暑さに弱いと思いきやガソリン車より有利な点も!

 ようやく酷暑もひと段落し、朝晩は秋の気配も感じつつある今日この頃。とはいえ日中はまだまだ暑く、冷房がないとクルマに乗っていられない季節はもう少し続きそうだ。

 そんな暑い日が続いた今年の夏、徐々に普及し始めている電気自動車は果たしてこの暑さを乗り越えることができたのか、気になっている人も少しはいるかもしれない。そこで今回は電気自動車の暑さ対策と称してEVならではの夏の出来事をお伝えしよう。

1)じつは電費はそこまで悪化しない

 暑い日に必須の装備と言えばエアコン。一昔前は窓を開けてギリギリしのげるレベルの暑さだったが、最近の暑さは命にかかわるレベル。エアコンを使わないで日中クルマに乗ることは自殺行為と言える。そんなエアコンは普通の内燃機関を搭載しているクルマであれば燃費を悪化させる要因となるが、電気自動車の場合は、クーラーをガンガンに効かせてもそこまで電費は悪化しないのだ。

 むしろ、熱をゼロから作り上げなければならない暖房のほうが電費は圧倒的に悪くなってしまう。そのため、普段乗っている限り、ガマンして冷房を使わないとか、弱く使うということはしなくてもいいと言える。

遠隔操作で事前にエアコンをONにできるモデルも存在

2)熱くなるのはモーターよりもバッテリー

 電気自動車の走りを支えるモーター。エンジンと同じく回せば回すほど高温になるイメージをお持ちかもしれない。しかし、エンジンほど極端に熱くなることはなく(もちろん熱くなるが)、それよりも先に熱くなるのがバッテリーなのだ。

 スマートフォンでも負荷のかかる動画などを長時間視聴したり、充電をしたりしたときに本体が熱くなった経験があると思うが、電気自動車のバッテリーもスマホのバッテリーと同じくリチウムイオン電池が使われており、バッテリーからの電力を取り出したり充電したりすることで熱を帯びてしまうのだ。

 バッテリーが熱を持つと効率が悪くなってしまうのはもちろん、劣化が早まる原因にもなってしまうため、高速走行→急速充電を何度も繰り返すのは非常にバッテリーに優しくない。車種によってはバッテリー用の冷却装置が用意されているほどなのである。

3)神機能エアコンの遠隔操作が活躍

 一部の電気自動車に備わる機能として、スマホのアプリを介して車両のエアコンをONにできる機能がある。これを使えば出かける前に事前にエアコンを入れておくことができ、ドアを開けた瞬間の灼熱地獄を回避できてしまう。もちろん電気自動車だから排気ガスは出ないし、騒音も空調のファンが回るかすかな音くらいしか聞こえてこないので、時と場合に関係なく使うことができるのだ。