Mac版CodexアプリでAIにブラウザChatGPT)を用いた調査を依頼しているところ Image: かみやまたくみ

コーディングエージェントからナレッジワークツールへ。

2026年2月3日、OpenAIがmacOS向けアプリ「Codex」を発表しました。Codexはもともと、AIを用いたプログラム開発のためのツールでしたが…今回登場したMac用アプリは元のコンセプトから逸脱気味なのが特徴です。

端的に言えば、Codexは非開発者の活用も視野に入れた「生産性ツール」になっています。OpenAIは「コード生成とナレッジワークのギャップを埋めるツールである」と述べているのですが、軽く触っただけでその意図がわかりました。

このアプリの真価は「開発者以外の人も、“人間のノウハウ”を移植した深く思考するAIを実務に活かせようになった」という点にあります。発表内容には開発者用語が並んでいるのですが、まぁまぁミスリード気味な気が。

基本課金ユーザー向けのアプリなのですが、現在は無料ユーザーにも開放されています。AIの業務利用を考えている方は、一度触ってみることをおすすめします。

「人間のノウハウ」を「複雑な仕事もやり切るAI」に移植して使える

Codexのホーム画面。チャット欄にプロンプトを入れるとAIがいろいろやってくれるというのはChatGPTと同じだが、「PC上で動作する」という点と、「Skills」の存在が大きな差になっている
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このアプリの核となるのは、深い思考を得意とするAIモデル「gpt-5.2-codex」と新要素「Skills(スキル)」です。基本的な使い方は起動してチャット欄から話しかける。そこはお馴染みの感じなのですが…選べるモデルに差があり、独自の機能もあります。そこがChatGPTなどと決定的に異なっています。

Codexで選べるモデル。思考の深さ(Reasoning)を選べるのが大きな特徴。Extra Highの思考の長さと実現力はすごいですよ
Image: かみやまたくみ

gpt-5.2-codexはコード生成に特化したAIモデルで、非常に粘り強く、長く思考できるのが特徴です。個人的にコーディングに日々使っているのですが、数百行・複数ファイルに渡る修正作業なんかを平気でこなします。求められるアウトプットが複雑なものであっても、要件が厳しくてもやりきれる、超強力なAIです。個人的には文章を書かせたりもしてます(基本これでいいと思う)。

対するSkillsは「作業のノウハウ」が書かれた指示書です。必要に応じて読み込ませることでAIがその能力を「獲得」します。Skillには次のようなものがあります。一般的な仕事でも使えるものがかなりあるという。

ChatGPT Atlas(AIブラウザ)連携:Codex内でWeb調査を行わせることができます

PDF・ドキュメント解析:アップロードしたPDFなどを分析、要約や参照しての回答が可能です

・音声書き起こし

・動画生成:動画生成AI Soraを利用

恐ろしいのは、PC内に保存されているファイルなどを参照でき、新しいファイルの生成も可能な点です。「ネット調査ができる」「文書の分析・要約等が可能」「音声処理に対応」「動画の生成も可」とすぐには試しきれない程度に「AIにやらせたいこと」に対応済み。ものすごいポテンシャルを感じませんか?

新要素「Skills」。実態は「このタスクはこうやって」という指示書、端的に言えば「言語化された人間のノウハウ」です
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「待ち時間」を「生産性」に変えるデザイン

左カラムには「作業フォルダ」を登録し、会話も作業フォルダに対して行われる。フォルダAで作業を開始→次はフォルダB…とどんどん巡回しながら仕事を進めていくのを想定しているような作りになっている
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「深く思考する」ということは、待ち時間が長いことを意味します。実際、作業には数分、ものによっては10分以上かかったりします。しかし、Codexアプリはその時間を有効に使えるように設計されています。

待ち時間は何に使うべきか? それはもう「別のAIに、別の仕事をやらせる」べき。

Codexアプリは複数のエージェントを並行して動かせる「司令塔」のような作りになっています。作業フォルダという概念があり、「Aの調査」をAIエージェントAに任せて考えさせている間に、別のフォルダで「Bの資料作成」を指示する、といった動きが自然にできます。

少し前までは一部のエンジニアの方などが実現できているだけだった、「複数の優秀な部下に指示を出し、上がってきた成果物をチェックする」というマネジメント的なAIワーク手法を一般化できるツールでもあるのです。

戦略の転換:「コード生成」から「全知的作業」へ

興味深いのが、OpenAI自身がこのアプリを「モデルの能力と、人間が実務で使える範囲の『ギャップ』を埋めるためのツール」と位置づけている点です。これまでは仕事ではChatGPTを使い、コードを書くためにCodexを使っていましたが、そこがCodexのほうにマージされたような形かもしれません。

OpenAIは「コードについて推論し生成する能力が高まることは、そのまま他のあらゆる知的作業能力の向上につながる」と明言しています。これまでエンジニア向けに磨かれてきた「論理的推論力」を、一般のナレッジワークにも開放するという方向性であり、非常に大きな動きに見えます。

正直に言って、まだまだエンジニアじゃないと慣れない要素が多い(エンジニアのほうが活用もしやすい)ツールでもあるとは思います。でも、「自分はエンジニアじゃないから」とスルーするのはあまりに惜しいツールとも感じます。

「深く思考し、手足となって動くAI」には一度触れておいてみてもいいと思いますが…いかがでしょうか?

Source: OpenAI

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