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千葉の房総半島で大繁殖している「キョン」。その数、約9万4000頭。生息範囲は20年ほど前まで、5つの市と町だったものの、いまでは18の市と町に。

そこに“待った”をかけるため、4月に設定された“絶対防衛ライン”。「キョン」の北上を阻止したい千葉県。その最前線を取材しました。

■千葉県内での定着地域 5市町→18市町に拡大

向かったのは、房総半島の真ん中に位置する茂原市。20年以上暮らす男性に話を聞くと…。

20年以上住む茂原市民
「姿自体は割と最近(見る)。実際に増えてきてる印象」

千葉県によると、実は去年、新たに茂原市でもキョンが定着したと確認されたのです。

20年以上住む茂原市民
「結構いると思います。散歩や車を運転してると見る」

夜行性のキョン。夜、タヌキなど様々な野生動物のなかに1頭のキョンを発見。別の場所でも――。

気になる!班
「ここにもいた」

千葉県によると、県内のキョンはおよそ9万4000頭(2024年度)にまで拡大。20年ほど前まで、定着地域は5つの市と町でしたが、今は茂原市まで広がり18市町に。大繁殖しながら"北上"を続けているのです。

そこで県が4月に設定したのが、いまの生息域から千葉市などに北上させない“絶対防衛ライン”。およそ1億3500万円を投じ捕獲に力を入れるというのです。

気になる!班(千葉・御宿町)
「キョンが3頭いますね。そこらじゅうにキョンがいる」

■繁殖力が強く 住民を悩ませる“厄介者”

そもそもキョンはシカ科の仲間で特定外来生物。繁殖力が強く、千葉県では過去に観光施設から逃げたキョンが数を増やしました。“厄介者”として住民を悩ませています。

御宿町民
「野菜の苗を食べちゃったり。車で走ってきたら急に横断してぶつかりそうになったりとか」

実際、千葉・御宿町で取材中にも…。

気になる!班
「危ない。目の前を走っていきました」

人の生活圏にすみついているキョン。

いすみ市民
「フンがいっぱい落ちてる。マダニがついているって話だから。マダニは怖いからね」

キョンなどに付着するマダニにかまれると感染症を引き起こし、死にいたるおそれも。毎年、1万頭前後が捕獲されているものの増え続けている現状があるのです。

■捕獲で9000円の報奨金 県が補助金を増額

“絶対防衛ライン”がある市原市は、捕獲を強化する“最前線の町”です。

市原市民
「増えてますね。もう毎日見るもの」
「やっぱり少なくなってほしい」

これまでキョン1頭を捕獲すると7000円の報奨金を出していましたが、4月から9000円になりました。県が補助金を増額したのです。

キョンを捕獲する農家
「それは意欲につながる」

サツマイモなどが被害にあっていたという農家の男性。ワナの資格をとり、去年は1年間で20頭以上を捕獲したといいます。

キョンを捕獲する農家
「(キョンは)同じ場所を通るから、同じワナに何頭もかかったことがある」「うちのまわりは捕ってるから日中は出なくなった」

4月以降も5頭を捕獲。被害を防ぐため、今も家の庭などにワナを仕掛けているといいます。

キョンを捕獲する農家
「とにかく害を減らしたい」

■都内大学と連携し行動監視 拡大阻止は「今が正念場」

千葉県では、今年度の捕獲数の目標を例年の2倍にあたる1万8000頭以上にしています。さらに県は、キョンを研究する都内の大学とも連携。市原市など7つの自治体にカメラを設置して行動の監視を始めました。

東京農工大学・諸澤崇裕講師
「あるところに定着すると同じ場所で行動するという習性がありますので、キョンの行動圏を特定して」

行動範囲を特定し、捕獲につなげる狙いです。

東京農工大学・諸澤崇裕講師
「今がちょうど正念場。(千葉県を)越えてしまったら本州全体に広がっていくリスクが高くなる。房総半島の半島部にいる間におさえこむということが大事になってくる」

餌なども調査中で、ワナに誘い込む、より確実な捕獲方法を模索しているということです。

※6月3日放送『news every.』より