金融企業が生成AIで逆転勝利する方法を語る!「金融機関は生成AIで成果を生み出せているのか」ラウンドテーブル
まず「今、金融業界が直面している現実」というテーマについて、アルテアが2月に実施した調査に基づいてディスカッションを行った。
・Topic1:
金融業界で働く人の半数以上が生成AIを「全く利用していない」と回答。生成AIを業務で利用しているかという設問に対し、金融業界で働く人の54%が「全く利用していない」と回答。
この結果を受けて及川氏は、金融業界ではトレーディング・マーケティング・リテールなどの様々な分野・部署がある中で、トレーディングの領域では生成AIの活用が進んでいない印象が強いと述べ、おおむね調査結果と同じ実情があると捉えていると説明した。一方でリテールの部分では活用が進み始めた状態であると説明した。
和泉教授も今回の調査結果が実情を表していると意見を述べた。昨年11月のアメリカの市場調査から、生成AIがピークを過ぎて幻滅期にあるといったレポートを引用しながら、とりあえず試しで使うフェーズは過ぎ、実際に現場で使えるかを試される中でなかなか活用できていない状況があり、それが今回の調査結果にも表れていると説明した。
・Topic2:
生成AIを「トレーディング情報などのデータ分析」に使用している人はわずか8%という結果に。
事務作業程度の活用がメインになっており、金融業界ならではの活用ができていない状態。
第1位「文章の作成・要約」第2位「情報の検索」と事務作業程度の使用がメインとなった。
続いて、生成AIの活用に関して金融業界ならではの活用が出来ていない状態を示す調査結果について、及川氏は、金融業界ではデータガバナンスなどのセキュリティの部分がで問題がディスカッションされているテーマだと述べた。その中では、クローズドな形で金融機関のアナリストやストラテジストが出しているコメントを集約させてチャットボットを構築し、社内の情報ツールとして活用する方法があると説明した。
和泉教授は、現状は明文化されているものをまとめる作業などでは活用されている現状があるが、一方でデータ分析などの明文化しづらいスキルについては技術的な発展の余地が多く残されていると見解を述べた。
・Topic3:
一般社員の半数以上が現在の生成活用目的を「あまりイメージが湧いていない」と回答。
役職者で業務効率化の先を見据えた回答を選択した人は1割未満。
現在の生成AIの活用目的を調査したところ一般社員の54%が「あまりイメージが湧いていない」と回答。全体でも45%が同様の回答。
役職者も生成AIを活用した最終的な目的を明確にできていないことが伺える結果となった。
レイヤーごとの活用目的にフォーカスした調査を取り上げ、金融業界全体として生成AIを使う目的が明確になっていないという調査結果について、及川氏は現場と役職者のギャップは大きく、生成AIという言葉が先行している状態かと見解を述べた。和泉教授は、明文化されたルーティーンワークの効率化としては使う目的がイメージされ、使われているが、ビジネスモデルのアイディアを考えることや運用業務での収益化の方針を立てるなどの、よりクリエイティブな部分については活用が進んでいない状態、あるいは使えなかった現状があると述べた。