川崎がサッカートレーニング用VR『REZZIL』体験会を実施! 選手のサポートだけではない、拡張現実の大きな可能性
このVRは、『認知・判断・予測・実行』といった一連の認知スキルを鍛えることを目的とした様々なドリルを仮想空間でプレーすることができる。現実のトレーニングで意識的に鍛えることが難しい、適応⼒、意思決定、空間認識、レジリエンスといった重要な認知スキル向上を目的としているトレーニングシステムで、マンチェスター・シティやマンチェスター・ユナイテッド、アーセナルなど、イギリスのプレミアリーグクラブを中心に欧米の多くのクラブで利用さている。
頭にVRゴーグル、そしてセンサーのついたバンドを両足につけるだけででき、様々な色のボールを蹴り分ける敏捷性と予測力を高めるメニューや、光ったゴールへ瞬時に蹴り込む冷静な認知と予測、動作を向上させるものなど、数々の種類のドリルがあり、怪我によって実際にボールが蹴れない選手のリハビリにも有効。若年層のヘディング練習を仮想空間で行ない、空間認識力を鍛えるなど、発展途上の才能や世界最⾼の選⼿が、次のレベルに到達するのをREZZIL が⼿助けしている。
曇り空から時折、青空がのぞき、温かい風が吹く気候のなか、川崎対柏の試合会場である等々力陸上競技場の前に設置されたテントには、サポーターが列を作っていた。「VRキックターゲット」と題した有料のイベントで、参加者はその結果によって選手カードやクラブグッズ、選手のサイン入りグッズなどが当たる。
子連れのサポーターも多く、選手のサインが入ったナップサックが当たり、両手を上げて大喜びする子どもの姿もあり、普段できない体験を楽しむ、多くの人の笑顔が印象的だった。
このイベント実現には、様々な背景がある。REZZILは認知機能向上にも大きく役立つとされ、高齢者や障害を持った人に対しても活用。選手のサポートを目的とした利用だけでなく、普段あまりスポーツをしない、できない一般の方が、少しでもスポーツに触れ、健康意識を⾼めるきっかけになれば、という効果など様々な期待を込め、株式会社共同通信デジタルがイギリスから輸入。そして今回、川崎の導入検討に至った。
「もともとフロンタウンさぎぬま(川崎フロンターレが運営するフットサル施設)で、このVRを使ったトレーニングを導入していただけないか、というお話を進めていました。鷺沼にきているスクール生の方々などには、体験をしていただきましたが、やはりコストもかかる。そこで、普段はフロンタウンで利用者のトレーニングに使いつつ、こういった試合前のイベントでうまく収益化するような方法を検討していただいているんです」(共同通信デジタル担当者)
フロンタウンさぎぬまでは、フットサルコートの貸し出しだけでなく、ヨガなどの健康教室も実施。このVRを普段は川崎のスクール生の練習の補助的な役割での使用や、健康教室の参加者である年配の方にも体験してもらっている。地域、社会貢献に力を入れる川崎だからこそ、このVRが地域の社会課題に役立てるのでは、と活用法を模索しているのだ。
今回、試合前のイベントブースを担当したフロンタウンさぎぬまの遠藤輝来さんは、「今回、ホームゲームで(このVRを)動かした時にどれだけみなさんが興味、関心を持ってくれるかというところで、試験的にやっている」と説明。そのうえで、「(参加者の)反応がすごく良くて、さっきやられた方は3周並んでやっている方もいました」と明かし、こう続けた。
