Appleの音声アシスタント機能「Siri」の誕生に関わった開発者らにより、かねてより開発されていた新しい音声認識システム「Viv」がようやく完成し、まもなく発表されるものと見られています。Vivは「複合的な質問を理解する」「多くのアプリを実行可能」など、Siriをはるかに越えるAIを備えているとのこと。

Siri’s creators say they’ve made something better that will take care of everything for you - The Washington Post

https://www.washingtonpost.com/news/the-switch/wp/2016/05/04/siris-creators-say-theyve-made-something-better-that-will-take-care-of-everything-for-you/

Siri creators developing powerful new personal assistant ‘Viv,’ will reveal it next week | 9to5Mac

http://9to5mac.com/2016/05/04/siri-creators-new-virtual-assistant-viv/

Vivが一体どんなものなのかは以下の記事を読むとよくわかります。

Siriの開発者が複合的な質問を理解できる新しい音声認識AIを開発中 - GIGAZINE

Siriはユーザーの質問に応じて連絡先へ電話をかけたり、予定を登録してくれたりしますが、連携できるアプリに制限があるため、「飛行機のチケットを予約したい」といった問いかけに対してはウェブサイトを開いて誘導する、という対応を行います。

しかし、Vivは多様なアプリと連携し、複合的な問いかけに対応することが可能。「兄弟の家に行く途中に、ラザニアとそれに合う安めのワインを買っていきたい」と話しかけた時には、兄弟の家までのルートと、その道中にあるワインストアのリストとラザニアを買えるお店を表示します。

Vivを開発したのはSiriの産みの親であるDag Kittlaus氏とAdam Cheyer氏はをはじめとするエンジニアたち。もともとSiriは2010年にサードパーティーアプリとして公開され、チケットを購入したりタクシーを配車したりと、多くのアプリの機能をバイパスすることが可能でした。しかしAppleがSiriを買収してからは、それまで築いてきたパートナーシップが崩壊し、Kittlaus氏はSiriとのアプリ連携を許可してもらうために多くのIT企業と話をする必要があったとのこと。Kittlaus氏とCheyer氏は2011年、Appleの元CEOであるスティーブ・ジョブズと面会したそうですが、これまでの2人の取り組みとジョブズのアイデアが食い違っていたため、翌年Kittlaus氏はAppleを去ったそうです。

そしてその後、Siri開発に関わっていたチームの3分の1がSiriの機能に関してAppleと意見が分かれたためにAppleを離れており、2014年8月ごろからはエンジニアらが本格的にViv開発を再開したことが報じられていました。

VivはKittlaus氏らが思い描いていた「Siriのなりたかった形」を実現したもので、多くの点でSiriよりも多様な機能を実行可能です。ワシントン・ポストによると、「職場近くのPizz’a Chicagoからピザを購入したい」と伝えると「トッピングはどうしますか?」と聞き返し、「トッピングはペパロニで」「半分はチーズ」「シーザーサラダも」という注文もちゃんと理解して、少し住所の認識に混乱が生じたものの、最終的にはオフィスまで注文通りのピザが届く、ということを実現したそうです。この時、電話や検索、アプリのダウンロードは不要だったとのこと。

このほかにも、Vivは「車を配車して」というとUberなどの選択肢を提示したり、デリバリーサービスのGrubhubや診察予約サービスのZocdoc、航空券予約サービスのSeatGuruなど多くのサード・パーティーアプリと連携してタスクを行ってくれます。

GoogleやFacebookはVivの買収を考えているそうですが、Vivエンジニアが買収に応じる意向は記事作成時点で伝えられていません。なお、Vivは2016年5月9日(月)に行われる技術系カンファレスで公開され、デモが行われる予定となっています。