記事のポイント メイベリンがマイリー・サイラスを新たなグローバル広告の顔に起用しジングルを刷新している。「Maybe it’s Maybelline」は34年を経てもSNSで高い言及数を記録しブランド力を示している。 アイスクリーム施策やジングル制作コンテストを通じて消費者参加を促す取り組みを展開している。
「Maybe it’s Maybelline」は、広告界でもっとも象徴的なスローガンのひとつだ。このフレーズとそれに対応するジングルが初めて登場したのは1991年である。メイベリン(Maybelline)は2024年、かつてのブランド・アンバサダーであるジジ・ハディッド、ストーム・リード、ペギー・グー、シェイ・ミッチェルを起用したキャンペーンで、このスローガンを復活させた。

マイリー・サイラスを新グローバル・フェイスに起用

9月24日、メイベリンはメガポップスターのマイリー・サイラスを新たなグローバル・フェイスに迎えた。新キャンペーンでは、サイラスと彼女の特徴的な歌声が、このドラッグストア発のコスメブランドの象徴的なジングルに新たなアレンジを加えている。サイラスは同ブランドと数年にわたり提携しており、メイベリンの広報担当者は、彼女が新しいカラー展開を含む今後の主要製品や、バイラルな現象となったマスカラ「スカイ・ハイ(Sky High)」の顔となることを認めた。メイベリン米国部門プレジデントのヤスミン・ダストマルチ氏は、「我々は、誰もがメイベリンだと知っているこの象徴的でノスタルジックなメッセージに橋渡ししながら、それを再構築し、新鮮な声を吹き込み、メイベリンの伝統と現代の文化を結びつける形でジングルを生まれ変わらせたいと強く望んでいた」と語った。

タグライン復活の効果とソーシャルでの存在感

同ブランドが有名なタグラインに再び頼るのは理にかなっている。消費者インテリジェンス・プラットフォームのトークウォーカー(Talkwalker)によると、デビューから34年経った今も、このスローガンは過去1年間でソーシャルメディア上で3番目に多く言及されたスローガンであり、約1万6000件の言及を生んでいる。これは、ナイキ(Nike)の「Just Do It」とマクドナルド(McDonald’s)の「I’m lovin’ it」に次ぐ順位だ。

メイベリン新キャンペーン動画で「Maybe it’s Maybelline」を歌うマイリー・サイラス

360度キャンペーンとメガクリエイターの参加

サイラス氏の起用発表は、360度ブランドキャンペーンの正式なスタートを意味する。ここには、マニーMUA(インスタグラムのフォロワー数390万人)、サイ・デ・シルヴァ(フォロワー数61万3000人)、イザベル・クランシー(フォロワー数130万人)、アイ・ラヴ・サラヒ(フォロワー数650万人)といったメガクリエイターによるコンテンツも含まれる。同ブランドがキャンペーンとそれにともなうノスタルジアを示唆していたため、一部のソーシャル投稿は発表の数日前からすでに公開されていた。ダストマルチ氏は「このブランドは文化的アイコンだ。110年にわたる文化的影響力がある。セレブリティは、そのレガシーや信頼性、インスピレーションを築く点で、常に歴史の一部であった」と述べた。さらにサイラスの起用について、「彼女はグローバル・アイコンだ。創造的で、自信に満ち、本物であり、文化に影響を与える存在だ。彼女は真に自己表現豊かであり、それらすべてがメイベリンの価値観と一致する。彼女はブランドに新鮮な視点をもたらし、あらゆる世代に共鳴する人物だ」と語った。

ジングル誕生秘話とアンバサダー選定の裏側

興味深いことに、メイベリンのブランド・エンゲージメント担当アソシエイト・バイス・プレジデント(AVP)兼責任者であるサマンサ・スタインバーガー氏によれば、同ブランドが最初に新アンバサダーを探していた際には、ジングルを歌う歌手を起用するという発想はなかったという。サイラス氏の歌唱力は、結果的に付加的なボーナスとなった。スタインバーガー氏は、彼女が更新されたジングルのために書いた歌詞に触れ、「彼女が『あなたたちは私に3語を書いてほしいと頼んだだけなのに、私は曲全体を書いてしまった』と言っている素晴らしい映像がある」と語った。この歌詞は、プレス公開時点ではまだ非公開とされていた。

アイスクリーム・トラック施策とファンの反応

同ブランドはニューヨーク、ロサンゼルス、ボストン、マイアミでアイスクリーム・トラックを展開し、消費者はアイスクリームとともに無料の製品を受け取り、9月24日の大きな発表に合わせた通知登録ができた。一部のファンは、同ブランドがサイラスとコラボレーションしているのではないかとインスタグラムで推測を投稿していた。スタインバーガー氏は、4月にニューヨークで行われた大規模な撮影をパパラッチが撮影していたことを指摘し、「我々は彼女の唇などの画像を一部ティザーとして公開する予定だった。多くの人が点と点をつなげられるだろうし、それを我々は望んでいた。どう展開するかはわからないが、その反応を見るのは本当に楽しい」とGlossyに語った。さらに9月29日〜10月27日にかけて、メイベリンはコミュニティに対し、自分だけのジングルを制作するコンテストへの参加を呼びかける。同ブランドは、サイラスがファンに参加を促すコンテンツをすでに撮影済みだ。[原文:Exclusive: Maybelline taps Miley Cyrus to reinvent ‘Maybe its Maybelline’]Sara Spruch-Feiner(翻訳、編集:藏西隆介)