浦和戦で途中出場の細谷。83分にチームを活気づける同点弾をマークした。写真:鈴木颯太朗

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 勝点47で5位につけていた柏レイソルと、同44で7位の浦和レッズ。8月22日に両者が三協フロンテアスタジアム柏で激突した上位対決は、今後のJ1タイトル争いを大きく左右する重要な一戦だった。

 柏は7月20日の鹿島アントラーズ戦(2−3)と直近のファジアーノ岡山戦(1−2)を落としたことで苦境に直面。これ以上の停滞は許されなかった。逆に浦和は最近の追い上げでようやく上位グループに浮上。勝点を49に引き上げたFC町田ゼルビア、ヴィッセル神戸に肉薄するべく、絶対に勝点3を手にしたかった。

 そんな意地と意地がぶつかり合ったこの試合。先手を取ったのは浦和だった。開始5分に左CKから長沼洋一が先制弾をゲット。瞬く間に1点をリードする。そこから柏が巻き返し、ボールを支配したが、浦和は強固な守備ブロックを形成。そこからのカウンターがさく裂し、43分に松尾佑介が2点目を奪い、前半を2−0でリードするという理想的な展開で試合を折り返すことに成功した。

 しかしながら、ポゼッションで圧倒し、敵陣の深いところまで押し込んでいた柏の選手たちは、まったく動じていなかった。

「自分たちがボールを回せているなかでの2失点だったんで、相手は後半、落ちるだろうなと感じたし、内容が悪かった岡山戦とはわけが違った。0−2でしたけど『もしかしたらいけるかな』という感覚だったし、むしろ『全然、可能性はあるな』と思いましたね」

 目を輝かせたのは、右ウイングバックの久保藤次郎。彼と左ウイングバックの小屋松知哉は大外から再三アタックし、サイドで敵を凌駕していたし、最前線の垣田裕暉の献身的守備もボディブローのように効いていたはずだ。
 
 加えて言うと、柏には“分厚い選手層”という大きなアドバンテージがあった。7月のE-1選手権の中国戦でゴールを奪っている細谷真大を筆頭に、A代表招集経験のある杉岡大暉に原川力、今夏に加入した瀬川祐輔、小西雄大と、計算できる戦力がベンチに複数揃っている。そこにはリカルド・ロドリゲス監督も大いに自信を持っていたはずだ。

 案の定、指揮官は後半のスタートから瀬川と杉岡を投入。2人が攻撃のギアを上げ、54分に瀬川が1点を返すことに成功する。さらには細谷、仲間隼斗、小西と持ち駒を投入。攻撃を加速させ、浦和を追い詰めていったのだ。

 果敢なトライが結実したのが、83分の細谷の同点弾。仲間からボールをもらい、いったん瀬川に預けて、リターンを受けて左足を振り抜いたこの一撃には、細谷のストライカーとしての能力が凝縮されていた。

「決定機を外した後でしたし、ホームで満員の中で決めなかったら9番じゃないって思っていたので、決めて良かったです」と日頃、あまり感情を表に出さない細谷も興奮気味に語っていた。

 こうなると防戦一方だった浦和の守備組織は耐えきれなくなる。最終的には小西が逆転弾を挙げ、久保もダメ押しとなる4点目をゲット。後半だけで4得点の柏が4−2のミラクル逆転劇で勝利。勝点を50に伸ばし、暫定首位に浮上したのである。

「途中から出ている人が3点取っているので、そこ(選手層で上回ったこと)は証明できたのかなと思います」と細谷が語気を強めた通り、この日の柏は浦和に対してチームの総合力で勝っていた。
 
 ご存じの通り、今季の柏はロドリゲス監督のチルドレンである小泉佳穂、渡井理己らを補強。いち早くチームの完成度を高めたが、夏の移籍市場でも積極的なアクションを起こし続け、瀬川と小西、馬場晴也、小見洋太、永井堅梧という即戦力の5人を獲得した。

 着実な戦力の上積みがチーム力の向上につながっているのは間違いない。そこは夏場の補強がまったくできず、流出する一方だった浦和との大きな差と言えるだろう。