異色の経歴をもつスタッフ×主演パク・ジニの演技力のケミストリーに脱帽!胸を打ち深く考えさせられる社会派サスペンス ― 「ドクター探偵」魅力大解剖<前編>

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企業の不正を暴き出す医療捜査ドラマ「ドクター探偵」が、現在TSUTAYA先行でDVDレンタル中&DVD-BOX1が発売中。今回は、社会派ドキュメンタリー番組の監督が実話を元に描いた衝撃作「ドクター探偵」の魅力を、前後編に渡って大解剖! 前編では、異色の経歴をもつスタッフとパク・ジニだからこそ生まれ得たケミストリーを紹介する。

時折、まったくノーマークだったドラマに、ハッとさせられることがある。派手さはなくとも、この人以外考えられないと思わせるハマり役の演技派俳優陣や、息をのむ展開にひきこまれ虜となり、休むのも忘れ一気見してしまう。「ドクター探偵」はまさにそんな作品のひとつだ。社会派ドキュメンタリーで知られるプロデューサーの初監督作で、企業の不正を暴く医療捜査は、実話ベースで切なくもあり心に強く訴えかけてくる。目を背けることなく産業災害、人為的な環境災害、職業病などにスポットを当てた斬新で貴重な存在のドラマに、今だからこそ出会えてよかったと思う人も多いはずだ。

「ドクター探偵」は、韓国で2019年7月からSBSで放送された、企業の不正を暴き出す医療捜査ドラマで、真相追跡ドキュメンタリー番組「それが知りたい」のプロデューサー、パク・ジュンウの初監督作品だ。「『ドクター探偵』がサイダーのように痛快で、どっしりとしたメッセージを届けるドラマになってほしい」という制作陣の願い通り、ドラマ界に新風を吹かせ好評を得た話題作でもある。ともすると重くなりがちな実話ベースの題材を、人々の感情の機微を嫌というほどリアルに、そして痛快に描いている。

それもそのはず、脚本を担当したソン・ユンヒ作家は、職業環境医学科の専門医。「現実よりリアルなドラマ」と評され、社会の不十分な部分を変えていこうというメッセージを含む意味のある脚本で、視聴者の心を代弁するような台詞は多くの人々の共感を得た。産業界で日常的に起こる、労働者に降りかかる不条理を”サイダーのように痛快に”解決していくドクターたちの活躍劇は、パク・ジュンウ監督とソン・ユンヒ作家の手腕あってこそ、見るものの心に深く残るメディカル捜査ドラマとして生まれ得たと言える。

また、俳優たちの迫真の演技は言わずもがな。主演のパク・ジニは、「ジャイアント」「記憶〜愛する人へ〜」「リターン -真相-」などでもお馴染みの演技派俳優。そんなパク・ジニが今回演じたのは、大企業が隠ぺいしている数々の問題を医学的観点から捜査する職業環境医学専門医“ドクター探偵”ト・ジュンウン。冷静に、そして潔くさまざまな問題にメスを入れ、迷うことなく事件に立ち向かう強い女性なのだが、離婚した夫との間の幼い娘に会うことがままならず苦悩する母の顔も持つ。

ドラマ放送時の予告ポスターのひとつは、濁った空気が立ち込めるソウルの街を背景に、母親と幼い娘がガスマスクを被り「あなたはすでに中毒になった」という刺激的なコピーが入ったものだった。身の回りにある危険が空気のように近くにあるという意味を込め、このドラマが産業災害を取り上げていることを知らせると同時に、自身の娘のためにも災害の真相を放っておくことを許さない、ドクター探偵ト・ジュンウンの母性愛も表現していたといえる。

パク・ジニは、セルDVDに収録されているエピソード末のいくつかのエピローグで、ドラマの題材となった事件・事故のドキュメンタリー映像のナレーションも担当している。声だけで、ドラマを通して紡がれる人々の静かな憤りとその先に見つけた癒しすら感じさせる点にも注目だ。

また、パク・ジニは、「撮影の間、素敵な人と最後まで一緒に過ごせて光栄で幸せでした。特別な人ではなく、私が知っていそうな知人や誰かの娘、誰かの兄の話だったので、そんな人々の話をもっと上手く仕上げたかったです。今回のドラマを通じて、職場の安全が保証される社会に少しずつ変化していけばと思います」というコメントをしており、ドラマに強い思いを持って臨んでいたことがわかるだろう。