目の前にある光景をそのまま撮影して録画できるウェブカメラは、コンピューターにとっては人間の目と同じ働きをする外部入力装置です。そこで、まるで本物の目と同じようにぎょろぎょろと動く眼球のロボット模型とウェブカメラを組み合わせた「Eyecam」を、ザールラント大学のHuman Computer Interaction Lab(HCI)の研究員でデザイナーのマーク・テイシエ氏らが発表しました。

Marc Teyssier | Eyecam

https://marcteyssier.com/projects/eyecam/

Eyecam - Human Computer Interaction Lab

https://hci.cs.uni-saarland.de/projects/eyecam/

This webcam dares to ask: what if the panopticon had flesh? - The Verge

https://www.theverge.com/tldr/2021/4/8/22374375/flesh-eyeball-webcam-surveillance

Eyecamがどういう動きを見せるのかは以下のムービーを見るとよくわかります。

New generation of webcam? The human eye webcam. - YouTube

これがEyecam。人の肌の質感を再現したシリコンケースに眉毛とまつげが生えており、眼孔に眼球が収まっています。

目の周りの骨格やしわも再現されています。

そして、眼球はくりくりと動くことが可能。

瞳孔の部分にカメラが内臓しているので、眼球の動きと共にカメラも動きます。画像認識ソフトを組み合わせると、人の顔を認識しながら眼球を動かし……

視界も動かすことができます。

Eyecamの視界を手でさえぎると……

Eyecamは、まるで寝てしまったかのように目をパタリと閉じてしまいました。テイシエ氏は「人間の目はコミュニケーションに欠かせない『アイコンタクト』を行います。人は目の表情を通して、幸福感や怒り、退屈感、疲労感を見て取ることができます。ウェブカメラは人間の目と同じように『ものを見る』という目的を持っていますが、表情豊かではなく、人間の目のように感情を伝えることもありません。Eyecamは、目が持つ感情的な側面をカメラに再現します」と述べています。

Eyecamの骨格となるフレームはこんな感じ。

小型のカメラが眼球を模したカバーの中に仕込まれています。

眼球を動かすEyecamの内部はこんな感じで、かなりシンプル。

そして、Eyecam全体を覆うシリコンを型から外すところ。

シリコンの色を調整すれば、さまざまな肌の色に合わせて調整可能。

また、眉毛やまつげに人工の毛を植毛することで、造形をよりリアルにすることができます。

テイシエ氏らの研究チームは「Eyecamはセンシングデバイスの潜在的な未来を探求するために重要なデザインのプロトタイプです」「人間の目を模倣した擬人化ウェブカメラであるEyecamを提示することで、私たちはユビキタスなセンシングデバイスのあり方に挑戦し、センシングデバイスに関する表現や行動について再考することを呼びかけています」とコメントしました。