台所を心地よく整え、料理の時間を楽しくする工夫を紹介します。教えてくれたのは、76歳で夫とふたり暮らしのぬ衣さん。夫の定年退職を機に、里山での暮らしを始めました。「どんな場所よりも家が好き」と話すぬ衣さんに、台所で実践している5つのルールついて伺いました。

※ この記事は『別冊天然生活 76歳、ぬ衣さんの小さな幸せを重ねる暮らし』(扶桑社刊)に掲載された内容を一部抜粋・再編集して作成しています

【写真】ぬ衣さんの台所

食事の支度を楽しむ、台所の工夫

「料理は、そんなに好きじゃないんです」と聞いて驚きました。こんなに魅力的な台所の主が? 信じられない! というのが率直な感想。でも、改めて考えを聞いてみると、共感できるポイントがたくさんあることに気づきました。

まず「凝った料理はしない」こと。「料理道具や器は好き」なこと。「盛りつけとテーブルセッティングも好き」なこと。

料理という言葉に含まれるさまざまな実践のなかには、当然「好き」のグラデーションがあり、そこには個人差があります。

ぬ衣さんは料理を「好き」ではないかもしれないけれど、好きになれるように工夫しているし、実際に楽しんでいる。それはとてもすてきな姿勢です。しかもそのために、台所仕事に関するルールを自分で決めて守っているそう。

「そんなに大したことじゃないんですよ。できるときにはやろうっていう“ゆる”ルールだから。できない日があっても気にしません」

台所仕事を楽しむ、ぬ衣さんの5つの“ゆるルール”

ぬ衣さんが台所仕事を楽しむうえでの、5つの“ゆるルール”を教えてもらいました。

●1:真っ白なスポンジは多めに買い置き

食器洗い用の真っ白なスポンジは、100円ショップで購入したもの。黒ずんできたりへたってきたりしたらいさぎよく取り換えて、いつもきれいな状態で使おうと決めている。

そのため、買い置きは多めに。袋から出してお気に入りの空きビンにつめ替えておけば、見た目にもかわいくストックできる。

●2:なんでも投げ込める場所をつくる

何年も前に「無印良品」で購入した工具ケースは、台所のなんでも入れに採用。調理中に使うスプーン、皮むき器、缶切り、ワインオープナーなど、こまごまとした道具を収納している。

一時置き場としてなんでも放り込んでおける場所をつくると、気持ちも作業もラクに。

●3:メガネはすぐ手に取れる所に

ぬ衣さんのトレードマークのひとつがメガネ。遠くを見るとき、手元を見るときなど、1日に何度もかけかえるため、すぐ手に取れる台所に置いている。

その日の気分や服装でフレームの形や色を選べるよう、複数を準備。カップに立てて収納すると出しやすくしまいやすい。

●4:軽い鍋に替える

年齢を重ねると、鋳物や鉄製の重たい道具を持ち運ぶのが難しくなるもの。そんな気づきを得て、鍋やフライパンをステンレスやアルミなどの軽いものにチェンジ。

「カインズ」で見つけた鍋は持ち手が熱くならず、食卓にもそのまま出せるデザインがお気に入り。

●5:冷蔵庫は保存容器で仕切る

野菜は畑で収穫した自家栽培のもの、肉・魚などの生鮮食品はその日食べきる分だけを店で購入するため、冷蔵庫に並ぶのは調味料、乾物、漬物、飲料が中心。

中身が見えるよう、市販の袋から出し、スタッキングできる容器に移し替えて保存している。食材を管理しやすく見栄えも整う。