玄関回りに「小さな庭」をつくると、家の外観に温かみが生まれます。玄関ドアを隠す壁の前と外壁沿いの小さな2つのスペースに、植栽を植えたライター。家族と行き来する人が心をなごます姿を日々見て、うれしく思っています。咲いた花を部屋に飾れば、暮らしにうるおいも。

玄関前に「小さな庭」をつくり優しいたたずまいに

筆者は夫と小学生の息子2人(9歳と7歳)の4人暮らし。3年ほど前にハウスメーカーで建てた、2階建ての注文住宅に住んでいます。

1階には玄関、LDK、趣味室、トイレが。2階には、浴室、洗面所、ランドリールーム、主寝室、子ども部屋、トイレ、来客用のスペースがあります。

わが家は、昔ながらの住宅街の一角に立っています。玄関の前の道路は、クルマ1台しか通れない道幅。クルマが出入りしやすいように、また、遊びにきた人が敷地内にスムーズに駐車できるようにするため、塀はつくりませんでした。

さらに外構業者には、切り返しがしやすく、砂利の跳ねが気にならないように、なるべく地面はコンクリートにしてもらうように希望。

ただ、塀をつくらないと玄関が道路側から丸見えになります。そこで、玄関は壁で隠しつつ、建物のほかの部分は見えるプランに。

そのとき外構業者から提案されたのが、上の図のピンクで丸をつけた部分(道路側から見ると、正面に見える玄関を目隠しする壁と黒い壁の前)に植栽を植えることでした。

「こちらに少しでも緑があると、コンクリートの無機質な感じが和らぎますよ」とのこと。

CGで緑の効果で温かみが生まれる!とわかり決断

実際にCG(コンピューターグラフィック)で植栽がある場合、ない場合を比較してみると、確かにそう! 人を迎え入れてくれるような、温かみが生まれます。

植栽を植えると、落ち葉掃除や水やりなど、手間がかかります。ですから当初は、植栽はなしでいいと思っていました。しかし、CGを見て気持ちが変わりました。「背景が殺風景に見えるからこそ、緑の効果がバツグンに発揮される!」とわかったのです。

こちらは3年前の引き渡し直後の写真。筆者は植栽については詳しく知らないため、頼んだ外構業者にお任せ。選んで植えてもらいました。ですから、なにを植えてもらったかは引っ越して知ったのですが、さすがプロ! いろいろな種類が小さなスペースに収まっていてよい感じ!

四季の移ろいを感じられる「2つの庭」

こちらは3年たった現在の玄関前の庭です。幅288×奥行き119?という、小さなスペースに、さまざまな植物が。

ちなみに中央の大きな木はアズキナシ。その周りにフィリアブラン、マホニアコンフューサ、ツツジ、コデマリ、ヤブコウジ、カラミンサ、サツキなどが植えられています。

狭さはこちらの写真だと、よく伝わるのではないでしょうか。ポストと表札の下なのですが、ここがコンクリートや石だけだと、ちょっと寂しい印象になっていた気がします。

来客の方もまずインターホンを押すためここに立つ、と考えると、植栽ではなやかにして正解でした。ご近所さんからも「きれいに咲いていますね〜」と声をかけていただくことも。

こちらは玄関脇、黒い外壁の前の植栽です。幅411×奥行き135?と、玄関前の庭よりは広いですが、スペースとしては決して広くはありません。

大きなアオダモの木と、マホニアコンフューサ、紫陽花(アジサイ)が2種類、ツツジ、クリスマスローズ、ドウダンツツジ、トキワナルコユリ、ツワブキ、ヒュウガミズキ、ベニシダなどが植えられています。

こちらは季節によって色のある花が順々に咲くので、日々の観察が楽しみなエリア。夫も出勤前によく眺めています。

草花に興味がないわが家の子どもたちも、ここなら自然に目に入ります。家族が自然に楽しめる、という面でもこの2つの「小さな庭」をつくってよかったと思っています。

こちらも真横から見るとこれぐらいの幅しかありません。こんな小さなエリアで植物は育つのかな? と思っていましたが、大丈夫でした。奥の庭にはあまりお花を植えていないので、部屋に花を飾る場合は、こちらから選ぶことが多いです。

夜、照明に照らされる植物の姿や影も美しい!

じつは、この小さな庭スペース、日中だけでなく、夜の眺めがとてもいいです。

照明に照らされる植物の姿や影がすてきだなぁと、外から帰ってきたときにニヤニヤしてしまいます。

ちなみに手間が心配だった水やりについては、狭いので時間がかかりません。5分くらいで終わります。

正直、奥にある広い庭の方は、水やりがおっくうに感じます。しかし、玄関前のこちらの庭は、早く終わるとわかっているから、イヤな気持ちになることなく(笑)、続けられています。

今、気がかりなのは木の高さと落ち葉掃除

こちらの立派なアオダモ。暮らしてから気づいた、ちょっと困ったことが。風がとても強い日に、「バシバシと音がして、なんだろう?」と思っていたら、木が建物にあたる音だったのです。

ちょうど木の上部が寝室部分の外壁にあたる高さ。暴風の夜は、ちょっと気になることがあります。今のバランスも好きですが、もう少し背丈が低い木でもよかったかもしれません。

そして、大きな2本の木はどちらも落葉樹なので、落ち葉掃除が大変な時期が、毎年訪れます。塀がないから道路やご近所に、落ち葉が飛んでいってしまうかもと気になって、この時期は毎日掃除します。だいたい2週間ほどでしょうか。

もし掃除をラクにしたい場合は、常緑樹にするか、木は植えずに草花にしておく方が、玄関前はラクかもしれません(落葉樹以外の植物に関しては、必死に掃除しなくても保てるレベル)。

花を飾る楽しみも!小さな庭をつくってよかった

紫陽花の季節になると、とくに肥料もあげず、水やりしかしていませんが、こんなにたくさん花をつけます! 鉢植えと違って、少々水やりをサボっていても元気に育ってくれるのも、植栽(地植え)のよさではないでしょうか。この季節は日々、彩りの変化を楽しんでいます。

そして、庭をつくったからできた「飾る」楽しみ。先ほどの紫陽花を飾ってみました。

よく花屋で見かけるコデマリもこの庭にあるので、花の咲く時期は剪定がてら飾ったことも。お花屋さんで値段を見たときに、家のならタダ…とちょっとお得な気持ちになれます(笑)。

花屋にわざわざ行かなくても、季節の花を飾る暮らしができるのは、この「小さな庭」があるおかげ。もしここに植栽をつくっていなかったら、こんなに花を飾ったりしていなかった気がしています。生活に文字通り彩りを与えた、小さいけれど、つくってよかった大事なスペースです。