大宮アルディージャのベルデニック監督 (撮影:フォート・キシモト)

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【今年のJリーグのサプライズの一つは躍進した大宮の監督交代だろう。ラモス瑠偉は決断したクラブを評価しつつ、不安も指摘する。】

僕は今、来月のビーチサッカー・ワールドカップ(9月14日開幕・タヒチ)に向けて最後の充備の真っ最中! 9月7日(土)・8日(日)にはスイスとの親善試合を東京・お台場海浜公園で戦うので、そちらも注目してください(編集註:8日のチケットは完売)。

やることはたくさんあるけれど、その合間に必ずJリーグをチェックしているよ。今の中村俊輔のプレーは彼1人だけでも十分見に行く価値があると思う。ヨーロッパで出場機会が少なくて戻ってきた、永井謙佑や大前元紀、宇佐美貴史たちがどれくらい成長した姿を見せてくれるかも楽しみだ。

それから今月一番話題になっていたのは大宮の監督交代だと思う。交代時点で大宮は4位だったということで、驚きをもって伝えられていた。だけど、僕は大宮が監督を交代させたのは冷静な状況判断に基づいていると思うね。

確かに今年の大宮は強かった。だけど、それは他のチームの出足が鈍かったからじゃないかな。優勝を狙っている浦和や鹿島、名古屋なんかはシーズン最初にチームにピークを持ってこない。夏場あたりから優勝を狙うチームはチームを仕上げてくる。逆に、最初に飛ばしたチームはここからが苦しくなってくるんだ。だから今負け始めるということは、すぐ手を打たないと転がり落ちる可能性もある。

実際はベルデニック監督とクラブに何があったかはよく知らない。だけど、ここまで高成績だったのに……というのは、普通なら判断を鈍らせる材料の一つ。それをあえて決断したということは、プロフェッショナルとしての決断だ。非難されるかもしれないというリスクをあえて受け入れたと思う。

ただ今後が大変なのは間違いない。コーチが監督に就任した場合、気をつけなければならないことがあるからだ。それはコーチと監督という立場の違いだ。コーチは選手の兄貴分みたいなものだけど、監督になると起用する選手を決めるからどうしても選手からは不満を持たれてしまう。監督と選手がちゃんと立場が違うことを意識するのが大切なんだ。

大宮にはまだまだ伸びる選手がいると思う。首位に立つという蜜の味も知った。もう一度奮起して頑張ってほしいと思うね。