらに面白い。そして、そこには深い意味がある。この3つが揃っている詩人は、なかなかいません。
永瀬さんの詩を読むと、言葉が渦になるのを感じます」
きのうの会では、小池さんが注目した詩「グレンデルの母親は」や「木陰の人」などを朗読し、詩のリズムを味わいました。
読書室の4月の予定
「詩人 永瀬清子とハンセン病文学の読書室」では、毎週土曜日午後2時から、永瀬さんやハンセン病をテーマにした講演や朗読会などが開かれています。
(予定は急遽変更になる場合もあります)
永瀬清子さんの詩の朗読会は、次回は5月23日(土)午後2時からの予定です。
