(写真:アフロ)

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名古屋市の河村たかし市長(70)が10月8日、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が再開されることを受け会場である愛知芸術文化センター前で抗議の“座り込み”を実施した。そんななかネットでは、河村市長の行動に賛否が上がっている。

同日、河村市長はTwitterで《愛知トリエンナーレ 再開反対 座り込み 午後2時 愛知県芸文センター》と座り込みの実施を告知。その理由について《申告内容かくされる 県は市とまったく話し合いなしですべて独断.実行委員会ひらかれず 陛下写真バーナー焼いて踏みつぶす いかん》とつづった。

産経新聞によると約30人の支持者らと抗議活動を実施した河村市長は約7分間、会場に座り込み「県は公金の不正使用を認めるな」「知事は名古屋市民の声を聞け」などのシュプレヒコールをあげた。また、同展で展示されている大浦信行氏による昭和天皇の肖像を燃やすような動画を問題視し、「愛知県や名古屋市が(事実上)主催しているところで展示すれば、(その内容を)県や市が認めたことになる」とコメント。「表現の自由の名を借り、世論をハイジャックする暴力だ」と抗議したという。

またハフポストのニュースエディター・中村かさね氏は同日、Twitterに河村市長の座り込みの様子を動画でアップしている。そこでは「日本国民に問う!陛下への侮辱を許すのか!」というプラカードを手にした河村市長や「左翼勢力に支配された展示会だ」と書かれた紙を掲げる女性の姿を確認することもできる。

Twitterでは、こうした河村市長の“座り込み抗議”を支持する声が上がっている。

《河村市長による「言論の自由」の実践を支持します。天皇陛下の(一国民のであっても)写真を燃やし、踏みつける行為は、ヘイトであってアートでは無い。ヘイトをアートと呼び、言論の自由と叫び、知事が後押しする。ならば、座り込みで抗議することも言論の自由でしょう》

《マスコミは慰安婦像だけを取り上げ、多くの人が問題にしているご真影に対する侮辱、特攻隊を笑いものにしている展示については触れず、真実が伝わらない。市長が何も行動をしなかったら、愛知県民の道義心や公共心が疑われます》

いっぽうで“座り込み”に対し否定的な声も。座り込みによる抗議活動は、1960年代のアメリカでの公民権運動において、権力に立ち向かう方法の1つとしてキング牧師が広めたとされている。そうした性質から、河村市長についてこんな意見が上がっている。

《河村市長の「座り込み」は、辺野古などで、権力側の暴力に耐え非暴力で座り続けた人達が守ってきた、「権力なきものたちの抵抗方法」を、権力のある側が横取りし、「俺らは被害者だ」と演出するための、何重もの「横取り」だ》

《権力を持つ政治家が、言論による説得を放棄して座り込む姿は民主主義の敗北そのものに見えます》

法学者の木村草太氏(39)はTwitterで河村市長の“座り込み”を報じる記事を引用し、《河村市長が、自らの思想を表現。アートだ……》と投稿。続けて《ただ、市長には「座り込みをして、特定の芸術表現を批判する権限」はないはず。とすれば、河村氏は、市長としてではなく、一人の表現者として座り込んでいるのだろう。記事のタイトルは「名古屋市民の河村さん 抗議の座り込み」とすべきか》とつづっている。

同日、愛知県の大村秀章知事(59)も河村市長の「座り込み」について《まさか、こんなことをするなんて。衝撃です》とツイート。さらに《制止を振り切って、県立美術館の敷地を占拠して、誹謗中傷のプラカードを並べて、美術館の敷地の中で叫ぶ。芸術祭のお客様の迷惑も顧みず》《常軌を逸してます。厳重に抗議します》と、非難している。

また、7分という座り込みをした時間について《7分座っていたのを座り込みとは言わんな。休憩だそれは》という声もあがっていた。